2021年12月11日

「東西融合」という妄想にとらわれた鍼灸師たち

東西融合という妄想にとらわれた鍼灸師たち

10月から日曜日の朝にツイッターのスペースという機能を利用してラジオ配信を行ってます。

きっかけは、東京のカポスでバイトしていた鍼灸学生のともさんに「どんなことをツイートしたらいいと思う?」と訊いたことでした。返ってきた答えは「臨床経験がある鍼灸師ならではのもの」でした。それから「経験があるからこそ」を意識するようにしてはみたのですが、「短いツイートの中に経験を込めるなんて難しい〜」と半ばあきらめモードです。

「やっぱり私にはブログしかないのかなぁ〜」と、ツイッター苦手意識が再燃。ブログを主戦場に戻すということも考えたのですが、朝の時間を活用しながらできるラジオ配信としました。

朝の時間というのは、セミナー会場に向かうクルマの中です。社内(車内)のメンバーとおしゃべりしながら向かっているわけなので、それを公開するノリです。

ツイッターのスペースという機能は、本来参加者とおしゃべりする機能ですが、参加者を全員ミュートにして、私のアカントのみをオンにしてラジオ化しました。ツイッターの「クリ助」をフォローしていただければ、どなたでも聴くことができます。

クリ助のおはようスペース」 毎週日曜日 7:55〜8:15

対象は鍼灸学生や若手鍼灸師です。鍼灸の裏話や個人的な苦労話がメインとなっています。文字に残らないので、普段の発言より辛味が強くなっています。

先日、ある鍼灸学生に「何かやってほしいテーマある?」と訊いてみたら、「東洋医学と西洋医学」と返ってきたので「それいいね!」と即答してしました。でも、2、3分後「これめっちゃ難しいテーマじゃないか!」と気がついたのですが、後の祭り。やるしかありません。

「記録の残らないフリートークでやるには、もったいないし…」という気持ちになって、ブログとの連動でやっていくことを思いつきました。あらかじめ、しゃべりたいことをブログにしておき、ラジオ配信が終わってから公開するという流れにすることにしました。

どのみち、毎回しゃべる前に筋書きは考えているので、それをブログにしてしまえという単純な発想です。あらかじめ頭が整理できるし、ブログも再開できるし、ツイッターがブログへの誘導になります。ブログでずっとやってきた私にとっては原点回帰です。


鍼灸は本当に東洋医学なのか!?


このテーマを考えるにあたって、東洋哲学や東洋思想、そして西洋哲学や西洋思想がわからないことには話が始まらないと気づきました。

鍼灸は東洋医学と思われていますが、これは完全に間違いです。鍼も灸も道具でしかありません。スプーンとフォークで食べても寿司は西洋料理にはなりません。つまり、道具だけで東洋や西洋が決まるわけではない、というのが私の考えの根底にあります。

もちろん、美味しければ何でもいいというも一つの正解ですから、料理も医療も東西の区別が常に必要だとは思いません。

患者さんが鍼を受けた後に「東洋医学ってスゴイですね!」とおっしゃることがあります。その言葉を聞いて「そっか、これは東洋医学と思われているんだ」と気づくわけです。それは、普段、「スマホ」という言葉を使うとき、それが「スマートフォン」の略称であって、そもそも“smartphone”という英語だということを、いちいち意識していないと同じです。

日本語の中に入ってきた英語は日本語化しているように、東洋医学の中に入ってきた西洋医学も東洋化してしまっていることを考えないといけません。

つまり、鍼灸をやっているのは、なんだか東洋医学らしいなというだけで、東洋医学であるとは限らないのです。実際に「西洋医学的な考えに基づいてやっています」と標榜している鍼灸師は少なくありません。

私はというと、この10年くらいは「東洋」とか「西洋」とか、ほとんど言っていません。こだわりがないのではありません。わからなくなってしまっているからです。もはや、鍼灸は東洋なのか西洋なのか区別できません。少なくとも、私自身の臨床においては。


東洋医学と西洋医学の融合なんて妄想の世界


巷には「東洋医学と西洋医学の融合」をうたっている鍼灸院で溢れかえっています。わざわざ敵を作る必要もないのですが、融合は妄想の世界です。「こだわりなくやっています」と密かに思っているか、「融合させました!」と大々的に言うかの違いです。

スーパーの特売品と冷蔵庫の残り物で作った料理は「おふくろの味」と呼んでもいいし、「創作料理」と呼んでもよいのです。標準治療が定められていない鍼灸の世界においては、どう言うかで、どういうものかが決まるのです。

「融合なんて、あなたの妄想ですよね?」

と言われても誰も言い返せないのです。

標準治療:科学的根拠に基づいた観点で、現在利用できる最良の治療であることが示され、ある状態の一般的な患者さんに行われることが推奨される治療
引用:国立研究開発法人国立がん研究センター

後編では、西洋医学とは何か、東洋医学とは何か、背景にある哲学と思想に迫っていきます。

つづく…「東洋医学vs西洋医学」がなぜ生まれるのか?

twitterもよろしくお願いします。
https://twitter.com/kuri_suke

はりきゅう養気院(群馬県/伊勢崎市)
はりきゅうルーム カポス(東京/品川駅)
整動協会(鍼灸師のための臨床研究会)


yoki at 12:28│Comments(0)このエントリーをはてなブックマークに追加

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