2022年04月18日
患者さんをどこから観るかで鍼灸師の個性がわかる
鍼灸はいろいろ
鍼灸も色々で、鍼灸師の数だけやり方があると言っても過言ではありません。この多様性がよくも悪くも鍼灸の個性です。
よい部分としては、病院などの標準治療(保険診療)では対応してもらえない症状にも対応できる場合があることです。悪い部分としては、統一見解がないので何が一番よいのかわからず、患者さん自らが判断しなければならないことです。色々な受け比べる余裕がある人は少ないわけですから、「ここが合っているかもしれない」と直感で選ぶしかありません。
最初に何を観るか
鍼灸師の一人として、鍼灸師の個性がどこに表れるのか説明したいと思います。ここで取り上げるのは、最初に観るところです。患者さんと対面した時に、何を観るかがその鍼灸師の個性を表しています。
たとえば、姿勢を観るのか、顔色を観るのか、脈を診るのか、全体の印象を観るのか、などなどあります。人間の脳は万能ではありませんから、着目したところの情報を優先して受け取ります。ガヤガヤした人混みの中で友人と会話が成立するのは、友人の声を優先的に拾って、それ以外をノイズとして処理しているからです。
私も例外ではなく、すべての情報を平等に処理することはできないので、意図的に着目するところを決めています。私の話はさておき、どこに注目するかが鍼灸師の個性を決定づけるというところは、鍼灸師選びのヒントになると思います。
説明が腑に落ちるか
鍼灸師にカラダを診てもらうときは、最初に何をチェックされるのかに意識を向けてみてください。ずばり訊いてみてもよいと思います。「私のカラダ、どうですか?」と。
どんな回答であれ、スラスラと回答が返ってくるようであれば期待できます。ただ、何を言っているのかわからない場合、その後もわからないかもしれないので、説明が腑に落ちる鍼灸師が合っていると思います。
「なんとなく」ではダメ
こうした発言は、ブーメランですから私自身にも返ってきます。患者さんから「私のカラダどうですか?」と訊かれた際に、即答できるようにしたいものです。そのためには、カラダを観る際の着眼点を定めておき、その解釈をスラスラできる準備が必要です。単に知識を増やすだけではむずかしいです。情報を整理する能力を磨く必要があります。
ですから、普段の臨床で心がけているのは「なんとなく」をつくらないことです。ツボを選ぶ際もそうです。なんとなくツボを選ぶことはしないようにします。口に出さなくても、ツボを選ぶ根拠があれば、訊かれた時に明瞭な回答を用意することができます。その際、専門用語のままではわかりにくいので、わかりやすい言葉を選ぶようにしています。
次回は、私が何を観ているのかを書きます。▶患者さんを観るときの手順(クリ助流)

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