2022年04月29日

整動鍼がオンラインセミナーをやらない理由

整動鍼がオンラインセミナーをやらない理由


コロナ禍で失ったもの


試練は2020年の春から始まりました。鍼と整体のセミナーはコロナ禍に飲み込まれてしまったのです。

一時はセミナーは休止せざるを得なくなり、再開できた後も東京は避けられて参加者は激減しました。追い打ちをかけるように、初期の頃からずっとお世話になっていた貸し会議室も閉鎖してしまいました。

先が見えない中、セミナー事業を閉じるという選択肢も頭の片隅にありました。鍼灸関係のセミナーもどんどんオンライン化し、SNSでは「オンラインで十分だよね」という声が大きくなっていました。zoomの株価が最高値を更新している頃、いろんなところで「○○zoom」が流行っていました。

決断に必要なのは勇気だけだった


整体セミナーである活法は実技なしにはどうしても成り立ちません。いっぽう、鍼セミナーの整動鍼はオンライン化するという選択をもあったわけですが、あえてシフトしませんでした。

それどころか、常設のセミナー会場を用意する方向に舵を切りました。説明するまでもなく、会場はセミナーの都度借りる方がリスクが低いです。人の足がいつ戻るかわからない状況の中で決断するのは勇気がいりました。

未来が見えていたわけではありません。私の中にある感情と計算に従っただけです。


オンライン化を拒んだ感情


コロナで気づいた本当の気持ち


感情の方から説明します。オンライン化したセミナーを想像すると、モチベーションが下がってしまうのです。誰かは思うかもしれません。「リアルでもオンラインでも、技術を普及させたいと思う気持ちがあればこだわる必要なんてないでしょ?」と。

おっしゃる通り「技術を普及させたい」という気持ちがベースにあるなら、そうだと思います。ただ、ちょっと違うのです。

最初はこの違和感を説明できませんでした。だんだん、わかってきたのです。私は数の勝負をしたいのではなかったのです。シェアを拡大するといった、そういう野望がないのです。

とはいえ、欲がないわけではありません。「セミナーを続けたい」というはっきりした欲があります。その欲の正体に気がつくまで時間がかかってしまいました。新型コロナがなかったら、気がつかないまま走っていたかもしれません。

大切に使ってくれる人を大切にしたい


私の中にあったのは「大切に使ってくれる人」を増やしたいという欲と、そういう人と丁寧に付き合っていきたいという願望です。振り返れば、少人数制で実技中心のセミナーを選択してきたのは、そういう欲と願望があったからだと説明できます。

普及だけ考えるなら、YouTubeで技術を公開し、直接指導したい人だけをセミナーに集める、というやり方もあります。実際に、このビジネスモデルは主流です。こうしたやり方は、私には合いません。というより、やろうとする気持ちが生じないのです。理由はすでに書いた通りです。手から手へと丁寧に技術を伝えたいのです。

経営者としての責任


こうした気持ちは売上を伸ばすにはNGなのかもしれません。定員が20名くらいのセミナーを繰り返し続けても限界は決まっていて成長の余地はありません。

とはいえ、経営を破綻させて社員を困らせるわけにもいきません。売上が伸び悩んでも問題が生じない経営をする責任があります。

私が行き着いたのは、事業規模に合わせてスタッフを雇うのではなく、スタッフに合わせた事業規模にするという考えです。経営的に正しいかどうかわかりませんが、私のモチベーションにとってプラスなのは間違いありません。

事業を軸にするのではなくスタッフを軸にする


どういうことかと言いますと単純です。「一緒に働きたい人と働くだけ」です。私が一緒に働きたいと思う人がいれば声をかけますし、一緒に働きたいと言ってくれる人がいたら採用を検討するのです。

最初は「○○事業を始めるには○人の雇用が必要」と考えていた時期がりますが、今はまったく考えていません。「縁がある人と無理ない計画で仕事を楽しんでいく」と変わりました。


オンライン化を拒んだ計算


オンラインはブーム!?


オンライン化に踏み切らなかったもう一つの理由は、オンライン化は一時のブームになると予想していたからです。もし、オンラインを軸にしてしまったら、会場セミナーの価値を自分の手で潰してしまうことになるからです。私が思う、会場セミナーの価値は、時間と空間を同時に共有できることです。

仲間がいるから上手くなる


技術セミナーに対して「何をどうすればいいのか教えてくれれば十分」と考える人もいるでしょう。ただ「仲間づくり」という観点からするともったいないと思います。仲間づくりを大切にしたいのは、寂しさを埋め合わせるためではありません。技術を向上させるには仲間が必要だからです。

仲間と練習するから気がつくことがあります。患者さんが言ってくれないことも、仲間なら言ってくれます。個人事業の鍼灸師は積極的に外に出なければ、技術交流はできません。技術があると思っていたのは自分だけ、なんて状況は笑えません。

お気づきの通り、完全にオンライン化してしまうと、最初に試すのは患者さんという状況が生まれるのです。もちろん安全範囲でやることですからキケンという意味はありませんが、不確実性は拭えません。


セミナーの価値


セミナーの価値は内容だけにあるわけではなく、その機会に乗じて仲間づくりができることにあると考えています。受講者と受講者の関係はもちろん、受講者と私の関係も大切です。講師をしていても、受講者さんと関係が生まれると私も学べるのです。

セミナーの価値の半分は仲間づくりにあると言っても過言ではありません。少なくとも私はそう考えていますし、その場を提供できていることに喜びを感じています。

ピンチはチャンス


話を最初に戻します。コロナ禍が始まった2年前、オンラインセミナーのブームは2〜3年続いた後、会場セミナーの価値が見直されていくだろうと予想し、自前で会場を持つことにしたのです。物件を探し、品川駅の港南口から徒歩圏内のところと契約しました。

コロナ禍が過ぎてから借りるというリスク回避もありますが、コロナ禍の真っただ中の方が、物件が選びやすく値段交渉がしやすいと考えました。

品川区の物件を選び内装を終えて稼働が始まったのが2021年1月でした。1年ちょっと前です。セミナー単独で使うには無駄が多いので鍼灸院との併設で折り合いを付けました。ですので、港区でやっていた鍼灸院を品川区に引っ越ししました。セミナーの売上は激減し大きな出費が重なった2020年は経営的に正念場でした。

カポスの動く壁(YAMAZAKI スライディングウォール)

ちなみに、内装には動く壁(スライディングウォール)を採用していて、YAMAZAKI(富山県)に依頼しました。こららのページで仕掛けが紹介されています。


セミナー本格再稼働


この2年間、セミナー情報の発信は控えめにしてきましたが、本格再稼働に向けて動き始めています。政府も経済活動再開への意識を強めてきていますし、私も活動を活発にしていこうと思っています。

さっそく、いろいろ用意しています。

6月には山口県で整動鍼の講習会を行います。山口県鍼灸師会の学術部から依頼をいただきました。東京ばかりだったので地方セミナーに飢えていましたので嬉しいです。単発開催なので臨床のヒントをたくさん用意していこうと思っています。参加費がたいへんリーズナブルなので早めに満席になるかもしれません。山口県鍼灸師会に所属していない一般の方でも参加できますので、お近くにお住まいの方はぜひご参加くだささい。

山口県鍼灸師会の整動鍼講習の案内

◎日時 6月5日(日)11:00-16:00
◎会場 山口県セミナーパーク
◎参加費 一般5,000円(山口県鍼灸師会会員3,000円)
◎申込み(お問い合わせ) 山口県鍼灸師会

7月には、自前の東京会場で整動鍼の入門セミナーを行います。本格的にやってみたいけど、「いきなり2日連続の基礎編では...」と躊躇している方にとってはうってつけの内容です。このセミナーで整動鍼の虜になってしまう鍼灸師がとても多いです。「入門編」と名付けてはいますが、もっとも応用範囲の広い技術を学べるセミナーです。定員は18名ですので、申込みが集中すると満席まで時間がかからないかもしれません。

整動鍼入門セミナー


◎日時 7月24日(日)10:30-18:00
◎会場 東京(JR品川駅から徒歩10分)
◎申込み 整動協会 受付開始 5月1日(日) 21:00〜




twitterもよろしくお願いします。
https://twitter.com/kuri_suke

はりきゅう養気院(群馬県/伊勢崎市)
はりきゅうルーム カポス(東京/品川駅)
整動協会(鍼灸師のための臨床研究会)

yoki at 21:55│Comments(0) セミナー | 仕事日記

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