2022年09月19日

仙骨を立てると姿勢が良くなる理由をわかりやすく解説

前回の記事で“丁寧”の底辺にあるのは、患者さんの

〇兩を乱さないこと
息を乱さないこと
L造錣擦覆い海


であると述べました。


触診する姿勢によって変わる


今回は,砲弔い得睫世靴茲Δ隼廚い泙后4擬圓気鵑了兩を乱しやすい場面は触診の時です。ただ、多くの鍼灸院では寝た状態で触診しているので問題になっていないかもしれません。

私のスタイルでは、ベッドに腰掛けた状態、ときには立った状態で触診することがあります。それは、活動中に現れる症状ならその姿勢での偏重が重要だからです。話はかんたんで、起きているときに出る症状であれば、起きている姿勢で診る方が合理的です。

意識はされていないかもしれませんが、骨盤や肩甲骨の傾きは姿勢によって見え方が変わります。たとえば、ベッドに仰向けになって比べると足の長さが左右で違っていた場合、立ったら骨盤の高さが違って見えます。

骨盤の傾き


姿勢のアンバランスを探そうと思っても、姿勢によって見え方が違うのです。私は、患者さんを坐位(ベッドに腰掛けた状態)にして観るようにしています。上半身に限りますが、この坐位での上半身は立位と同じ状態になります。ただし、一つ条件がありまして、それは坐骨で座っていることです。


坐骨で座ると姿勢が良くなる


では、坐骨で座っていない状態とは何かというと、それは仙骨で座っている状態です。骨盤が後ろに倒れて背中が丸まっている状態です。いわゆる姿勢が悪いという状態です。実は、この「姿勢が悪い」という姿勢は骨盤の傾きに由来することが多いのです。
骨盤の傾きと姿勢の関係

骨盤が逆に前傾しているパターンもあります。典型例でわかりやすいのは、妊婦さんです。お腹が大きくなるにしたがって、骨盤は前傾し腰椎の前弯が強くなっていきます。坐骨ではなく、大腿(太ももの後ろ)を使って座るようになります。

骨盤の前後の傾き


意識を仙骨に置く


このように骨盤で姿勢を考えることが大切です。さらに一歩進めて考えると、仙骨の向きが重要であると考えます。なぜ仙骨に注目するかというと、仙骨がもっとも意識しやすいからです。人間がサルだった頃、しっぽが仙骨の下端(尾骨)から伸びていたことから、もともとコントロールする骨だったことがわかります。しっぽの退化とともに仙骨を動かす感覚も乏しくなったのだと思います。

いくら乏しくなったとしても、仙骨が姿勢制御の役割を担っているという事実は消えていません。ふだんの生活で仙骨を意識することは大切ですし、私たちのような職業においても極めて重要です。

それでは、どのような意識が重要なのでしょうか。仙骨を立てることです。立っている時も座っているときも仙骨が立っている状態を意識します。真っ直ぐ固定してしまうような感覚ではなく、手の平で鉛筆を立てるようにバランスで保っている感覚に近いです。
手の平で脊柱と鉛筆を立てる

やってみるとわかりますが、仙骨を意識するだけで姿勢がキレイになります。そのキレイな姿勢がいちばん疲れにくいのです。「疲れにくい」ということが最も重要です。よい姿勢は続けられます。逆にいえば、続けられる姿勢がよい姿勢です。


ラクで続けられる姿勢が良い姿勢


本質的なことをいえば、良い姿勢とは見た目を基準にするものではなくラクかどうかで判断するものです。姿勢が乱れると体は疲れやすくなり、どこかの関節や筋肉に負担が偏ります。その姿勢の制御として仙骨を意識することがもっとも効率がよいと考えます。

「患者さんの仙骨が大切ですよ」と言う前に、鍼灸師のような施術者も仙骨が大切です。施術者も疲れにくい状態であると余裕が生まれます。余裕は判断能力や施術の質を高めてくれます。

先日の合宿では、実際に「仙骨を立てる」ことを意識しながら練習をしてみました。

患者さんの姿勢を乱さないためには、まず術者が姿勢を乱してはいけないというのは当たり前なのですが、具体的な体術に落とし込むところまでやらないと、単なる合言葉になってしまいます。

面白いことに、自分の仙骨を立てると患者さんの姿勢の乱れにも気づくようになります。前述したように、仙骨を立てるというのは、仙骨を縦に固定しておくことではありません。「傾いたら戻す」ことを繰り返す運動です。戻ってくる位置をゼロポジションと呼んでいます。術者が自分のゼロポジションを意識すると、患者さんのゼロポジションも意識できるようになります。
起き上がり小坊師

粗末な触診をすると、患者さんの重心が大きくズレるので患者さんは重心を戻そうと、力を入れます。理屈では誰もがわかる話ですが、術者のゼロポジションが意識されていないと、患者さんが力を入れて戻そうとしていることに気がつかないのです。患者さんも気づかないかもしれません。ただ、ゼロポジションを乱さずに触診されたときは安心感があると思います。
背中を押される

私は、この安心感を大切にするように心がけています。特に、鍼灸院に初めて来たという人は、不安でしかたないと思いますので、何よりも安心感だと思っています。効果も安心感あってこそなので、もっとも重要かもしれません。


仙骨を立てることをコンセプトにしたマツダのシート


施術から離れて仙骨の話をします。鍼灸師の目から見て「わかってるなー」と思う自動車メーカーがあります。それはマツダです。マツダのシートは仙骨に着目して設計されているのです。ネットで検索したら「マツダ技報」が出てきました。「理想のシート構造設計に向けた人体研究(2018)」というがあるので、(仙骨かマツダ車に)興味ある方は読んでみてください。

マツダシート

(画像引用:マツダ公式ブログ

この研究の結論は「骨盤を正立させ自然な脊椎S 字を促し,自分の体の一部になったかのように意のま まにクルマを操る『人馬一体』感を向上させながら快適性・安全性を両立した。」となっています。

実験の結果、シートの性能において骨盤の角度が重要であるという結論なのです。骨盤が正位にある方が衝突時に骨盤がシートベルトにしっかり守られるので安全性が高いというのです。

さらに、骨盤(仙骨)が前傾傾向になると腰椎の弯が出現し、脊柱がS字になることもレントゲン撮影で確認しています。

論文はちょっとという方はこのブログの記事「▲Εーキングスタイリスト&シート開発エンジニア対談」がわかりやすいです。一部を引用して紹介します。
人が一番バランスを取りやすいのは、骨盤を立てて背骨がS字カーブになっている状態。座った時も骨盤を立ててあげると、背骨のS字カーブが頭まで軸を通してくれるので、身体は一番バランスが取りやすい状態になります」。

マツダのシートの解説
画像引用元:マツダ公式ブログ


マツダのシートは本当によかった


私もマツダ車に乗っていたことがあります。2015年から2年くらい乗っていました。その時と比べてシートが格段に良くなっていると感じます。もしかしたら、この数年で劇的に良くなったのかもしれません。先日、9月15日に発売されたばかりのCX-60に試乗した際に確信しました。理屈だけでなく、ちゃんと体で確認する真面目な男です(笑)

マツダCX-60の試乗

今回はマツダ贔屓の記事になりました。別メーカーの関係者さん、ごめんなさい。今後さらに、車の設計に人間工学が取り入れられていくはずですので、他メーカーの動向にも注目です。

現在の車を長く乗り続けたいのですが、積極的に出かけて最新型も検討していきたいと思います。

twitterもよろしくお願いします。
https://twitter.com/kuri_suke

はりきゅう養気院(群馬県/伊勢崎市)
はりきゅうルーム カポス(東京/品川)
整動協会(鍼灸師のための臨床研究会)

yoki at 18:13│Comments(0) 鍼灸 | 趣味

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