2022年10月15日

なぜ取穴だけのセミナーが満席になるのか

整動鍼_基礎_取穴復習編_2022年10月2日〜3日


取穴だけのセミナーは他では聞きません。たぶんうちだけだと思います。

この取穴だけのセミナーは何年も前からやっていますが、すぐに満席になってしまう人気セミナーです。内容が地味なので、初めて企画したときはこんなに集まるとは思っていなかったので、このセミナーが必要とされている理由を考えてみました。


鍼灸師の技術差


鍼灸師はツボのプロとはいえ…ツボが完全にわかるわけではありません。野球で考えるとよくわかります。野球選手は、投げたボールを打つバッティングのプロですが、10割ではありません。もちろん、素人からみたらものすごい技術を持っているのですが完璧でなく、プロによって技術差があります。

鍼灸師も同じです。ツボを取るプロとはいえ鍼灸師によって技術差があります。私も発展途上。完璧からは程遠い状態です。鍼灸師になるには最低3年の専門教育が必要ですが、本当にツボを使いこなすには、実務経験が不可欠です。不思議なことにツボは使えば使うほど奥深さに気がついて、わからなくなります。学び始めた学生のときの方が、ツボがわかるような気がして幸せだったかもしれません。

このセミナーにやってくる鍼灸師たちは、実務の中でツボの奥深さに気がついてしまったのです。ツボの位置や深さを丁寧に探ってみると、今までとは違う別次元の効果を知ることになります。カルテに記載されたツボは同じでも効果が全く別モノになってしまいます。


鍼灸の本質はツボの探求


私は、鍼灸の本質はツボの探求だと考えています。そうでないと、金属が体内に入ったときの反応(鍼)、皮膚上で植物が燃えた時の反応(灸)となってしまいます。鍼灸というのは、鍼が効くわけでも、灸が効くわけでもなく、ツボが効いているのです。

ツボが300以上あるので、鍼灸師はそれをすべて覚えなければいけません。「大変ですね」と言われることがありますが、それは大変ではありません。たいへんなのは、ツボ一つひとつの効果を引き出すことです。顔と出身地を知っているからといって、信頼関係ができるわけではありませんよね。ツボも同じです。ツボの性格や特技を知った上で、使い手も技能をさらけ出す必要があります。ツボの能力を引き出すには、何にも増してツボの正確な位置が重要です。


ツボの正確な位置


ツボの正確な位置は、経験豊かな鍼灸師が決めるわけではありません。そうであれば、経験で担保されているものはなにか、という話になってしまいます。それに経験豊かな鍼灸師が同じ位置に落ち着くわけではありません。

このような理由から、私はツボの位置を定めるにあたって経験的要素を排除しました。そのツボに効果があるならば、何らかの変化が起きるわけですから、その変化をキャッチできるところ、もしくはその変化が最大化するところをツボと定めるのです。

誰もがその変化を共有できるところのみをツボと定めるのです。実務経験の長い人もそうでない人も、ツボの前では平等です。鍼灸師がどこをツボだと思うかではなく、変化を根拠にツボの位置を推定します。

鍼灸師が一人で鍼灸院をやっていると、自分が思う位置が正しいと思いがちです。ある意味、自信を持って施術しなければいけませんから「いいのかな…」と思ってばかりでは患者さんが不安になります。とはいえ、自分だけの世界で正しさを決める危うさを無視できません。

鍼灸師が集まって、正しさを検証するという機会が大切です。交流によって鍼灸師の技能は高まると信じています。ですから、私も積極的に多くの鍼灸師と交流を持つように努めています。

このセミナーでは検証して結果が出るところを扱っています。私が中心となって正しさを定めていますが「こっちの方が…」というところが見つかったら修正を行う予定です。

ときに学校で教えるツボの位置と違うこともあり「勝手に…」と批判をされることもありますが、鍼灸師個人が臨床の場で、勝手に正解を決めないための取り組みとして私たちは考えています。もちろん、一人ひとり鍼灸師の完成は違いますがツボの位置は人によって異なることはありません。ですので、鍼灸師の方が自身の感性をチューニングすることによって、同じ位置に定めることは可能です。

ツボの位置がミリ単位で統一できれば、「○○というツボを使って○○が改善した」という情報を共有できるようになります。鍼灸師にとって大きなメリットですし、症例の蓄積した症例の価値も高くなります。


独りでがんばる限界


鍼灸師一人ひとりの努力は大切なのですが、技術交流を断って努力すると我流になる可能性があります。もし、名人芸に発展したとしても言語化していなければ後を継ぐことができないので一代で終わります。鍼灸が発展していくためには、がんばりの成果を共有する意識と仕組みが必要です。一翼を担えればという気持ちで活動しています。

twitterもよろしくお願いします。
https://twitter.com/kuri_suke

はりきゅう養気院(群馬県/伊勢崎市)
はりきゅうルーム カポス(東京/品川)
整動協会(鍼灸師のための臨床研究会)



yoki at 17:54│Comments(0) 鍼灸 | セミナー

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