2026年03月01日

そのだるさは本当に好転反応? 施術後に知っておきたい体の変化

YouTubeとブログを連携させながら情報発信していきます。

現在28本の動画を公開しているのですが、今回は初回なのでもっとも再生数が多い「好転反応とは? 施術後の不快な症状は悪化の疑いもあるので好転反応と決めつけないでください」について、まとめていこうと思います。

マッサージや鍼治療を受けた後、体がだるくなったり、一時的に症状が強くなったりしたことはありますよね? よく「それは好転反応だから大丈夫」と言われますが、ちょっと注意が必要です。今回は、丁寧に慎重に「好転反応」という言葉と向き合ってみようと思います。
もし「これって本当に好転反応?」って少しでも思っていたらこの続きをぜひお読みください。

そのだるさは本当に好転反応

「好転反応」という言葉の落とし穴 


多くの人が使う「好転反応」という言葉ですが、本当は科学的な根拠はないのです。さっそく、厚生労働省の見解を見てみましょう。

 厚生労働省の見解:厚生労働省は「好転反応に科学的根拠はない」としており、安易に使うことを推奨していません。
 健康被害の恐れ:特に健康食品などで「悪化しても好転反応だから」と放置させ、結果的に健康被害につながるケースがあるため注意が必要です。

では、なぜ「好転反応」という言葉がこれほど世間で言われているのでしょうか。ここからその秘密に迫っていきます。


鍼治療の後に起こる「余韻」と「だるさ」


鍼をした後に感じる違和感は、体への刺激による「余韻」である場合がほとんどです。「残鍼感」などと言われることもあります。これは好転反応ではありません。先に書いた通り、鍼をした感覚がただ残っているだけです。これを副作用と呼ぶ人もいますが「鍼をしたのだから多少の感覚が残るのは普通のこと」と考えれば副作用と呼ぶほどではないでしょう。この感覚はしばらくすると消えてしまいます。数時間〜1日程度でしょう。

一時的な反応:強く押された後に感覚が残るのと同様、鍼の刺激による余韻が翌日くらいまで残ることがあります。

主な症状
  ・局部的な重だるさや違和感
  ・全身的なだるさ
  ・軽度の微熱(37℃台など)

安全性:一時的なものであり、鍼治療は薬や手術に比べて非常に「ローリスク」で安全な施術です。


「瞑眩(めんげん)」と症状の一時的な増幅


東洋医学には古くから「瞑眩(めんげん)」という言葉があります。これは、良くなる過程で一時的に反応が出ることを指します。私の臨床の中でよく出現するのは、しびれの治療においてです。鍼をして数分すると、しびれの症状が一時的に強くなってきます。その方が効果があるのです。

一時的に強くなったしびれは、10分程度すると消えていき、施術前にあったしびれより弱くなっていることが多いです。このとき、数分間一時的に強く感じるしびれは「瞑眩」と言えます。
これは、事前に患者さんに伝えるようにします。そうでないと、患者さんは「悪化したのでは…」と不安になってしまいます。瞑眩は事前に伝えるべきです。仮に瞑眩だとしても、患者さんが悪化したと思えば、患者さんの中では一時的な悪化ですから。


まとめ:大切なのは「後出し」にしないこと


施術後に起きた予期せぬ悪化に対して、「それは好転反応です」と後から言うのは言い訳のようですし、本当に悪化した場合には、ごまかしの言葉になってしまいます。

施術の不手際がないとしても、症状が激しい場合にはちょっとしたことがきっかけで悪化することがあります。治療期間中は「悪化をすることもある」ということは常に念頭に置いておくべきです。好転反応という言葉を逃げ道にしてはいけないのです。

腕がある施術者ほど、あらかじめ起こりうる体の反応を説明し、患者さんが安心して受けられる環境を整えるものです。もし施術後に不安な症状が続く場合は、「好転反応だ」と思い込まず、別のところに相談することも視野に入れた方がよいでしょう。

結論としては「好転反応」という言葉を耳にしたときは、冷静になってみましょう。見極めは、一時的(数日以内)な悪化なのか、悪化したままになっているかどうかです。

今回の話は鍼灸に限らず、どんな施術にも言えることですので、判断基準の一つとしていただければ幸いです。



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yoki at 20:24│Comments(0) 鍼灸 | 技術論

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