東洋医学(中国医学)

2020年11月01日

日本の鍼灸が世界から評価される日(3)」のつづき

セミナーではノウハウを提供できるが…


セミナー事業に関わってから10年が経ちます。これも教育事業の一環と言えなくもありません。しかし、セミナーは「育てる」とニュアンスが薄くなります。ノウハウをエッセンスにして2日間で提供するというものです。

整動鍼セミナー 張力連綿編

20名ほどの受講者が一つのカリキュラムを同じ時間の枠でこなしていかなければならないので、理解できていなくても吸収できていなくても、否応なく次に進まなければなりません。セミナーは、集積された経験を整理して売る仕事です。そう割り切りながらも、やっぱり受講してくださる方には、理解して吸収していただきたいと強く思っています。ここにジレンマがあります。

そこで、セミナーを始めたばかりの頃からSNS上に交流会をつくって情報交換ができる環境をつくってきました。受講者が自主的に復習する動きが活発になり、2017年には受講者が情報交換しながら切磋琢磨する場所として協会(一般社団法人 整動協会)を設立しました。

協会ができると同時に、自主的に勉強を行っていた集まりを公認勉強会に発展させ、セミナー受講後に研磨できる環境の整備を進めました。技術を使いこなせる受講者が増えました。とはいえ、これも教育とは言えません。受講者自身の成長に遠くから期待しているに過ぎません。

これが悪いわけでもありません。すべての人に教育が必要なわけではなく、セミナーの中でエッセンスを吸収するだけで十分な鍼灸師も多いからです。


鍼灸師の未来を切り拓くのは教育


専門教育を経て国家試験に合格したからといって、患者さんと信頼関係を築ける鍼灸師になれるとは限りません。むしろ、そういう鍼灸師は一部です。国家免許を取得したにも関わらず、鍼灸業界から去っていく鍼灸師が大多数です。私自身も一歩間違えたら、鍼灸師として仕事を続けることはできませんでした。

セミナーの受講者は、自助努力ができる鍼灸師ばかりです。しかし、どんなに能力が高くてやる気があっても環境に恵まれなければ活かすことができません。前進できる環境を必要としている鍼灸師の1%だとしても届けられたら本望です。

群馬で寝泊まりしながらトレーニングする


群馬の鍼灸院(養気院)を拡張し、研修と臨床研究ができる施設に発展させるための準備を進めています。遠方から参加しやすいように宿泊施設も併設する計画です。

群馬で鍼灸の研修と臨床研究ができる施設

準備していたらコロナ禍に突入し、資金の目処が立てられず延期しました。資金源はセミナー事業なので、セミナーが続けられないと中止せざるを得ない状況でした。

3〜5月はセミナーを中止しましたが、6月から再開し少しずつ受講者が戻ってきました。完全に受講者が戻ってくるのは来年の2021年以降です。いつ戻るのかわかりませんが、完全に戻るのを待ってから再開したのでは出遅れてしまいますから、回復に期待して計画は進めています。

ここで行う教育プログラムは社内研修で培っているノウハウをベースに準備しています。個人事業だった鍼灸院を会社にしてから本格的に雇用を開始し、現在まで5名の鍼灸師が巣立っていきました。2〜3年で全員が患者さんから信頼され、鍼治療のみでお代を頂けるレベルに達しました。すべてが上手くいったとは言えませんが、失敗した部分は教訓となりました。


経験を積める仕組み


鍼灸師になってから一番最初に訪れる壁は経験を積める環境がないことです。患者さんにしてみても、免許取り立ての鍼灸師では不安があるでしょう。できるだけ経験が豊かな鍼灸師に診てほしいと思うのが自然です。

経験豊富な鍼灸師にも最初がありました。経験が少ないながらも信頼関係を築く「何か」があったはずです。そこをサポートすることができれば、経験が少ない鍼灸師もよいスタートを切ることができるようになります。

免許を取った鍼灸師はプロです。鍼灸師は民間資格ではなく国家免許ですので、必ず3年以上の専門教育を受け国家試験に合格しています。安全な施術を約束できる専門家です。しかし、「新人」というイメージが先行してしまうと患者さんは不安になります。最初のうちはおぼつかない様子に見えることがあるかと思います。そうであっても、結果を出し始めると、自信が表情に出てくるようになります。

準備しているのは、臨床研究と臨床トレーニングを兼ねた施設です。参加費を支払うことで、経験のある鍼灸師のサポートを受けながら臨床の場に立つことができます。患者さんは安い料金(通常の50%程度)で施術を受けることができます。

通常は鍼灸院の経営は、物販をしていなければ患者さんから頂く施術料に100%依存しているわけですが、これを50%に軽減し、50%を参加する鍼灸師から頂くことで運営に必要な売上を確保します。患者さんは、経験豊かな鍼灸師が補助している鍼灸師の施術を、負担少なく受けることができます。鍼灸師は、経験をお金で買うことができます。

経験があって即戦力のある鍼灸師は就職に有利になります。多くの鍼灸院は、給料を支払いながら戦力になるように教育しているので負担になっています。また戦力になった途端に退社されるリスクを抱えることになるので、雇用に踏み切れない鍼灸院がたくさんあります。

鍼灸業界においては、教育は慈善事業であるべきという考え方が根強くあるため、ビジネス化することに不快感を示す鍼灸師もいるでしょう。

しかし、持続可能な事業として続けていくには収益が必要です。収益が見込めるからこそ施設を建てることができ、システムも構築でき、携わる鍼灸師に給与を出すことができます。慈善事業でやっていくということは、自分を含めて誰かのタダ働きに期待するということを意味します。

この群馬の計画と合わせて、東京の品川でもう一つの計画が動いています。次回は、それについて書きます。

品川

つづく...「品川で鍼灸院+セミナールーム+α


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2020年07月29日

日本の鍼灸が世界から評価される日(2)」のつづき

鍼灸理論が発展途上であることは現場が証明している


鍼灸のメソッドは世界中に溢れています。しかし、理論と実践が整合しているものは希少です。感覚的な話になりますが、世界の鍼灸家の平均を取ると「理論:感性=2:8」程度ではないでしょうか。

この比率については私の感覚でしかないので諸々のご意見があろうかと思います。しかし、判断の大半を感性に依存しなければいけない状況は多くの鍼灸師から支持を得られると思います。鍼灸の発展は、感性への依存度を下げると定義するならば、鍼灸理論は発展途上と認定するのが妥当です。

「鍼灸学はすでに完成された伝統医学なのだ」という意識を捨てた者にしかチャンスは訪れません。誤解しないで頂きたいのは、伝統や歴史を否定する思想ではありません。今の鍼灸があるのは先達のおかげです。危惧しているのは、「鍼灸の価値は歴史が証明しているのだ」という発想からくる思考停止です。


経絡は発見されたものではない


多くの日本の鍼灸師がこうした考え方に賛同してくださるとありがたいのですが、そう簡単にはいかないでしょう。なぜなら「経絡は中国医学の起源となった最大の発見である」という誤解が蔓延しているからです。

実在する経絡を誰も証明できていないのですから「発見」と表現するのは不適切なのです。妥当なのは「経絡は中国医学の発展の契機となった理論である」という表現です。

誤解が蔓延する理由はどこにあるのでしょうか。昨今の学生がどのような教育を受けているのかわかりませんが、私の時代は、「経絡が存在するもの」という前提がありました。

経絡の起源や変遷を教わる時間はありませんでしたし、古典によって走向が違うことも説明されていません。経絡だけでなく、ツボの位置も書物や時代によって異なります。WHO準拠のツボの位置も、会議によって決められたものです。実験に基づくものではないのです。

こうしたバックボーンを知らないまま、経絡の名前と走向を覚えて、ツボの名前と位置を覚えていくことは極めて危険です。健康被害の心配はありませんが、鍼灸の発展を大きく阻害するという意味で、とても危険なのです。

これからの鍼灸師には「発見」と「制定」をしっかり意識しながら学んでほしいと思います。


世間に蔓延しているツボの不確かな効果


ツボの効果も「〜らしい」ということで広がっています。ネット上で見かけるツボの効能は根拠が怪しいものばかりです。エビデンス(科学的根拠)がないものばかりです。

「そんなに神経質になることはない」という意見もあります。「エビデンスがなくても健康被害は出ることはないし、効果があったらラッキーなのでとりあえずツボ押しを試してみたい」という方がほとんどだからです。確かに、ツボ押しを誤った程度で死亡したり病気になったりすることはないでしょう。その前に押したツボが悲鳴をあげるからです。

でも待ってください。これを全面的に許してしまうと、有名な占い師の発言が正しいとされる風潮と何が違うのでしょうか。もちろん、ツボの情報を流す鍼灸師に悪意はありません。誰かの役に立つから発信しているのです。そのサービス精神は大切にしてほしいのですが、エビデンスを無視した情報発信が当たり前となっては、なおさら医療から遠ざかってしまいます。

問題を指摘するだけなら簡単です。実際に、根拠を示していこうとすると本当に大変です。鍼灸師が背伸びしてできるものではありません。お金と時間、そしてそこに従事する人材が必要です。現実を考えれば、そんなに簡単に手を出せるものではありません。


症例からツボのデータベースをつくる事業が進行中


とはいえ、ツボの研究に取り組む鍼灸師は日本にもいます。話があれば協力したいと思っていますが、私もできることを考えて取り組んでいます。

2018年8月から、ツボのデータベースをつくるためにツボネットを運営しています。具体的な構想が始まったのは2016年で2年間かけてシステムをつくりました。今でもアップデートを続けています。

ここに症例を投稿できるのは、今は限られた鍼灸師です。私が主宰する団体「整動協会」の会員で一定の条件を満たしている人たちです。無償で症例を提供してくれています。現時点では、信頼できる仲間に限定しています。質に重点を置くためです。

時に「業界が一つになって、流派に関係なくやらなければ意味がない」というご批判を頂きますが、今の私には業界を一つにする力はありませんし、バラバラな理論とツボの位置をまとめる力もありません。批判は仕方ないと割り切り、このままできる範囲でやっていきます。

合谷ツボネット


症例は、ネットで完全に公開されているのでどなたでも閲覧することができます。現在1800症例を超えているので、夏には2000症例を超えそうな勢いです。ここに症例を登録した鍼灸院に予約が入りやすくなるので、鍼灸院にとっても利益があります。

もちろん、症例集はエビデンスがあるとは言えませんが、数が増えていけば自ずと統計学的な価値が高くなっていきます。「○○(症状)には△△(ツボ)が使われている」という傾向を拾い出すことが出来ます。しかも、ここに症例を登録している鍼灸師は気ままにツボを選んでいるわけではありません。経絡に依存しない新しい理論に基づいてツボを選んでいます。理論の妥当性を確かめていくプロジェクトでもあります。

まとめると、次の3つのことを同時に行っているのです。

‐瀕磴鮟犬瓩謄張椶療計をとる
⊂瀕磴鯏佻燭垢謠灸院に患者さんが集まる
新しい理論の妥当性を確かめる

現在は、経済的な利益が△妨堕蠅気譴討靴泙い泙垢、将来的には,鉢からも利益を生み出し、次のステップに向けて投資をしていく予定です。

次回は、計画中の具体的な教育事業について書きます。

つづく...(


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2020年07月28日

日本の鍼灸が世界から評価される日(1)」のつづき

経絡(けいらく)は正しいのか


中国においても日本においても、経絡は鍼灸家の拠り所です。当たり前のように説かれている経絡ですが、未だにその存在は証明されていません。経絡は鍼独自のもので、この経絡上にツボがあるという設定です。経絡を理解し駆使することで鍼灸家は力を発揮できることになっています。

中医学の鍼灸理論においても経絡は重要な位置づけです。穴性と経絡は合わせて使えるようになっています。

鍼灸師にも選択する権利があります。この証明されていない経絡を拠り所にするのも、別の違う拠り所を探し求めるのも自由です。「経絡はあるのが当然で疑う余地がない」と考えるのも「経絡は作業仮説の一つでしかない」と考えるのも自由なのです。ただし、日本においてはの話です。

中国において経絡は中医鍼灸のアイデンティティそのものです。証明を待っている存在であるため「実在しない」という結論が存在していないのです。

おわかりでしょうか。中医学の悪口を罰するということは、あるかどうかわからない経絡を証明する方向にしか進めないのです。中国が経絡に縛られている間に、日本は経絡に依存しない鍼灸を創造する自由があるのです。


中国は世界の鍼灸をお金で操ろうしている!?


中国が身動き取れなくなっている間に、日本の鍼灸が世界を席巻したとしても、ビジネスモデルが用意されていなければ、気分のよさを味わうだけになってしまいます。

日本が世界の鍼灸をリードしていくには学術面だけでなく、ビジネスに乗せていく必要があります。そもそも中国が中医学で覇権を握ろうとしているのはビジネスになるからです。世界の鍼灸業界をお金で操るできるようになります。その影響は間違いなく日本にも及んできます。

中国の鍼灸が名実ともに世界一であれば見習うべきでしょう。しかし、中国で生まれたラーメンが日本で大きな発展を遂げたように、日本人は鍼灸を大きく発展させる力があります。


ビジネスの軸足になるのは漢方薬!?


日本では、鍼灸師がそれぞれ自分の道を目指してがんばることで鍼灸は発展すると考えが好まれています。鍼灸は「アート」であり「生き方」というならそうかもしれません。でも、今考えたいのは「医療」としての鍼灸です。

中国が国家レベルで覇権を握ろうとしているのは医療としての鍼灸です。薬と鍼の世界標準になろうとしています。ビジネスになるのは薬の方でしょうが、鍼とセットにすることで価値を高めようとしているのだと思います。薬の場合は薬の輸出というビジネスにつなげることができますが、鍼の場合はビジネスにつなげるのは簡単ではありません。中国針の輸出につなげられたとしても薬のように、国家レベルから見たら大きな利益にはなりません。

鍼という道具は施術者が価値を生み出すもので、単独では価値が生み出せません。価値のウエイトは人材です。このように考えると、教育ビジネスが視野に入っているかもしれませんが、利益を生むのに有利な薬が軸足になることは間違いありません。

日本にもいわゆる漢方薬がありますが、その多くはエキス剤と言われている粉薬で、本来の煎じる漢方薬とは違います。しかも、それらの漢方薬は病院で処方されるので鍼灸師は関われません。明治以降の日本は薬と鍼の畑が別々になってしまいました。

しかも、日本で中医学を学んでいる医師はほとんどいませんから、漢方薬を出してもらったときにそれが中医学と言えるかどうかは疑問です。本来は、中医学の診断学で薬は判断されるべきですが、中医学がわからなくても処方できるように「○○な症状の時には○○」と簡易化されています。中医学を学んだことがある人なら、誰でも西洋薬と一緒に漢方薬が処方されることに違和感を抱きます。


日本の鍼灸師は今こそ世界に日本の技術をアピールすべき


中国のように鍼と薬をペアにできない日本では、鍼灸の価値は鍼灸単独で高めていくしかありません。鍼灸師の価値が日本の鍼灸の価値を決定する最大で唯一の要素です。

鍼灸院は鍼灸師一人で始められます。100万円くらいの資本があれば開業に漕ぎ着けることができます。完全にスモールビジネスが前提です。中国のように世界戦略を描くことなく、市町村の攻略に終始するのです。世界で勝負するという発想が生まれませんし、世界で日本の鍼灸が認められたとしても経済的なメリットに結びつけられません。国益にもなりませんから、政府が鍼灸師を支援することもないでしょう。

目の前にある前提を変えなければ、日本の鍼灸はずっとローカルです。鍼灸のガラパゴス化になんとも思わなければそれまでですが、ちょっと発想を変えてみたいのです。

日本は、中国のように薬の利益に依存できないわけですから、鍼灸で勝負するしかありません。ということは、日本の方が高いレベルが要求されます。嬉しいことに、日本の鍼灸師は海外では高く評価されます。日本人ほど繊細な施術をする鍼灸家は世界のどこにもいません。

これはひとえに鍼灸師一人ひとりの努力のたまものです。免許取得後にスキルを磨く場もありません。未熟な頃からなんとか患者さんの信用を得るために試行錯誤を重ねるのです。ふつうなら挫折してしまうような状況を乗り越えていくのが日本の鍼灸師です。

ただし課題もあります。鍼灸師は個々にスキルアップをしているために、統一された技術がありません。日本の鍼灸も定義が存在するわけではなく、なんとなく日本人っぽい鍼灸があるだけなのです。高い評価の裏付けとなる技術保証ができないのが本当に残念です。

つづく...鍼灸理論が発展途上であることは現場が証明している

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2019年03月14日




本日発売の拙著『ツボがある本当の意味』出版イベントを3月24日(日)東京(茅場町・日本橋)で行います。

日時:3月24日(日)1部 14:30〜16:30/2部 17:30〜19:30
対象:鍼灸師(+学生)、東洋医学やツボに関心が高い人
参加費:2,000円(1部のみ) 5,000円(1部+2部)
参加資格:特になし

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医師2名を招いて、鍼治療が引き起こす現象について意見交換を行い「鍼治療が効く理由」を学術的に探っていくという企画です。二人の医師は鍼灸の研究に携わるキレキレの現役医師です。鍼治療のメカニズムを解き明かそうと野心を抱いています。

二人の医師がどんな話を持ち込んでくるのか今から楽しみです。鍼の研究の最先端を知る事ができるイベントになることは間違いなしです。鍼灸師なら多くの刺激を受けると思います。

screenshot.39



1部-前半(14:30〜)


記念講演では「新しいツボの探し方」をテーマに話します(約30分)。

私のライフワークは「ツボの発見」です。日頃の臨床の中で新しいツボを見つけて、それを理論の中に収めてセミナーで公開しています。既存のツボも取り上げていますが、新しいツボもたくさん紹介しているので、「どうやってツボを探しているんですか?」と聞かれることが多いです。

そこで、このイベントでは、

/靴靴ぅ張椶鮓つける方法
▲張椶慮果の検証方法


を解説してみたいと思います。

ツボを探す時には着眼点があります。たとえば、鎖骨の動きに関係するツボを探す時、「鎖骨がある動物には母指がある」という関係に注目します。すると、母指の範囲が絞れます。

次に、実際に何が起こるかを確認します。母指周辺に鍼をして、鎖骨周辺に変化が起こるかどうかで判断します。ツボは1ミリでも変わると、効果が変わるので正確に刺鍼をします。変化が出なければ、1〜2ミリズラしたところに鍼をして変化の有無を観ます。

変化が起きたら、「たまたま」でないことを確認するために、何度も同じことを繰り返します。個人的に再現性が確認できたら、社内のスタッフの体で確認したり、スタッフに検証を頼みます。

この検証で重要なのは、繰り返しになりますがツボの位置です。きっちりミリ単位で決めておかないと検証になりません。

検証したものはセミナーで公開しています。有料で行っていますから、再現性には自信をもっています。と書きつつも、内心を告白すると最初に公開する時はちょっと不安です。

セミナーを受けた鍼灸師は、それぞれの臨床で効果を確かめます。「効果があった」という感想を効くまで安心できません。このようにして、一人の人間の思い込みでツボの位置と理論を展開しないようにしています。

とはいえ、科学的に実証できたとはいえません。客観的にするために実験にさらします。どんなに再現できても否定したい人はいます。「科学的な証拠はないんでしょ?」と言われて、勝ち誇ったような顔をされるのは嫌ですから。

講演では、未発表のツボを取り上げて、普段は言わない発見の着眼点と経緯を説明しようと思っています。


1部-後半(15:15〜)


「整動鍼®」のデモンストレーションをします。

テーマは3つ。

…団砲離張 ― 「動けば痛みが消える」という最新の鎮痛機序
∧愴襪離張 ― 臨床データで物語るツボが内臓にもたらす作用
ツボとは何か ― 脳科学とファッシアで探るツボの正体

,鉢△蓮△修譴召譴離董璽泙鳳じたデモンストレーションを行い、それを裏付けるような研究やデータを医師二人に示してもらいます。

の「ツボとは何か」は、どんな研究から何が分かっているのか、どんな研究をするとツボの正体がわかるのかを二人の医師と共に考えて行きます。

ツボの正体を探る研究は、鍼灸師だけでも医師だけでもできません。ここでの意見交換を通じて、私自身の課題も探したいと思っています。

世界でもっともツボの研究が進んでいるのは、この日本です。そう言えるのは、ツボの位置をミリ単位で正確に定義して実験しているからです。

ツボの正確な位置を定めていない実験は、「体内に金属が刺さると何が起こるか」を調べることになってしまうのです。知りたいのは「ツボを鍼で刺激すると何が起こるのか」なのです。

経絡の正体も重要なテーマです。古典に基づく鍼灸理論から経絡は外せません。にも関わらず経絡の正体はつかめていません。

ファッシアという体内の膜が関係しているという説が話題となっていますが、現時点では「経絡=ファッシア」とは言えません。ファッシアの機能によって、経絡が存在するかのように見えている可能性はあります。

テレビ番組で東洋医学や鍼灸の特集が増えていますが、出し抜ける企画です。


2部-交流会(17:30〜)


整動鍼を体験しながら、皆さんと交流(おしゃべり)する時間をつくります。

学術的な1部に対して、2部の交流会は食事(ケータリング)をしながら、ざっくばらんに鍼灸やツボのことを話してみよう、という軽いノリです。整動鍼に興味がある鍼灸師や、これから鍼灸師を目指す人たちとお話したいと思っています。

もちろん、鍼治療や整動鍼に懐疑的な人も大歓迎。日々の検証や研究は、懐疑的な人のために行っているようなものなので、ぜひ足を運んで頂きたいと思います。参加資格はありません。鍼灸師でなくても大丈夫です。

お申込みは簡単です。当日現金払いも出来ます。
詳しい案内とお申込み


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2019年02月14日

ツボがある本当の意味


ツボネットの思想と描く未来像


ツボネットは、「鍼灸の症例が検索できるツボ辞典」ということで試験運転を昨年から始めています。現在、症例数は700を超えています。一つのサイトにこれほどの症例が蓄積されていることでもスゴイことです。1000を超えるのは時間の問題です。

ツボネット_全国の症例数



現時点では、参加鍼灸院が少ないのが課題です。もっともっと増えないと目指す利便性に届きません。とはいえ、急ぐと症例の質が担保できなくなるので、現在は少数の鍼灸院と基盤づくりをする時期であると割り切っています。

今年の春には軌道に乗せる計画ですが、中長期的な視点で運営していいます。

5年後には、300以上の鍼灸院が参加し、10000症例が検索できる未来を描いています。これだけの数が揃っていると、データベースとしての価値が高くなります。データという資産を活かしてさまざまな取り組みができます。

症例が集まっていると、「鍼灸は何に効く?」という疑問にも簡単に答えられます。各鍼灸院ががんばって、適応症状を説明するより、一ヶ所に集めてしまった方が効率が良いです。手が空いた分だけ鍼灸院が一番重要な仕事(技能の研磨や専門知識を蓄えるなど)に専念できます。


ツボネットは鍼灸院が育てる


ツボネットは、鍼灸院がアップする症例によって支えられ成長していく仕組みです。クチコミサイトがクチコミによって成長するのと似ています。

突発性難聴の症例


ですから、ツボネット成長の鍵は鍼灸院が症例提供に参加したくなる仕組みにあります。症例を提供した時のリターンが具体的にイメージできなければ参加してもらえません。そのリターンとは、得意な症状に患者さんが集まりやすいことです。

なぜ、そう言えるのか、一般の訪問者のメリットを説明すると全体象が見えてきます。


鍼灸の効果がわかる


提供された症例は、データベースに格納され、グラフ化したり、統計処理したり、価値を付加して閲覧者に届けます。鍼灸がどんな症状に効果があるのか、各ツボがどんな症状に使われているのか、各症状にどんなツボが使われているのか、データとして知ることができます。

新ツボも含まれているので、鍼灸師が知らないツボも時々出ています。たとえば、地天や精霊。

突発性難聴に使われたツボ


鍼灸を利用しようか迷っている人は「自分の症状に対して効果があるのか」と思っているはずです。その問いにデータで答えるのがツボネットです。症例を参考にした決断ができます。

鍼灸を受けようと思っていても、なかなか一歩が踏み出せない人は効果に関する情報が明瞭でないからだと考えています。けっして安くない鍼灸院の料金(保険が適用されないので仕方ないのですが...)。誰でも、効果がわからないものに、時間とお金はかけられません。

もちろん、ツボネットの情報が完全に客観的とは言えません。症例はプライバシーに触れるものは入れてありませんから、ごまかそうと思えばごまかしができます。しかし、そういうインチキは滅多に起こりません。

なぜなら、架空の症例を書くのは、本物の症例を書くより難しいからです。やってみるとわかりますが、架空の症例を書くことは豊かな想像力が必要です。
症例を登録する際には、「使用したツボ」を登録する必要があります。理論的に説明しにくいツボは同業から怪しまれます。実は、裏側で互いの症例を評価し合う仕組みが働いています。ズルすると損するように設計しています。


鍼灸院のリターン


症状と提供している鍼灸院は紐付けされます。症例をアップした鍼灸院ほど露出が増えます。患者さんは、たくさんの症例を持っている鍼灸院を選びたくなると思います。数だけの勝負にならないように、同業から高く評価された症例ほど目立つように設計しています。

各鍼灸院は、症例以外にもアピールしたいことはたくさんあるでしょう。しかし、そこにボリュームを付けてしまったら、一般的なポータルサイトと違いがありません。あえてクチコミも掲載されません。鍼灸院の雰囲気や印象よりも、院の実績や実力を見てもらうコンセプトです。

鍼灸院にしてみると、院の情報の前にワンクッション入るので、遠回りしているような気分になるかもしれません。でも、患者さんに信用され安定した経営を実現するための、一番の早道にになると信じています。私の信念です。もちろん、この方法で結果は出ています。

毎年毎年、集客ツールと言われるものがリリースされていますが、患者さんが求める本質を理解する、という軸がなければ、経営はトレンドに流されてしまいます。


宣伝しない方が信用される


広告にお金をかけて割引などを効果的に使えば、患者さんを引き寄せることができるかもしれません。でも、信用を集めることは難しいかもしれません。広告はできるだけ地味な方がよいと思っています。何にもしなければ、存在そのものを知ってもらう機会がゼロになって、そもそも経営していけません。

いろいろな人がいますから、全ての広告が悪だと考える人もいます。このブログも「どうせ広告目的で書いているのだから信じられない」と言われることもあります。でも、その言葉を真に受けたらどんなサービスも生まれてきません。

要は、情報の誠意があるかどうかだと思います。

私の誠意はツボネットに込めました。宣伝という意識を捨て、ありのままを伝えようとしています。鍼灸院の実際が分かれば、必要とする人が現れてきます。行きたいと思った時に、迷わないように必要な情報が見つかりやすいように設計しています。

こうやって鍼灸の実際を伝える活動をしているのは、鍼灸には現在の医療の弱点を補う力があると思うからです。鍼灸院で患者さんを診ていても思いますし、病院内での施術する時にも感じます。


ツボネットの使い方


一般向け

ツボネットに悩みの症状を入れてみてください。地域を絞ることもできます。検索ワードに関係する症例の一覧が表示されます。同時に日本地図が表示されるので、症例を提供した鍼灸院の地域と院名がすぐにわかります。

検索ワードに病名や感覚(ビリビリやチクチクなど)を入れても大丈夫です。一致する症状が表示されます。700件以上の症例があるので、ご自身にそっくりな症例が見つかるかもしれません。

突発性難聴で検索


マニア・プロ向け

担当している患者さんとそっくりな症例を探して施術のヒントにすることができます。使われているツボを試すこともできますし、理論的な背景を想像して、見立てを鍛えることもできます。

ツボネットのツボマップは精細です。人体図をつくるだけで半年かけています。精細なツボマップを見るのは利用登録(無料)です。症例をアップしている鍼灸院は、さらにマップをフル拡大できるのでミリ単位で位置を確認できます。


ツボの統一規格を目指す


本来はすべての鍼灸院に参加資格がある良いのですが、現実はそうはいかない事情があります。鍼灸師によって、ツボを選ぶ理由もツボの位置もバラバラだからです。もちろん、それを統一しようという業界の動きはありまして、WHO(世界保健機関)でも、規格づくりをしています。

ただし、その位置にエビデンス(科学的根拠)があるわけではありません。その位置に疑問を持ってもよいのです。むしろ、何の疑問を持たずに従ってしまってはツボ理論は発展しません。

私はWHOに依存しない規格を提案しています。提案しているツボの位置はすべての再現性がある位置です。個人的な趣向やクセを極限まで排除し、誰がやっても同じ変化を引き起こせるツボのみをツボネットで扱っています。

整動協会が普及に努めている整動鍼の症例がツボネットにアップされています。鍼灸業界の統一規格というわけではありませんから、現時点では「勝手な規格ですよね?」と言われた時に否定はできません。。しかし、こうして同じ規格の症例が集まれば、世界規格と言えなくても意味は見えてきます。正式な実験によって証拠をつかもうとする時の手がかかりになります。

間違いは正して、より妥当な位置に修正しなければなりません。間違いあるという結論に至るためにも、情報を集めて整理した方がよいでしょう。最終的なゴールはエビデンスを伴う統一規格です。ツボネットがきっかけになれば嬉しいです。


◎出版記念イベント(講演・対談・実演)(3/24)


鍼灸師と医師で解き明かす 経絡とツボの正体
会場:FinGATE KAYABA(東京)
参加費:2,000円(1部)/3,000円(2部)
申込フォーム

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