鍼灸院経営

2023年01月22日

リピート対策は必要ない


最近、こんなツイートをしました。


集客コストの罠


経営関係のセミナーに行けば、必ず話題になるリピート対策。いわゆる「治療家」を対象にしたコンサルタントも、集客と合わせてリピート対策をサービスの柱にしています。考え方としては「コストをかけて集客した患者さんがリピートしてくれないと採算性が低くなるので、しっかりリピート対策もしましょう」というものです。ザル状態を嫌うわけですね。

この考え方には、お金をかけたのだから取り返さなければいけないという魂胆があります。いわゆる治療院というものはビジネスですから、コストをかけたら回収しなれば事業は継続できません。経費ゼロで経営はできませんから、ザル状態にしない工夫は大切です。私も例外ではなく、経営する鍼灸院がザルであれば廃業です。


技術屋思考の安定経営


しかし、うちはリピート対策なるものはゼロです。それにも関わらず、群馬の鍼灸院は20年、東京の鍼灸院は9年、続いています。私の考え方が正しいと言うつもりはありませんが、一つの考え方として参考になると思うので書くことにしました。

私は経営のプロではなく技術のプロです。そんな技術屋思考だからこそ、集客やリピートなどのマーケティング用語を気にすることなく安定的に経営できる考え方にたどり着けたのだと思います。

最初から、今のような考え方にたどり着いたわけではありませ。きっかけは、同時期に鍼灸師になり、同時期に鍼灸院を開業した、福岡の女性鍼灸師との出会いでした。彼女と出会うまでは「集客+リピート」という一般的な考え方でした。というより、そういう考え方を一生懸命学んで経営を安定させようと躍起になっていたのです。当時のことは鮮明に覚えいていますが、あれからだいぶ月日が経っているので昔話になってしまいました。

とはいえ、今でも通じる普遍的な考え方であると思うので、全く色あせていません。むしろ、月日が立てば経つほど、この考え方が自分に合っていると確信が持てるようになっています。


鍼灸院は数ある選択肢の一つ


開業して間もない鍼灸院に来た彼女は「患者さんは健康になるために鍼灸院にこだわる必要はない」といった話をしました。細かな言い回しは忘れましたが、鍼灸院は手段の一つでしかないと俯瞰的に見ていることに衝撃を受けました。

あたりまえの話なのですが、鍼灸院を経営していれば「通うことで健康になる」という定義にはまってしまうのです。知らず知らずのうちに鍼灸師目線、経営者目線になっているのです。患者さんの気持ちがスッキリするなら映画でもかまわないわけですし、旅行に行ったりすることも気分転換になります。温泉につかることで疲れが飛んでしまうかもしれません。

鍼灸なんて無数にある選択の一つで最適解とは限りません。鍼灸師になったばかりで鍼灸院を経営したばかりの彼女が、最初からこの領域にいたことに私は大きな衝撃を受けました。自分目線、自分都合で考えていたことが恥ずかしくなりました。


本当は予約したい


それを機にリピートしてもらおうと考えるのはやめました。最初はうまくいかず患者さんが減りました。しかし、ある患者さんの一言が転機となり患者さんが増えることになったのです。それは「次いつ来ればいいのかわからなかったので予約しづらかったです」というものでした。

「また来たければ予約するでしょう」と初診が終わったら放っていました。やってみてわかったのは、それはただの不親切というもの。どれくらいのペースでどれくらいの期間通院するのがベストなのか、患者さんにしてみたら必要な情報です。それを放棄してしまってはいけないのです。

それに気がついてから「どれくらいのペースでどれくらいの期間」という目安は伝えるようにしました。中には「そんなに通えないので月1回でもいいですか?」という方もいらっしゃいます。そういう方は、きっぱりお断りするようにしました。


できないことはできない


常識的に考えて、怪我や病気や月1回の施術で改善するわけがありません。中には神がかった腕を持つ先生がいるかもしれません。だとしても、そんな腕に短期間でなるのは無理ですし、将来的にも難しいです。今もそんな腕はありません。「どうしても月1回しか…」という方には、そういうことが可能なところを探してもらうようにしています。

どんな要望にも答えようとするのではなく、自分の技量に合わせて正直に提案をすることに徹したのです。その結果、私が達したのは週2回の施術です。改善状況を見て週1回…と間隔を伸ばしていき終えます。

私の腕では週2回がもっとも短期間で回復します。他のスタッフでもそうです。つまり、少ない費用で短期間でよくなるので患者さんの便益が高いのです。私はそう思うので正直にそれを伝えます。


LTVは高いほどよいのは本当か?


一般的に、治療院経営の専門家はLTV(Life Time Value)を上げることを推奨します。日本語では「顧客生涯価値」と言われています。この数字は「単価×通院回数」で決まります。ですから、高単価で通院回数を増やすような経営戦略が有利になります。

私の考えはこれと全く逆です。LTVは低いほどよいのです。福岡の彼女もそうでした。鍼灸院でお金を使い切ったら、趣味や嗜好品にお金をかけられなくなってしまうという考えでした。患者さんの人生にとって、鍼灸院に通い続ける人生がベストであるはずがありません。

「LTVが高い=よい経営」という常識があって鍼灸院にも浸透しています。私は疑うべきだと思います。この考え方は「一人の患者さんからたくさんいただく」という思想であることを忘れてはいけません。「多くの患者さんから少なめにいただく」というやり方だってあるのです。

私の経験から強調したいのは、LTVが下がるほど紹介が増えるという事実です。

「1ヶ月通ったら良くなったよ」という声と「1年くらい通ってるよ」という話があったとしたら、どっちに興味が湧くでしょうか。前者であることは明らかです。支払総額が低い方ほど敷居が低くなります。LTVが下がると紹介が増えるのです。

紹介で来院した方は「短期間に集中して通った」という話を来ているわけですから、ご自身も同じように考えます。週2回と伝えても驚くことはありません。


技量を上げる努力が実を結ぶ


ここまでの考え方をまとめます。

.灰好箸里かる集客がリピート対策を生む
⊆分の技量に合わせて必要なことを伝える
LTVが下がると紹介率が上がる

お気づきになったでしょうか。が実現できると集客コストが下がるので,両況にはならないのです。リピートを仕掛ける必要は発生せず、通うつもりの患者ばかりが集まります。それができない人には、他を探していただくのです。

中には「仕事が忙しくて…」と通院を拒絶する人もいます。それはそれで仕方ありません。本当に鍼灸が必要と思えば、仕事の調整をして時間をつくります。「仕事が忙しくて…」と言われたら、生活スタイルを崩してまで通うところではないと思われているだけなのです。そう思われない技量を目指すだけです。

施術に価値を感じてもらえなければ、ここまでの話は机上の空論になります。だから、技術屋として技量を上げることに力を注ぐしかありません。集客やリポート対策の講習を受けることもよいのですが、技量によって解決してしまう事実があることも知ってほしいと思います。

仮に技量があっても、その技量が患者さんに伝わっていなければないのと同じです。ですから、技量が伝わるように施術の中で工夫することも大切です。

このあたりの話は別のテーマになるので今回は割愛しますが、

.咼侫ーアフターを伝える
即効性を意識する

ことが大切であるように思います。いくら上手くても、患者さんが確認しようのないものは残念ながら評価されません。若手の鍼灸師は優先順序を間違えないようにしてほしいと思います。


患者さんがリピートしない理由


最後に、もう一つ大切な話を書きます。「患者さんはそもそも通うつもり」という前提で経営すると、経営安定に大切なのは「やっぱり通うのをやめよう」と心変わりをさせない努力です。

通うつもりの患者さんが通院をやめるのは、それなりの理由はあるはずです。タオルの柔軟剤の匂いが気になって通うのをやめた方がいらっしゃいます。それ以来、柔軟剤を使用しない洗濯に変えました。鍼灸師の言葉が通わない理由になることもあります。

私は、通わない理由を探して改善することに集中しています。通ってもらうために、色々なことをプラスしていくのではなく、通いたくない理由をマイナスしていくのです。不安なときは足したくなるものですが、引いた方が上手くいくかもしれません。

技術的にも同じことが言えます。経営がうまく行っていないときは、いろいろな技術に目が行きますが、本当に必要なのは今の技術を追求することかもしれません。やりきっていなければ、その技術の長所も短所もわかりません。

「何でもできる」は「何にもできない」と同じです。



yoki at 13:07│Comments(0)

2021年08月19日

はりきゅうメイト閉鎖とはりきゅうルーム・カポス拡張のお知らせです。

今年から始めた、鍼灸師の独立開業応援企画「はりきゅうメイト」を閉鎖することになりました。空いたスペースは併設されているはりきゅうルーム・カポス拡張のための利用します。

はりきゅうメイト


「せっかく始めたのだからもう少しやってみたらどう?」

という声も聞こえてくるのですが、傷が広がっていない今こそ撤退の絶好のチャンスと考えました。鍼灸師の独立を応援する事業として昨年から準備し、今年に運営を開始しましたが、見込んでいたほど利用希望者が集まりませんでした。コロナ禍の影響もあるかもしれませんが、わかっている中でのスタートでしたから、やはり私の失敗です。

この事業に未来を感じて、準備から実際の運営まで担当してくれたスタッフにはたいへん申し訳ない気持ちでいっぱいです。ただ、このままでいると次の機会まで失ってしまうため撤退を決意しました。

最初に書いたとおり、はりきゅうルーム カポスを拡大します。現在はベッド3台ですが、はりきゅうメイトの閉鎖によって5台に増やすことができます。これに伴ってスタッフを増やそうと考えています。縁があるといいなぁ。

昨年まで品川駅の高輪口にあったカポスですが、そのときもベッドは3台でした。実は、港南口に移転してから来院数が増えていて移転がプラスに出ていました。コロナ禍にあってもニーズが増えていることを考えると、カポスの拡大する方が正しい選択になりそうです。

英語ができるスタッフもいますし、英語圏の人にカポスを知って頂く努力をします。日本にいながら外国人の患者さんを診ることができるので、考えようによっては国際的なステージになるかもしれません。そもそも品川という地を選んだのは、羽田空港が近いからでした。

「日本の鍼を受けるならカポスがいいよ」

と噂になるようにがんばっていこうと思います。今、英語チームが英語版サイトの刷新に取りかかっています。世界で働くことに憧れを抱く鍼灸師に、日本にいながら国際的な活躍ができる鍼灸院として認めてもらえるように努めていきます。もちろん、これまで通り、頭痛、突発性難聴、耳鳴りなど、カポスが得意としてきたことも継続していきます。


英語で対応する楠さん
 ↓ ↓ ↓



twitterもよろしくお願いします。
https://twitter.com/kuri_suke

はりきゅう養気院(群馬県/伊勢崎市)
はりきゅうルーム カポス(東京/品川駅)
整動協会(鍼灸師のための臨床研究会)

yoki at 21:36│Comments(0)

2021年08月08日

テキストの画像化


後悔しない雇用(2)スタッフを雇っても孤独からは逃げられない」のつづき

一人鍼灸院から9名のチームに


一人で鍼灸院を営んでいると、「そろそろスタッフを雇ってみたい」と考える時期があります。求人をして雇用する人も、そのまま一人でやり続ける人も、雇って再び一人に戻る人も。考え方やスタイルはいろいろです。

この記事は同業者向けで「雇用で後悔してほしくない」という気持ちで書きます。私一人の経験でしかありませんが、一人鍼灸院から9名のチームになるまでの経緯を試行錯誤の痕跡がわかるように書くのでヒントにしていただければ幸いです。

実は、開業間もない頃にもアルバイトを雇っていたことがありました。でも1年に満たないうちに雇用は続けられなくなりました。売上が少ない状態だったので、自分の利益はゼロで人件費だけが出ていく状態でした。いったん仕切り直し再スタートしたのです。2003年のことですから18年も前です。

当時はすべてが未熟すぎて、今から思えば当然の結果でした。失敗の直後から妻と二人でコツコツと経営をして2年目にはプラスマイナスゼロ。3年目から利益が出るようになりました。5年目くらいには患者さんが増えすぎて新規をお断りしていました。

それから数年後、活法(古武術整体)セミナーのお手伝いをするようになって、私の鍼灸師としての流れが大きく変わりました。毎年毎年が予想ができない1年で、過酷な時期もあり乗り越えてきました。少しずつ認知されてきた整動鍼も、激流の中で生まれました。

この整動鍼(当時は「古武術鍼法」と呼んでいた)が次の雇用のきっかけとなりました。整動鍼は再現性を重視した鍼法で、誰がやっても同じ変化をもたらすことができることを特徴としています。その再現性が雇用に有利だと考えました。鍼灸師の技術のバラツキを最小化することができるからです。

2013年に鍼灸師2名を雇い、2014年から品川駅近くに鍼灸院を開院したのです。私は群馬にいながら経営をしていました。遠隔からの経営も大きな挑戦でした。

当時の記事「鍼灸師求人(東京都港区) はりきゅうルーム・カポス
5fb073e6


それから数年経ち、スタッフの入れ替わりがあり、オープニングメンバーと代わって新しいスタッフ2名と学生アルバイト1名の3名で営んでいます。私は週1回、金曜日だけ施術をしています。

いっぽう、群馬では私の他に4名の鍼灸師が所属しています。私の妻は鍼灸師ではありませんが、経理や雑務などの裏方をしています。

まとめると、現在は、品川が3名、群馬が6名。9名のチームで鍼灸院とセミナーを営んでいます。けっして大きなチームではありませんが、開業当初からは考えられない組織です。私の仕事の幅も広がりました。鍼灸師、講師、経営者という3つの職種を行ったり来たりの毎日で充実しています。

以上が、最初の雇用から現在までの流れです。失敗も含めてよい経験をしてきました。すべてが糧となっています。当初と考えを変えたところもあります。その一つが新人の役割についてです。


新人の役割


昨年の春は新卒を1名採用しました。しかし研修中に突然辞めてしまいました。戦力として期待していたので残念でしたが、起こりうることとして備えなければならないと反省し、勉強になりました。そしてこの出来事をきっかけに、新人の役割を踏み込んで考えることになりました。

さっそく今春も新卒が入ってきました。鍼灸学校を卒業したばかりなので臨床(実践)の経験がありません。

以前の私であれば、臨床に出るまでは「研修期間」として、勉強や練習に時間を使えるようにしていました。「臨床に出る=戦力になる」という考えだったのです。研修期間は人材への投資と考えてコストを惜しまないようにしていました。また研修中に売上に貢献できないのは仕方ないことと考え、割り切っていたのです。理想を求めすぎて、会社の規模以上の投資になってしまったのです。

大いに反省した私は、新人の役割を考え直すことにしました。今までは大企業のマネをしすぎていたのです。小さな会社には小さな会社のやり方があるはずだと頭をを切り替えました。

そもそも、鍼灸院の仕事は施術だけではありません。患者さんが気持ちよく通えるように掃除をしたり、洗濯したりという環境を整える仕事があります。こうした仕事はメンバーが少しずつ分担しながらやっています。

これらの仕事をすべて新人に任せる、という話はありません。施術をする者にとっても重要な仕事と位置づけています。私も掃除や洗濯に参加しています。

では、新人ができることってなんでしょうか。答えは一つではありませんのでアイデア次第だと思います。すぐに着手できると考えたのは広報です。もっと私たちの取り組みを社会に向けて発信していく余地があります。



情報発信量と来院数の関係


2003年から鍼灸院をやってきて確かなのは、情報発信量と新規の患者さんの予約は比例関係にあることです。ですから、情報発信は超重要事項です。チームが大きくなればそれに応じた発信量が必要なので、伸ばしていく必要があります。私の頭はどんどん古くなっていきますし、若手の登用がこれからの鍵になります。

開業したばかりの頃は、ブログをする人が増え始めた頃で、フェイスブック(日本語版2008年〜)やツイッター(日本語版2008年〜)はありませんでした。インスタなんて影も形もありませんし、広告にYoutubeを使う環境も発想もありませんでした。

ネットで鍼灸院を探す人もまだ多くなく、チラシやポスティングの方がメジャーでした。費用がなかったという理由で私はほぼ無料で発信できるネットに力を注ぐしかなく、ブログをコツコツと更新しはじめました。まさにこのブログです。

第1回は2004年10月17日でした。『ツボって何だろう...

一瞬で読める浅い記事です(^。^;)

ブログを始めたばかりは何の変化も起きませんでしたが、2005年3月には毎日のように更新をしていました。開業3年目を迎えようとする頃ですが、患者さんも増えていました。当時は、一人でやっていたので空き時間のほとんどを執筆に充てていました。ちょっとその頃が羨ましいです。


ブログの本当の価値


SNSの時代に入る前はブログに全集中で報われました。SNSやYoutubeの時代に入ってからは、時代に合わせるようにしてみました。一巡してやっぱりブログが大事と思っています。

実際にブログは廃れていません。このライブドアブログの無料プランもずっと生き残っているのでありがたいです。noteが出たとき乗り換えも検討しましたが有料にするつもりがなかったので、このブログに自分の鍼灸師人生を刻んでいこうと決めました。

過去の記事はすべて残してあります。役に立たない記事もありますし一貫性もありません。いろいろな出来事があって思考も価値観も変わっています。でも、変わらないことがたった一つあります。それは、この18年ずっと鍼灸をやり続けてきたことです。この事実は誰も覆せません。

どんなことを書いたら患者さんが集まるかのか、という視点も経営には必要な観点だと思います。しかし、私は中長期で考えるとあまり関係ないように思います。その時その時、鍼灸への想いを語るので十分と思っています。集客のことばかり考えていたら、楽しくありませんし続けられません。

自分が鍼灸師という職業を楽しむことを最優先に考えています。まだ見ぬ患者さんをイメージするより現実的で具体的で嘘がありません。私の鍼灸に対する姿勢や気持ちが患者さんや同業者に伝わることで道が拓けてきました。


広報を通じて学んでほしいこと


どんな媒体で情報を発信するとしても基本になるのは文章です。何も考えていないと何も書けません。考えているつもりでも、書けないときは考えていない証拠です。

新人さんに記事を書いてもらうと発見があります。そんなふうに見えるんだ、とか。伝えたつもりになっていたなぁ、とか。新人の目を通じて経営を見直すことができます。

また、新人さんも、書くことを通じて院の理念や方針を再確認ができます。また、患者さんの気持ちを想像する習慣もできます。

わかっているつもりを減らすことが書く目的です。書くことが苦手な人もいます。よく勘違いされるのですが、上手い文章を書く必要なんてありません。

そもそも作家ではありませんし、読み手も名文を期待しているわけではありません。文章から仕事に対する姿勢が伝わればよいのです。

スタッフに書いてもらうときに、指示しているのは「自分の目線で書くこと」だけです。文体や書式への指示はありません。この仕事を通じて自分の目を養ってくれたらよいのです。

みんな感性が違うし思考のパターンも違います。それぞれの良さを鍼灸に活かせるようにサポートをするのが私の仕事です。私自身もこのブログを通じて自分の感性を磨き、思考を整理していこうと思っています。

まだまだ私自身が勉強中です。雇用をしなければ気づけなかったことがたくさんあります。私自身の人間としての成長のために雇用を続けていきます。至らぬ点ばかりですが、これからもよろしくお願いします。


最後に当院のTwitterを紹介してこの記事を終わります。こんな感じで自由です。




twitterもよろしくお願いします。
https://twitter.com/kuri_suke

はりきゅう養気院(群馬県/伊勢崎市)
はりきゅうルーム カポス(東京/品川駅)
整動協会(鍼灸師のための臨床研究会)

yoki at 22:42│Comments(0)

2021年05月07日

スタッフを雇っても孤独からは逃れられない


孤独を理由に雇用してはダメ


「一人鍼灸院は孤独だから人を雇いたい」とお考えなら、絶対に雇用しない方がよいです。なぜなら、もっと孤独になるからです。

そもそも、孤独でない経営者なんているのでしょうか。断言しますが、一人鍼灸院であっても従業員がいても経営者は孤独と付き合っていかなければなりません。その孤独は決断の責任を取るという立場から生まれるものです。経営者の言い訳を許してくれる人はいません。これが孤独を感じる理由です。けっして、人が近くにいないから孤独を感じるのではありません。


寂しさと孤独は違う


孤独を感じている人が都会に出ても孤独です。人がたくさんいるのに孤独を感じます。むしろ孤独感がどんどん増していきます。なぜでしょうか。そこにいるのは“わたし“を理解してくれる人ではないからです。

人がいない時に感じるのは寂しさです。理解してもらえないときに感じるのが孤独です。寂しさと孤独は心の中で区別するのが難しいです。本当は孤独を感じているのに、賑やかさを求めてしまうのです。いくら賑やかになっても理解者がいなければ孤独は続きます。

孤独を和らげる理解者はたくさん必要ではないと思います。自分を深く理解してくれる人が一人でもいれば孤独を感じません。私はそうです。


孤独を感じたら


一人で経営していて孤独を感じたら、まずやるべきことは雇用ではなく理解される努力です。家族や友達に仕事で実現したいとことを正確に理解してもらうことが優先です。

この努力を怠り雇用してしまうと孤独感が増します。それは都会に出て孤独感が増すのと原理とたぶん同じです。「理解されていない」という状況が際立ってしまうのでしょう。

何を隠そう、私自身が「理解されていない」という状況に苦しんでいた時期があります。今だって、100%理解されているなんてことはありません。どんなに近くにいても、別の人間であるわけですから、私のことはわかりません。自分のことだってわからないのに、誰かが100%理解してくれるなんてありえません。これはポジティブな割り切りです。誰かに抱く期待感を適度にチューニングできれば孤独を感じにくくなります。


孤独にさせない


雇用において重要なのはスタッフを孤独にさせないことです。経営者の孤独問題は二の次三の次くらいにしておくくらいでなければ上手くいきません。スタッフを孤独にさせない方法は一つしかありません。スタッフを理解することです。

言うは易しです。理解したつもりになっている場合が多いです。理解できたら理解を示すところまでやらないと意味がありません。理解しようとしている姿勢が伝わってはじめて孤独を和らげる効果になります。

これは患者さんに対しても同じです。理解をしようとしている姿勢を伝えることで患者さんを孤独にさせないように努めています。


提案の扱い方


スタッフが増えれば増えるほど、全員の意見が一致しづらくなります。でも、経営者は決断をしなければいけません。それは誰かの提案を不採用にするということです。チームづくりという視点からいえば、採用した提案よりも不採用にした意見や案の扱いの方が重要です。雑に扱えば、誰も提案しなくなってしまいます。振り返れば反省ばかりです。


理由なく雇ってはいけない


患者さんが増えてくると、どこからともなく「そろそろスタッフを雇ったらどうですか?」という声がやってきます。無視した方がよいと思います。雇用のための雇用では目的を見失って迷子になります。「忙しいから」と「孤独だから」であれば、雇用で解決することはありません。

個人的には、一人では実現できない目的ができたとき、特別な事情が発生した場合だけ雇用を検討すればよいと思います。

雇っていると「すごいね」と言われることがありますが、雇用したからといって鍼灸師としてのランクは1ミリも上昇しません。


個人的には雇用して大正解


雇用せずに経営するという道もありました。スタッフが辞めていったとき「これでおしまい」と一人に戻ることもできました。選んだのは雇用し続ける道です。チームがなければできない仕事を知ってしまったからです。道は半ばです。これからチームの真価が問われます。

人間的にも雇用しなければ気づけないことがいっぱいあります。ダメダメな自分と向き合えるので心の成長のきっかけになります。

嫌な経験もしてきました。嘘をつかれたり、約束を破られたり、引き抜かれたり、突然いなくなったりと...。そのときはダメージがありますが、起きた意味を丁寧に考えていくと、これからすべきことが見えてきます。雇用を続けるという強い意志がある限りすべてが学びとなります。

雇用して収入が増えるかどうかは人それぞれでしょう。売上が順調でもパンデミックが起これば一瞬にしてマイナスに傾きます。小回りの利く個人の方が窮地をしのぎやすいと思います。昨年はたいへんでしたが、お金の勉強をするよいきっかけになりました。

雇用すべきかどうか。

正解は人それぞれです。タイミングもあると思います。ただ、一つだけ自信をもって言えるのは、雇用は孤独の解消にはならないということです。

つづく...


twitterもよろしくお願いします。
https://twitter.com/kuri_suke

はりきゅう養気院(群馬県/伊勢崎市)
はりきゅうルーム カポス(東京/品川駅)
整動協会(鍼灸師のための臨床研究会)

yoki at 00:31│Comments(1)

2021年02月25日

後悔しない雇用(第1回)


自分が病気や怪我をしたときに不安だからと理由で雇用してはいけない


一人で鍼灸院をやっていると「自分に何かあったら…」と思うと不安なので雇用して収入を安定させたいという話をあちこちで耳にします。私はこういう話を耳にするたびに、強烈な違和感を抱きます。

自らの経験から断言できます。雇用しても経済的な不安は減りません。むしろ、不安材料は増えると思っていた方がよいです。

誤解しないでください。この記事は「雇用はやめた方がいい」と言うために書いているのではありません。「経済的な不安を解消するために雇用する」という考えで進むと失敗する可能性が高いことを、自らの経験から伝えたいのです。ストレートに言えば、雇用は経営者の不安解消の術にならないことを知ってほしいのです。


一人と二人では異業種


私は経営者としてまだまだですし、雇用してからの経験は7年しかありません。でも、これだけははっきり言えます。雇用する前と後では別世界です。鍼灸師を一人雇うだけでも、違う業種の仕事を始める覚悟が必要です。


彼の言う通りです。

どんなに想像力豊かでも雇ってみなければわからないことがあります。経験してきた者として厳しいことも書きますが、雇用で失敗して不幸になる鍼灸師が一人でも減るように、愛をもって自らの経験で得た教訓を惜しみなく出します。私のことが好きでも嫌いでも、将来雇用をお考えなら続きを読んでみてください。


スタッフに200%がんばってもらうつもり?


「一人で鍼灸院をやっていたら自分に何かあったら収入がゼロになるから鍼灸師を雇って大丈夫な状態にしておきたい」という考えは、一方通行な考え方です。

たとえば、一人雇って施術者が二人の鍼灸院になったとしましょう。そして、順調に患者さんが2倍になるという理想を想定してみます。この時の売上は2倍になっているわけですから、雇用したことでよかったなぁと思う状態です。

この順調な状態から、経営者が怪我をして施術ができなくなったと仮定します。一ヶ月くらいで復帰できれば問題は起こらないでしょう。しかし、半年以上お休みしなければならない怪我や病気だとしたら…。

お休みの間、雇っている鍼灸師(スタッフ)が100%がんばっても売上は半減ですよね。もし、今まで通りの売上にしなければならないとしたら200%の負担をスタッフに求めなければなりません。現実的に難しいです。負担の上乗せはせいぜい2割ではないでしょうか。そのスタッフのがんばりによって増えた売上を経営者がそのまま持って行くわけにはいきませんよね。

となれば、どのみち雇用しても自分がダメになれば売上は半減し、自分の取り分を確保することはできません。数人まとめて雇えば事情が変わりますが、その場合は固定費がいきなり数倍になりますし、スタッフを誰がまとめていくのか、という別の重い課題が降ってきます。むしろ経済的な不安もそれ以外の不安もケタ違いに増えてしまいます。


経営者に何かあって不安になるのはスタッフの方


経営者がある自分が施術できない状態になれば、自分が不安になるようにスタッフも不安になります。復帰の目処が立たなければ将来が不安になって、安心できるところを探すために退職するかもしれません。

責任感の強いスタッフであれば、「私ががんばっている間にゆっくり休んでください」となるかもしれません。だとしても、そこに頼るというのは違うと思いませんか。そもそも、スタッフは経営者の予期せぬ不幸に備えて働いているわけではないですよね。

ずばり言えば、経営者が体調を壊したらスタッフはやめていくでしょう。経済的な拠り所にしようと思って雇ったスタッフは、頼りたい時にはいないのです。


スタッフの不安を軽減するのが経営者の仕事


「何かあったら助けてもらえる」というのは、スタッフ側のメリットです。スタッフが病気や怪我をしても、経営者が穴埋めをできれば復帰を待つことができます。何かあってもすぐに職を失いません。雇用保険に入っていれば仕事ができなくなっても収入が途絶えません。

改めて書きますが、スタッフの存在は経営者の経済的な安心材料にはなりません。むしろ、スタッフの収入に責任を持つ立場になるわけですから、不安材料は増えると言った方がよいでしょう。


自分が不安なら保険に加入しよう


私は個人事業の時代から保険に加入しています。いわゆる生命保険やがん保険のことです。きっかけは息子が生まれたことです。自分に何かあったらこの子はどうなるんだろう...と思ったら心が不安でいっぱいになったからです。

現在は、個人と法人(経営する会社)で数種類の保険に入っています。私に何かあっても家族とスタッフの収入がプツっと切れないように備えています。

この記事は保険をすすめる目的ではないので、商品については書きませんし、質問されても答えません。経営者向けの保険は検索すればたくさん出てきます。

「病気や怪我が心配なら、雇用じゃなくて保険でしょ!」

と思うのです。雇用を不安解消の道具にしてはいけませんし、不安が増えることがあっても減ることはないと断言できます。不安材料が増えてもいいという覚悟がなければ雇用は諦めた方がよいとアドバイスします。

そもそもな話として「一人では不安なので雇用したい」という人の所で働きたい人はいるでしょうか。職場を探している人から見ても、経営者の不安が雇用の理由というのは的が外れていることがわかると思います。

次回は、孤独だからという理由で雇用するともっと孤独になるという話を書きます。
つづく…

twitterもよろしくお願いします。
https://twitter.com/kuri_suke

はりきゅう養気院(群馬県/伊勢崎市)
はりきゅうルーム カポス(東京/品川駅)
整動協会(鍼灸師のための臨床研究会)

yoki at 22:50│Comments(0)
月別アーカイブ
記事検索
全記事にコメント歓迎
これから読みたい本