鍼灸師求人
2021年08月08日

「後悔しない雇用(2)スタッフを雇っても孤独からは逃げられない」のつづき
一人鍼灸院から9名のチームに
一人で鍼灸院を営んでいると、「そろそろスタッフを雇ってみたい」と考える時期があります。求人をして雇用する人も、そのまま一人でやり続ける人も、雇って再び一人に戻る人も。考え方やスタイルはいろいろです。
この記事は同業者向けで「雇用で後悔してほしくない」という気持ちで書きます。私一人の経験でしかありませんが、一人鍼灸院から9名のチームになるまでの経緯を試行錯誤の痕跡がわかるように書くのでヒントにしていただければ幸いです。
実は、開業間もない頃にもアルバイトを雇っていたことがありました。でも1年に満たないうちに雇用は続けられなくなりました。売上が少ない状態だったので、自分の利益はゼロで人件費だけが出ていく状態でした。いったん仕切り直し再スタートしたのです。2003年のことですから18年も前です。
当時はすべてが未熟すぎて、今から思えば当然の結果でした。失敗の直後から妻と二人でコツコツと経営をして2年目にはプラスマイナスゼロ。3年目から利益が出るようになりました。5年目くらいには患者さんが増えすぎて新規をお断りしていました。
それから数年後、活法(古武術整体)セミナーのお手伝いをするようになって、私の鍼灸師としての流れが大きく変わりました。毎年毎年が予想ができない1年で、過酷な時期もあり乗り越えてきました。少しずつ認知されてきた整動鍼も、激流の中で生まれました。
この整動鍼(当時は「古武術鍼法」と呼んでいた)が次の雇用のきっかけとなりました。整動鍼は再現性を重視した鍼法で、誰がやっても同じ変化をもたらすことができることを特徴としています。その再現性が雇用に有利だと考えました。鍼灸師の技術のバラツキを最小化することができるからです。
2013年に鍼灸師2名を雇い、2014年から品川駅近くに鍼灸院を開院したのです。私は群馬にいながら経営をしていました。遠隔からの経営も大きな挑戦でした。
当時の記事「鍼灸師求人(東京都港区) はりきゅうルーム・カポス」
それから数年経ち、スタッフの入れ替わりがあり、オープニングメンバーと代わって新しいスタッフ2名と学生アルバイト1名の3名で営んでいます。私は週1回、金曜日だけ施術をしています。
いっぽう、群馬では私の他に4名の鍼灸師が所属しています。私の妻は鍼灸師ではありませんが、経理や雑務などの裏方をしています。
まとめると、現在は、品川が3名、群馬が6名。9名のチームで鍼灸院とセミナーを営んでいます。けっして大きなチームではありませんが、開業当初からは考えられない組織です。私の仕事の幅も広がりました。鍼灸師、講師、経営者という3つの職種を行ったり来たりの毎日で充実しています。
以上が、最初の雇用から現在までの流れです。失敗も含めてよい経験をしてきました。すべてが糧となっています。当初と考えを変えたところもあります。その一つが新人の役割についてです。
新人の役割
昨年の春は新卒を1名採用しました。しかし研修中に突然辞めてしまいました。戦力として期待していたので残念でしたが、起こりうることとして備えなければならないと反省し、勉強になりました。そしてこの出来事をきっかけに、新人の役割を踏み込んで考えることになりました。
さっそく今春も新卒が入ってきました。鍼灸学校を卒業したばかりなので臨床(実践)の経験がありません。
以前の私であれば、臨床に出るまでは「研修期間」として、勉強や練習に時間を使えるようにしていました。「臨床に出る=戦力になる」という考えだったのです。研修期間は人材への投資と考えてコストを惜しまないようにしていました。また研修中に売上に貢献できないのは仕方ないことと考え、割り切っていたのです。理想を求めすぎて、会社の規模以上の投資になってしまったのです。
大いに反省した私は、新人の役割を考え直すことにしました。今までは大企業のマネをしすぎていたのです。小さな会社には小さな会社のやり方があるはずだと頭をを切り替えました。
そもそも、鍼灸院の仕事は施術だけではありません。患者さんが気持ちよく通えるように掃除をしたり、洗濯したりという環境を整える仕事があります。こうした仕事はメンバーが少しずつ分担しながらやっています。
これらの仕事をすべて新人に任せる、という話はありません。施術をする者にとっても重要な仕事と位置づけています。私も掃除や洗濯に参加しています。
では、新人ができることってなんでしょうか。答えは一つではありませんのでアイデア次第だと思います。すぐに着手できると考えたのは広報です。もっと私たちの取り組みを社会に向けて発信していく余地があります。
情報発信量と来院数の関係
2003年から鍼灸院をやってきて確かなのは、情報発信量と新規の患者さんの予約は比例関係にあることです。ですから、情報発信は超重要事項です。チームが大きくなればそれに応じた発信量が必要なので、伸ばしていく必要があります。私の頭はどんどん古くなっていきますし、若手の登用がこれからの鍵になります。
開業したばかりの頃は、ブログをする人が増え始めた頃で、フェイスブック(日本語版2008年〜)やツイッター(日本語版2008年〜)はありませんでした。インスタなんて影も形もありませんし、広告にYoutubeを使う環境も発想もありませんでした。
ネットで鍼灸院を探す人もまだ多くなく、チラシやポスティングの方がメジャーでした。費用がなかったという理由で私はほぼ無料で発信できるネットに力を注ぐしかなく、ブログをコツコツと更新しはじめました。まさにこのブログです。
第1回は2004年10月17日でした。『ツボって何だろう...』
一瞬で読める浅い記事です(^。^;)
ブログを始めたばかりは何の変化も起きませんでしたが、2005年3月には毎日のように更新をしていました。開業3年目を迎えようとする頃ですが、患者さんも増えていました。当時は、一人でやっていたので空き時間のほとんどを執筆に充てていました。ちょっとその頃が羨ましいです。
ブログの本当の価値
SNSの時代に入る前はブログに全集中で報われました。SNSやYoutubeの時代に入ってからは、時代に合わせるようにしてみました。一巡してやっぱりブログが大事と思っています。
実際にブログは廃れていません。このライブドアブログの無料プランもずっと生き残っているのでありがたいです。noteが出たとき乗り換えも検討しましたが有料にするつもりがなかったので、このブログに自分の鍼灸師人生を刻んでいこうと決めました。
過去の記事はすべて残してあります。役に立たない記事もありますし一貫性もありません。いろいろな出来事があって思考も価値観も変わっています。でも、変わらないことがたった一つあります。それは、この18年ずっと鍼灸をやり続けてきたことです。この事実は誰も覆せません。
どんなことを書いたら患者さんが集まるかのか、という視点も経営には必要な観点だと思います。しかし、私は中長期で考えるとあまり関係ないように思います。その時その時、鍼灸への想いを語るので十分と思っています。集客のことばかり考えていたら、楽しくありませんし続けられません。
自分が鍼灸師という職業を楽しむことを最優先に考えています。まだ見ぬ患者さんをイメージするより現実的で具体的で嘘がありません。私の鍼灸に対する姿勢や気持ちが患者さんや同業者に伝わることで道が拓けてきました。
広報を通じて学んでほしいこと
どんな媒体で情報を発信するとしても基本になるのは文章です。何も考えていないと何も書けません。考えているつもりでも、書けないときは考えていない証拠です。
新人さんに記事を書いてもらうと発見があります。そんなふうに見えるんだ、とか。伝えたつもりになっていたなぁ、とか。新人の目を通じて経営を見直すことができます。
また、新人さんも、書くことを通じて院の理念や方針を再確認ができます。また、患者さんの気持ちを想像する習慣もできます。
わかっているつもりを減らすことが書く目的です。書くことが苦手な人もいます。よく勘違いされるのですが、上手い文章を書く必要なんてありません。
そもそも作家ではありませんし、読み手も名文を期待しているわけではありません。文章から仕事に対する姿勢が伝わればよいのです。
スタッフに書いてもらうときに、指示しているのは「自分の目線で書くこと」だけです。文体や書式への指示はありません。この仕事を通じて自分の目を養ってくれたらよいのです。
みんな感性が違うし思考のパターンも違います。それぞれの良さを鍼灸に活かせるようにサポートをするのが私の仕事です。私自身もこのブログを通じて自分の感性を磨き、思考を整理していこうと思っています。
まだまだ私自身が勉強中です。雇用をしなければ気づけなかったことがたくさんあります。私自身の人間としての成長のために雇用を続けていきます。至らぬ点ばかりですが、これからもよろしくお願いします。
最後に当院のTwitterを紹介してこの記事を終わります。こんな感じで自由です。
ブログ更新しました!
— はりきゅう養気院@群馬県伊勢崎市 (@yoki_in) July 28, 2021
すっかり博多旅行記のようになっていますが、仕事もバッチリこなしてきました👍
初出張の様子を、2週に渡りお届けします!(川)https://t.co/YJlgJ6YeDC
twitterもよろしくお願いします。
https://twitter.com/kuri_suke
・はりきゅう養気院(群馬県/伊勢崎市)
・はりきゅうルーム カポス(東京/品川駅)
・整動協会(鍼灸師のための臨床研究会)
yoki at 22:42│Comments(0)│
2019年07月12日
前編のつづき
理想の職場への挑戦
究極の理想なんてありません。だから、私の理想を追求します。「もし自分が就職するなら」という前提で職場づくりを行っています。最初のボタンをかけ違ってしまうと、うちの会社に入っても永遠に理想に近づけません。
もし、「休日や給料だけ教えて」なら、これ以上読む必要はありません。普通だからです。特別に高いわけでもなく低いわけでもありません。休みも週休2日です。講師になったり、特別な業務を行うと、休日は減りますが給料はアップします。昇給もするところやボーナスもあります。普通です。
経営者の立場から言うと、「ふつう」を用意することがとても大変なのです。でも「ふつう」です。経営者が認められたり、褒めてもらえるのは、それ以上に特別な価値を生み出した時だけです。
その特別な価値は、私の価値観の中から生まれてきます。その価値観とは、鍼灸師の職業観と言い換えることができます。その職業観を実現させることが私の目的です。
鍼灸の真の実力
私が鍼灸師になって最初に欲しかったのは、鍼灸ができる環境でした。鍼灸に携われる職場がなかったのです。そのために開業をして、「患者さんが受けたい鍼灸を提供するにはどうしたらよいか」と考えて今に至ります。20代は、鍼灸ができる環境をつくるのに苦労したので、鍼灸ができる毎日に満足しています。ずっと続いて欲しいと思っています。
今は別の目標が生まれています。鍼灸は世間が思っている以上にポテンシャルが高いので、それを知ってもらいたいと思っています。鍼灸の真の効果が世間に知られることになれば、鍼灸で救える人が増えます。
現場で、「こんなに効果があるなら、もっと早く受ければよかった」という声を数え切れないほど聞いてきました。鍼灸でどんな症状が改善するのか、まだまだ知られていません。
そこで、私は症例を書き続けてきました。今は、私個人の症例だけでなく、日本中から症例を集めています。そのために、ツボネットというサービスを立ち上げました。
鍼灸のポテンシャル、つまり真の実力を伝えることができれば、もっと多くの人の役に立てるし鍼灸師も活躍できる機会が増えるからです。
私が一緒に働きたいと思っているのは、「鍼灸はもっとスゴイはず!」とフラストレーションを抱えている人です。
昨日より今日の方が上手
人は、同じ毎日が続くと飽きてしまいます。鍼灸師も同じです。同じことを繰り返していると思ったらつまらなくなります。私にもそんな時期がありました。群馬に鍼灸院を開業して経営が軌道に乗った頃に思いました。
「このまま歳を取っていくのだろうか...」と。
技術がマンネリ化し、自分の成長をあまり感じていなかったのです。勉強すればするほど迷い、勉強量と実力が比例していなかったのです。そんな時に出会ったのが、社名にもなっている活法(かっぽう)です。活法が、私が積み上げてきた常識を覆し、成長できるチャンスを与えてくれたのです。
鍼灸師で整体を学ぶ人は、鍼灸を見限っている場合が多いです。私はそうではありませんでした。「整体師にできて鍼灸師にできないはずがない」と思っていました。さらに「道具を使える鍼灸師は、整体師に負けちゃいけない」と思っていました。今でも全く同じ気持ちです。
活法に追いつくため、そして追い抜くために、整動鍼は生まれました。整動鍼のDNAの中に活法があるので、「活法と鍼灸、どうやって使い分けていますか?」という質問をされると難しいです。私にとっては「心臓と筋肉をどうやって使い分けていますか?」とほぼ同じ意味だからです。
話を戻します。
日々の成長を感じられなかったら、仕事は楽しくありません。昨日できなかったことが今日はできる、というのが楽しいのです。そして、今日はできなくても明日はできるかもしれない、と思えれば、希望が持てます。
鍼灸の力で社会を変える
個人が成長するだけでも意味がありますし、みんなで成長したら、大きな力になります。自分だけがすごく上に行けたとしても、「すごい人がいたね」で話が終わりますが、みんなで成長すると、影響力を持つことができます。
私が会社をつくったり、協会をつくったりして、教育に動き出しているのは、社会を変えたいからです。目指すのは「鍼灸が特別でない社会」です。病院に内科や耳鼻科があることを特別だと思わないように、医療の中に鍼灸が当たり前のようにある社会であってほしいです。
「当たり前」をつくるためには、特別なことの積み重ねが大事です。もし目の前の「当たり前」を受け入れてしまったら、一歩も先に進めません。
環境とアイデア
志が高くても、十分な環境がなければ力を発揮できません。努力でなんとかなる問題とならない問題が現実にはあります。成功する条件の半分以上は環境だと思います。
環境だって選ぶことができますから、自分に合った環境を選ぶことも実力のうちだと思います。ただ、環境に入れば、あなたも環境の一部になることも忘れないでほしいです。環境をさらに良くするのも、悪くするのも、あなたの行動次第です。
働いていると、アイデアが浮かぶことがあります。そのアイデアを活かすも殺すも職場次第です。アイデアを尊重する空気が必要です。
だから、アイデアを平気で踏み潰す人とは一緒に働きたくありません。アイデアはタダではありません。一つのアイデアが浮かぶまで10冊の本を読んでいるかもしれません。空から降ってくるアイデアなんてありません。
会社にとって、アイデアは財産です。だから、私も、メンバー一人一人のアイデアを大事にしています。自分の意見やアイデアが大事にされる職場を心がけています。
あなたを信じる仲間
結局は、良好な人間関係が会社を育てると思っています。人間関係の基本は、信じることです。性善説で接することです。同僚を信じることも必要ですし、経営者を信じることも必要です。私も、信じられる人しか入社させません。時に裏切られることもあります。しかし、裏切られたからと言って、信じることをやめてしまったら、そこで終わりです。だから、信じ続けます。
渋沢栄一は、『現代語訳 論語と算盤』の中で次のように述べています。
社会問題とか労働問題といったものは、たんに法律の力ばかりで解決されるものではない。(中略)何から何まで法律の裁きを仰ごうとすれば、どうなるだろう。みなの気持ちは険悪となり、人と人との間にカベが築かれて、事あるごとに争いが起こり、一家が仲良く一つにまとまることなど望めなくなってしまう。
職場は、労働基準法という法律で守られています。経営者となるにあたって、社会保険労務士と顧問契約をして法律から外れないように気をつけています。ただし、法律さえ守っていればうまくわけではありません。経験からも明らかです。
「義務」や「権利」という言葉が頻繁に飛び交う所で良好な人間関係を築けるでしょうか。友達としたランチの約束を破っても法で裁かれることはありませんが、人間関係にはヒビが入ります。それは、会社の人間関係にも言えることで、「法律さえ守っていれば良い」という考えでは、良好な人間関係に発展しません。
もう一つ、渋沢栄一の言葉を引用します。
資本家は「思いやりの道」によって労働者と向き合い、労働者もまた「思いやり」の道によって資本家を向き合い、両者のかかわる事業の損得は、そもそも共通の前提に立っていることを悟るべきなのだ。
「経営者は社員の味方であり、社員は経営者の味方である」という前提で経営することが大事だと解釈できます。
会社を設立したばかりの頃、優秀なスタッフが欲しかったので「私が何をしてあげられるか」をアピールばかりしていました。半分正解で半分間違いでした。社員のためにできることを考える、それは正解です。間違いは、それを追求していくことで会社は成長できると思っていたことです。
この発想では、社員が増えるほど私の負担が増え、社員はいつか私にかまってもらえなくなります。私は、いつか、尽くすという約束を守れず裏切り者になる運命です。
私に足りなかったのは、「私のために何をしてくれるのですか?」という要求でした。本来、賃金を払う代わりに私はラクを得るべきなのに、逆に、お金を支払って負担を増やす道を歩んでいたのです。
あるとき、社員からこう言われました。
「給料を払っているのだから、遠慮なくやってほしいことを言えばいいのですよ」
この言葉を聞いて、遠慮していた自分に気がつきました。私が、社員のために何かをしたいと思うように、社員の側からも、私のために手伝いたい、という気持ちが必要なのです。そうでなければ、私が与えるものに飽きたら離れていくことになります。
片思いでは、良い関係は築けません。
今は、はっきりと「私の力になりたいと思う人だけ一緒に働いてほしい」と言っています。私の夢や会社の理念に賛同し、協力を惜しまない人でなければ良い関係を築けません。
渋沢先生の言う通り、法律では良い人間関係が築けません。互いを思い合う気持ちがなければ、よい会社はつくれないことも経験の中から学びました。渋沢先生が言う「思いやり」とは、人の弱さを受け入れることだと思います。だから、弱さを見せられるのがよいチームです。
今、まさに活法ラボはそういうチームです。メンバーは、私が苦手なこと、失敗しそうなことをよく知っています。そして、いつも先回りをしてくれます。川を渡ろうと思ったら橋が架かっている、ということが増えました。
遠慮をせずに、ありがたく受け取っています。もっとラクをしたいと思っています。入社の面接では、「あなたは私に何をしてくれますか?」と聞くと決めています。
私はあなたが活躍できるチームを提供します。
サッカーや野球のように、いろいろなポジションを用意しています。
求人について
興味のある方は ≫ 株式会社活法ラボ 採用情報
お知らせ
毎週金曜日は品川のカポスにて施術を行っています。予約の際には「栗原希望」と告げて下さい。
・ネット予約はこちら
・LINE@でも承っております。
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2019年07月11日
大手を就職先に選ぶ学生が多い!?
鍼灸学校の教員と話す機会がありました。ちょうど求人しているところなので、最近の就職事情について聞いみることにしました。返ってきた言葉に驚きました。
「大手の就職先を選ぶ子ばかりですよ」
大手というのは、大手の接骨院グループのことです。私が就職する時には選択肢に入っていなかったので、とても意外でした。
「なぜ、そんなに大手が人気なんですか?」
と突っ込んでみました。
「今の若い子は休みが多いところを選ぶんです。大手には研修があって初任給が20万円くらいもらえるところがあれば、、そっちに行っちゃいますね」
内心「うちは負けてないなぁ」と思ったのですが、大手の圧倒的な求人力は認めざるを得ません。鍼灸院経営をしていて思うのは、求人は集客よりずっと難しいです。感覚的には100倍くらいの難易度です。応募する方は、生活基盤を決める重要な決断ですから、できるだけ間違いは起こしたくありません。だから、慎重になると思います。
誰だってリスクを避けたいので、大手を選ぶのは賢いとも言えます。でも、大手を選ぶ人も「本当のリスクって何だろう?」って考えてみても良いと思います。うちの鍼灸院は大手ではありませんが、うちなりにリスクについて真剣に向き合っています。
就職時のリスクってなんだろう?
では、就職する時に抱えるリスクとは何でしょう。頭にパッと浮かんだものを挙げてみます。
‥飮困垢襪海
経営者に騙されること
D稍其發任△襪海
た場の人間関係で悩むこと
ゴ望する仕事ができないこと
大手では´↓が回避できると思う学生が多いのかもしれません。勝手な想像です。
もしかすると、い皺麋鬚任るもの含まれるかもしれません。たとえば、院長と二人であれば、院長との関係が全てになってしまいます。何かあった時の逃げ場がありません。
大手であれば、同僚がたくさんいるので、付き合いやすい人と付き合えばよいと考えることもできます。これも勝手な想像です。
私が学生の時に、もっとも回避したかったのはイ任后「鍼灸師になったのに鍼灸ができなければ何の意味もない」と考えていました。
私が就職活動をしているとき、接骨院グループに就職する道もありましたし、整形外科に就職する道もありました。でも、パートタイマーで働いただけで正社員にはなりませんでした。それは、希望する仕事、つまり鍼灸ができなかったからです。
そもそも鍼灸をするために鍼灸師になったので、鍼灸ができなければ、その時点でゲームオーバーなのです。だから、最大のリスクと考えたのです。
先ほどの大手グループは接骨院グループであって鍼灸院のグループではないのです。鍼灸ができる機会があるとしても、専門にすることが難しい職場です。
専門性と視野の広さ
視野は広くもっていた方がよいです。でも、何にでも手を付けることではありません。思考を伴わない体験は単なる体験だからです。そこから広がって行きません。視野の広さは、発展性のある思考ができるかどうかです。
うちは、鍼灸専門としていますが視野は広く持っています。鍼灸を発展させるために必要なことを探し続けています。言い換えれば、鍼灸にしかできないことへの挑戦をしているのです。
視野を広く持つことは、ヒントを外に求めることです。私がもっとも注目しヒントにしているのは活法(かっぽう)です。古武術整体である活法を臨床で実践することで、多くの気づきがありました。整動鍼を創案できたのは、紛れもなく活法のおかげです。
これは、新しい発想を取り入れてうまくいった例ですが、何でも新しいことを始めればよいとは思いません。鍼灸の歴史や古典をリスペクトした上で問題提起をすべきです。先哲の叡智は、個人の経験や好みだけで評価できるほど浅くはありません。
繰り返しになりますが、視野の広さは、その分野において発展性のある思考ができるかどうかです。私は「鍼灸はもっと進化するはず」と信じていますし、実際に取り組んでいます。「鍼灸はまだまだこんなもんじゃない!」と信じて疑っていないことが、私の才能です。この才能を信じてくれる人と一緒に働きたいと思っています。
つづく...後編
求人について
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お知らせ
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2017年03月15日
■カポスの次のチャレンジ
品川のカポス、2院目はガラッと雰囲気を変えてアスリート専門の鍼灸院をやります。
整動鍼®が、「整動鍼らしさをもっとも発揮できる分野は?対象は?」と考えて出た結論です。

ご存じの方もそうでない方も、品川駅の徒歩3分のビルの一室にカポスはあります。ここが軌道に乗ったら2院目を、同じ品川駅、しかも同じビル内につくるという計画がありました。もちろん計画は生きています。少し当初の予定より遅れました、その分足元が固まりました。ここまで、いろいろな経験をして私も成長しました。
ここで「その人材はいるのか?」という問題。
人材を用意してから開業、というのは順番が逆です。開業するために人材を発掘し育てる、というのが正しいと信じています。そもそも、鍼灸師を募集しても、何をするのかわからないところには集まらないと思うのです。
準備も人材育成も同時並行です。否応なく、私の実力が試されます。ちょっと嫌だけど楽しみの方が上です。
問題は時間。すでに労働基準法があったら即アウトな働き方なので、これ以上の時間は用意できません。ほぼマックスです。私の仕事は、新しい院を作ることが「みんなのプロジェクト」であるという共通認識をつくること。
「クリ助さーん、次の院はいつ用意してくれるのですか?」と聞かれても、私一人では何もできません。スタッフ一人一人が当事者であると自覚できたら、私の仕事は半分完了。開業ノウハウは社内でシェアできています。カポスの開業から次の展開を見据えて動いてきました。
■鍼灸に専念できたらいいな
カポスを経営していて思うのは、組織の効率の良さです。一人の鍼灸師が、技術を磨き…、施設をつくり…、集客を学び…、経理を学び…、人脈づくりに励み…とやっていくのは無駄。鍼灸師はもっと鍼灸に時間を割くべきだ、と思っています。
現実を考えれば、鍼灸だけ…とはいきません。うちのチームもそこまでの段階に達していません。一人一人にオールラウンダーを求めている状況です。でも、ここから先は、一人一人が専門分野を持つ方が効率が上がります。
当たり前ですが、鍼灸師は鍼灸に専念するのが一番です。集客のためにマーケティングセミナーに行くのはもったいないことです。でも、現実はそうしなければいけない鍼灸師が実に多いのです。患者さんを集める専門家が社内にいたら、本当に楽です。
将来は鍼灸師ではない人を雇いたいと思っています。鍼灸師が臨床に専念できる環境を整えるためです。もう少し先の話です。今の位置を考えれば、目標としている段階です。頭の中に常に描いているのは、自分がいちばん働きたい鍼灸院です。
■整動をアスリートのために
整動鍼®は文字通り動きを整えること。この効果をアスリートが喜ばないはずがありません。
現時点では、主な対象を、スポーツ選手(プロ・アマチュア)としています。ダンス、バレエ、舞踏家、格闘家、音楽家…などなど。身体表現の専門家も想定しています。動きを調整するという整動の効果を、パフォーマンス向上に利用して頂きたいと思っています。
同じ整動鍼を使うのに、コンセプトが変わるので雰囲気も違うと思います。詳細はこれからです。
私の仕事が年々教育に寄ってきています。まったく興味のなかった教育という仕事。最近ようやく面白さがわかってきました。
臨床家として技術を磨きながら、見本としての役割があります。伝え方をもっと研究すべきです。そして、一番大事な仕事は、スタッフ一人一人が夢を持てるように、明るい未来を示すことだと思います。
自分のキャリアアップだけを考えていればよかった頃とはいろいろ違います。仲間をキャリアップさせることが、私のキャリアップです。今年は大きな仕掛けもしていきます。カポスの2院目の他に動き始めたプロジェクトがあります。その話はまた今後。
鍼灸師は募集中です。一緒に夢を見ましょう!
■求人情報(鍼灸師2名)
鍼灸の可能性を追究したい鍼灸師を募集中です。
詳しくはこちら≫採用情報
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2017年03月07日
「鍼灸師」と検索してみたら
Googleにはサジェスト機能というものがあります。
多くの人が検索しているワードを先回りして表示してくれる機能です。

検索窓に「鍼灸師」と入れると、
鍼灸師 求人
鍼灸師とは
鍼灸師 英語
鍼灸師 国家試験
鍼灸師 年収
鍼灸師会
と出ます。
「鍼灸師…」と検索する人
「鍼灸師になったばかりの人」と「鍼灸師という職業に興味のある人」が検索しているようです。
今年の「はり師」「きゅう師」の国家試験は2月26日(日)でした。求人情報を探している鍼灸師もまだ多いと思います。鍼灸師の場合、試験が終わってから就職活動を始める人が多いそうです。私もそうでした。
私の鍼灸院でも、鍼灸師を募集しています。1月から募集をしているのですが、まだ採用通知が出せていません。すぐに2名を採用したいのですが、思うようになっていません。
就職活動中の学生は「鍼灸ができる職場がない」と嘆き、採用する鍼灸院は「募集しても応募がない」と嘆いている、という不思議な現象が起きています。採用に苦労しているのは、私ばかりではないようです。あちこちで「なかなか決まらない」という声を聞きます。
「鍼灸師 求人」と検索して表示されるのは、求人サイトばかりです。鍼灸院が独自に募集をしても、なかなか気が付いてもらえません。求人サイトに登録すれば見てもらえるかもしれませんが、費用は安くありません。採用側からすると気軽にはできないのです。求人にこれほどお金がかかるとは、採用の仕事をするまで気が付きませんでした。
■長く働ける鍼灸院
さてさて、就職先を探している学生が一番気にしているのはお給料?
それとも、働きやすさ?
私が学生の時(15年も前ですが…)は、鍼灸ができるところを探していました。鍼灸専門で働けるところが少なく、実際の業務はマッサージというところばかりで、あきらめて整形外科に就職したのです。やっていたのはマッサージ。朝から晩までやっていました。
そこそこ良い給料でしたが、この先にキャリアアップがないことは明らかでした。鍼灸の道で生きていくには独立しかありませんでした。これが私の鍼灸師人生の始まりです。
お金もノウハウも、そして人脈もありませんから、何をやっても上手く行かず、失敗の連続でした。お金も底を尽きました。あったのは「鍼灸師になってやる!」という執念だけ。極貧生活でも下を向かなかったが、私の唯一の才能だと思います。今の私を支えているのも執念。まだ実現したいことができてません。
実現したいのは、長く働ける鍼灸院をつくることです。
現在、鍼灸師は私の他に5名です。ここ数年で少しずつ整えてきましたが、もっとよい環境にしたいのです。給料もできるだけ多くしたいです。それには、キャリアップの仕組みが必要です。
採用する立場になった今は「自分が学生だったら、一番働きたいと思う鍼灸院」を作りたいと思っています。患者さんにとって一番であると同時に働く者にとっても一番、それが理想です。理想の実現に向けて一歩一歩やっています。
想いはすぐに形になりませんが、想い続けていると形になっていくと信じています。このブログも私の想いそのものです。この記事が「鍼灸でがんばっていきたい」と思っている鍼灸師に届くと嬉しいです。
■求人情報(鍼灸師2名)
鍼灸の可能性を追究したい鍼灸師を随時募集中です。私に力を貸してください。詳しくはこちら≫採用情報
■ホームページの初歩を教えます
告知です。開業者・開業予定者向けのセミナーを行います。
患者さんに想いを届けるために必要なウェブサイト(ホームページ)をどうやって構築すればよいのか、基本の基本をお伝えするものです。東京と群馬の2院を経営している立場から、取り組んできたことを教えます。特に、これからウェブサイト(ホームページ)を作ろうとしている方におすすめします。

◎日程:4月9日(日)11:00〜17:00
◎定員:25名(残り若干名)
◎対象:鍼灸師、柔整師など(すべての治療家)
◎内容:患者さんに想いが届くホームページの作り方
◎費用:12,000円
◎主催:株式会社 活法ラボ セミナー事業部
◎URL:http://www.musuby.com/
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