仕事日記

2023年09月03日

鍼灸院にぴったりなサーキュレーター見つけた


鍼灸院の施術室には欠かせないサーキュレーター


私が経営する群馬の鍼灸院「養気院」では、個室の施術室が4部屋あります。
各部屋はエアコンで温度調整をしているのですが、合わせて欠かせないのがサーキュレーターです。
あるのとないのでは全然違います。やっぱりあると室温が均一になって過ごしやすくなります。

スリーアップのサーキュレーター


何より大事なのが静音性


ただ、大きな欠点は音です。できるだけ静かなものを買おうとネットで評判を見るのですが、人によって感じ方が違うわけですから口コミを読んでもよくわかりません。ほとんどの製品に「静音」という文字が入っているのですが、「静音」の定義はそれぞれですからアテになりません。

実際に買って使ってみないとわからないのです。
サーキュレーターは3000円から20000円の価格帯で販売しています。高い製品ほど静かなのかと思えばそうではありません。価格と静音性は比例しないので注意が必要です。

メーカー名は避けますが、一番最初に買ったサーキュレーターは8000円とまずますの価格でしたが、一番うるさくて施術室に置けるようなものでありませんでした。今は物置です。

ただ粗悪品だったわけではありません。空気を遠くまで飛ばすという本来は仕事はちゃんと果たしているのです。威力はすごかったです。そんなにいらないと、と思うくらい。

ここでは、施術室に合うサーキュレーターという意味で評価をしていこうと思います。最後にメーカーを紹介しますが、つながりもアフィリエイトもありません。忖度なしの結論です。ぜひ、最後までお読みください。


8畳用で十分すぎるパワー


当院の施術室はとても狭く、畳でいえば三畳程度しかありません。一般家庭ではありえないほどの狭さです。家庭用のサーキュレーターは8畳用くらいからあります。当院に限らず、個室の施術室は狭いでしょうか、家庭用のサーキュレーターであれば一番小さくても十分すぎるパワーです。

ですからパワーが足りないことを懸念して「大は小を兼ねる」と大きめを買ってしまったら100%後悔します。購入するなら家庭用で最小のものを選択してください。ただし、卓上タイプは除外してください。パワーがぜんぜん足りないです。


高くても静かとは限らない


価格帯と静音性は関係ありません。間違いありません。価格は、リモコンやデザイン、首振り機能などで上がっていきます。繰り返し言いますが、高くても静音性は高くありません。おそらく同じメーカーであれば、ファンは同じ形状のものを使っていると思います。


微弱運転ができるものを選べ


結論になりますが、施術室で使うにはいかに微弱運転ができる能力があるかどうかです。ボタンにどう書かれているかは関係ありません。

私が買ったサーキュレーターの消費電力は、22/25Wと書いてあります。AC(交流)モーターを採用しています。一般的にDC(直流)モーターの方が高価で消費電力が低く抑えられるそうです。ACモーターはパワーを落としても消費電力があまり下がらないのに対してDCモーターは下がるそうです。

Amazonで調べてみたら、商品説明に必ずモーターの種類が書いてあるわけではありません。DCモーターを採用している方は表記されていることが多く高めです。


モーターの種類は気にするな


電気料金安い方がいいでしょ、と思うかもしれませんが、買おうとしているのはパワーの小さな製品です。電気料金に差はわからない程度になりそうです。電気代を気にして高めのDCモーターを買ったとしても「うるさいなぁ」と失敗して買い直したらよっぽど高く付きます。電気料金の差は微差です。ラジコンのモーターが回っている程度ですからエアコンの比ではありません。

ちなみに、音のほとんどは空気を動かすファンから出るので、モーターの種類ではわからないと思ってください。

お待たせしました、数々のメーカーを試してきて施術室にぴったりのサーキュレーターは、スリーアップ ACターボサーキュレーター CF-T2231です。お値段は4,000円くらいです。



これを買っておけば後悔はしません。

最初にお試しで1台購入して、その静音性に驚いたので追加で5台を追加購入しました。現役で使ったいたものとすべて入れ替えました。現在、品川の鍼灸院で2台、群馬の鍼灸院で4台が動きています。

この製品を見つけてくれたスタッフの石井、今年一番(?)のファインプレーです。

(追記9/3)
公式ウェブサイトによると、1時間あたりの電気料金は約0.59/0.68円。
施術時間いっぱい使っても10円かかりません。1ヶ月20日間営業でも200円はしません。元になっている電気料金が安すぎる可能性を考慮しても、DCモーターを選んで節約できる額はせいぜい月に数十円。長年使わないと元が取れません。そこを考えるより無駄な鍼を減らす技術的工夫に努める方がずっとコスト削減になりますね(笑)



大げさではなく、動いているのを忘れるくらいの静音性です。
寝室用にほしいと思っている人にも自信をもっておすすめできます。デザインも好きです。
首振り機能がついていて、上下の角度は手動で決めて使います。十分です。
リモコンが付属されていますが、いらないかな…。

同じメーカーから高機能商品も出ているので、ちょっと興味があります。
購入したときはレポートします。

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2023年04月13日

養気院 開業20周年に送られてきた胡蝶蘭


開業20周年


おかげさまで、本日4月13日に開業20周年を迎えることができました。最初、開業して食べていけなかったら、バイトをしながら食いつないでいこうと思っていたので、この20年目を迎えられることに何とも言えない気持ちです。嬉しいというか、ホッとしたというか。

開業したばかりの頃は、長男も小さかったので、スタッフルームに連れてきて妻が世話をしながら仕事をしていました。鍼灸師ではない妻は、受付や事務作業などの業務を担当していました。時々、長男が泣き出すと、患者さんは「あれ?赤ちゃん?」と不思議そうにされていました。

当時を知る患者さんが来院すると「小さい子がいましたよね」と当時の通院の話になることがあります。おかげさまで、そんな長男は高校に通うまでになりました。


子育て経営


ある意味で、鍼灸院経営は子育てと同じようなところがあります。その時期によって必要なことが変わるし、時代によって常識も変化します。東大生のお母さんの子育て術が当てはまるとは限らないように、成功者のやり方をそのまま真似しても上手くいくとは限りません。

人も鍼灸院も思い通りにはいきません。人それぞれ歩みたい人生があるように、鍼灸院にも歩みたい道があるように思います。鍼灸院の経営者で所有者ではあるとはいえ、患者さんが通う施設です。血が通っている生き物のように思います。

そう思うと、鍼灸院経営はコントロールしようと思うより、鍼灸院の声を聞きながら進みたい方に手助けしてあげる方がよいと思うようになりました。

うちのような零細企業に、一般的な企業経営を持ち込む必要はないと思っています。ましてや、背伸びしてアメリカのGAFAMを真似する必要なんてありません。というよりも、いくら背伸びをしても届かないわけで…。私が見るべきは別にあると思うのです。


売上よりも大切なこと


小さな鍼灸院を育てながら自分も一緒に成長できれば十分と考えています。ですから、会社の規模を大きくしようとは思っていません。現在、20年前に始めた群馬の養気院と、9年前に始めたカポスの2院があります。この2院を9名で営んでいます。

私にとって、ちょうどいいサイズは大きくないと思います。安定して心地よいサイズは、今より少しだけ大きなチームかもしれません。
これは、あくまでも私の場合ですので、大きな会社と大きな売上を目指す鍼灸師がいてもよいと思います。鍼灸を産業といえるほどに押し上げる鍼灸師も必要だと思います。

という事情があるので、現在はスタッフの募集を積極的に行っていません。一緒に働きたい人が現れたらチームに迎え入れようと思います。不思議なことに、うちで社会人をスタートさせるスタッフがいるいっぽう、もともと別の鍼灸院を経営していた者もいます。

私自身も含めて、スタッフが才能を活かせる場であれば、それで十分です。

ですから、売上を年々伸ばしていくという目標はありません。チームの人数に応じた売上があればよいと思います。現在の売上が十分ではないときは売上を伸ばす努力をします。スタッフに貧乏をさせたくはありませんから。


環境が人を育てる


以前は熱心にやっていた社員教育ですが、今はやっていません。我が子が勝手に大きくなったように、私が育てようと思わなくても、スタッフは勝手に育つと思うようになったからです。経営者として私が取り組んでいるのは環境づくりです。

自分で用意しようと思ったら大金がかかる環境をあらかじめ用意しておくことが経営者としての責務であると考えています。この環境はスタッフだけでなく私の成長も促してくれます。私もスタッフと一緒に仕事をしながら、また練習に付き合いながら多くの気づきを得ています。

ただ、一口に環境と言っても合う合わないがあると思います。うちが用意した環境がベストとは限りません。合った環境が別にあると思います。雇用を始めてから10年近く経つので、退職者もたくさんいます。どうしても合わない人はいます。水が合わないのは誰のせいでもありません。

私の雇用に対する意思もだいぶ変わり、以前は「栗原さんの技術を学びたいです」と学習意欲をアピールするのが上手な人を採用していました。面白いことに、例外なく3年で退職していきました。

採用する側もされる側も「研修」に重心が偏りすぎていたのです。基本は働く場です。そんな簡単なことを見落としていたことに気がついた私は、採用の方針をガラリと変えました。

アピールする学習意欲は完全にスルーして「ここで一緒に働きたいです」と職場としての環境に魅力を感じている人を採用するようにしました。すべての採用がうまくいったとは言えませんが、少しずつ噛み合ってきているように思います。

この20年は試行錯誤の連続でした。この鍼灸院の経営者という立場が私を育ててくれました。これからもそうだと思います。


これからの鍼灸師に伝えたいこと


私とは時代も違うし環境も違います。だから、私は見本になれません。私にできることがあるとすれば「試行錯誤を続けていれば何かしら見つかる」と伝えることくらいです。

このブログははじめてから18年以上経っていますが、ここに記されているのは、成功法則でもなんでもなく試行錯誤です。

ブログを始めた頃、18年後の今日を想像できていませんでした。それどころか、いつまで鍼灸師を続けていられるかくらいの感覚でした。

鍼灸で食べていける人は一握り。やめてしまう人が多いのが現実です。免許をとった人が全員食べていけるようになったらいいとは思っていません。向いていない人は向いていません。

向いているか向いていないかを判断する前に「本当にやるだけのことはやったのか」と問いかけてほしいのです。運よく成長できる環境を手に入れられる人はごくわずかです。たいていは、自分で環境を取りに行かなければなりません。待っていてもやってきません。

動けば失敗もするでしょう。というより、必ず何か失敗します。そういうものだと思って行動するしかないのです。もちろん、患者さんに迷惑をかけたり、鍼灸の信用を落とすような行為はNGなのですが、就職活動や企画の失敗は、相手に謝ればなんとかなります。誤ってなんとかなる失敗はしておいた方がよいです。

続けてさえいれば、自分なりの何かが見つかるかもしれません。とはいえ、誰もがそうであるとは限りません。あきらめて別の業種に移ることも勇気です。

とりあえず、試行錯誤をしてみなければ何にもわかりません。本当の面白さも試行錯誤の向こうにあります。


一人では何にもできない


ここまでの話、私の努力みたいな書き方になってしまったかもしれませんが、私一人ではどうにもなりませんでした。家族の支えがあって今があります。鍼灸師の仲間や業者の方々にも支えられています。

私の知らないところで味方をしてくれた人もいるはずです。今でも、私の至らぬ点をいろんな人がカバーしてくれています。感謝しきれません。

鍼灸師人生も折り返しに入っています。これまで支えられてばかりでしたが、これからは支える側になっていかないといけないと思います。

鍼灸師をいつまで続けるかわかりませんが、海外に日本の鍼灸を伝えていくという目標があるので、しばらくはやめないと思います。

開業20周年の前日に養気院のスタッフで



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2023年01月16日

整動鍼の英語版セミナーのスライド


今年は、海外を意識した活動に力を入れていきます。これまでもスペインでセミナーを行ってきた経緯がありますが、いったんリセットし新しく始めます。国内と海外では難易度が10倍以上違うと思うので、新規の事業を立ち上げるくらい新鮮な気持ちです。

そんな気持ちになっていたら、ちょうど刹那塾さんから依頼があって、英語圏の方にセミナーを実施することになりました。私の乏しい英語力では難しいのでちゃんと通訳がつきます。とはいえ、スライドは英語でつくる必要があります。ふだんの3倍くらいの時間をかけて準備しました。今後は、こんなふうに英語でつくることが増えていくと思います。

なぜ海外を意識するのか。その理由はいくつかあります。主には3つです。

/靴靴せ彪磴ほしい
外国語ができるスタッフがいる
F本で生まれた技術を海外に広めたい

,鉢は、説明するほどのことでもないので△砲弔い得睫世靴泙后ふしぎなことに、うちのメンバーは現在、私を入れて9人のチームなのですが、英語ができるのが2名、そして、アラビア語が1名、中国語が1名、スペイン語が1名と、語学力に恵まれています。

この語学力をこれまで活かせていなかったので、これからは武器として活用していこうと思います。私も少しずつ英語やスペイン語に親しんでいこうと思っています。

実は、品川に姉妹院の鍼灸院を開設したのは、海外からの患者さんを受け入れやすいと考えたからです。ただ、この3年はそれどころではない状況でした。新しいスタッフを迎え戦力は十分に整いましたので、本格的にエンジンを吹かしていきます。

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2023年01月15日

鍼灸師という職業が飽きない理由


最近、開業何年目の方が「楽しかった仕事が最近つまならくなった」という内容の発言をSNSでしていて、思うことがあるので書き留めておきます。

私は「つまらない」と感じたことはありません。だから「つまらない」という発言を聞くと「だったらやめてしまえばいいのに...」と思ってしまったりするのですが、我がことと振り返ってみれば、私にも気合いの入らない時期があったのは事実です。いつも熱いハートでいられるわけではないのです。

2020年〜2021年は何をしても報われない気がしてしました。「テレワークの時代」とか「オンラインの方がいい」とか、そういう発言を見たり聞いたりするたびに、人に直接触れることを生業としている私は、自分の存在が否定されているような気持ちになっていました。

この間はスペインも行けなくなり、結局、提携していた学校から話が途絶えてしまいました。こんな形で終わるのは嫌ですし「開催してほしい」という声も届ているので、今年は自力でバルセロナで開催したいと思っています。クリアしなければならないハードルがあるので、仲間と協力して少しずつ進めています。

話を戻します。

一般論として、仕事がつまらないと感じる理由は、ルーティーン作業になっているときだと思います。自分の仕事を「同じことの繰り返し」と感じたとき、精神が踊るのをやめてしまいます。毎日少しずつ新しいことが必要なのかもしれません。私は、同じことの繰り返しを感じた瞬間に不安を覚えます。「このままずっと...」と思うと、自分は何のために生きているのかと自問が始まってしまいます。逆に、毎日が同じではないと不安になるという方もいると思います。

どちらが正常とか、そういう問題ではなくタイプの違いでしかないので、各々が自分のタイプに合わせて仕事をしていくしかないのだと思います。

私が毎日飽きないのは、同じカラダに出会うことがないからです。端から見たら、同じようなことの繰り返しに見えても、状態は常に揺らいでいるのでその時その時でベストな施術は違います。使うツボも変わります。

どんどん変わっていくので、飽きる暇がないんですね。ドラマの次の展開が楽しみになるのと同じです。私の仕掛け(施術)がどんな展開になるのか、見届けたくなります。モチベーションはそれがすべてです。世界の平和のためとか、地域の医療のためとか、そういう高貴な目標で動いているわけではありません。目の前の患者さんが変化していく様子を見届けたい、という個人的な心情です。

逆に言えば、私のモチベーションは単純なので、理念とか目標とか、そういうアタッチメントを欲しがりません。一時は会社の理念や目標を掲げて引っ張って行こうと考えていた時期もありますが、厳密にいったら嘘になってしまうのです。

自分の施術が起こす変化を見届けたい。それだけなのです。新しいツボを探したり、新しい理論を考えているのも、すべてそこにつながります。次から次へと新キャラがやってくるわけですから、飽きる暇なんてありません。新キャラとか言ったら不謹慎かもしれませんが、一人ひとりの個性に関心が高いと理解していただければと思います。もちろん、同じ人であっても、日によってキャラ(精神状態や体調)は微妙に変わっているわけです。

もしかしたら、「つまらない」と感じているときは、同じことをしているのだと思います。患者さんを同じように見ているのだと思います。


そうそう、ようやく我が家にもPS5(ゲーム機)が届きました。

なかなか買えなかったのですが、Amazonで購入できました。現役のPS3と交換します。ゲーム機としては全く使っていなくて、ソフトは一本も持っていません。テレビの録画機として使ってきました。torne(トルネ)というものと接続すると高性能録画マシンになるのです。とはいえ、PS3は2006年発売のコンピュータ。もう時代遅れです。PS4を超えてPS5になって、どれくらい快適になるのか楽しみです。ゲームはやりません。鍼灸より楽しいゲームはないからです。最後は鍼灸師らしく締めてみました。

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2022年08月16日

新米鍼灸師は黙って即戦力をめざせ


「御社に就職したら何が学べますか?」という質問はNG


8年くらい前から採用という仕事をしているわけですが、その経験から思うことがあります。就職に興味がある学生や鍼灸師から「御社に入ったら何が学べますか?」と質問されることがあります。

違和感について書いてみようと思います。

就職先の企業や鍼灸院は学校ではありませんから、「何が学べるか」という質問がちょっと違うように思うのです。

研修内容を調査して、就職先が自分の技術向上に役立つのか判断したい気持ちはわかります。その気持ちは尊重しますが、採用する側の立場で伝えたいことがあります。

採用する側は「何ができるのか・何ができそうか」という目で見ています。給料を支払い始めたら売上に貢献してもらいたいのです。売上がないと給料が支払えないからです。給料を何年も支払いながら、現場に出ない鍼灸師に実技指導をしてくれる就職先ないでしょう。

企業や鍼灸院が求めているのは即戦力です。求人の際には戦力になるまでの期間を見積ります。その期間が短ければ短いほど、企業側には有利です。

鍼灸院によってはやり方の規定がなく、どんな流儀でもよいところがあります。制約がない代わりに技能は持ち込みです。育成費を抑えるという経営方針なのでしょう。いっぽうで、うちの鍼灸院のようにスタッフ間の技能やスタイルを揃えようというところもあります。この場合は、少し長い目で見て、相性や素直さ、そして協調性を重視します。


相手を知れば即戦力の意味がわかる


ときに正直な学生がいて「御社で学んだら独立をしたいと思います」と、学ぶことが目的であることを告げてくれます。おそらく「計画性、向上心、そして将来性」をアピールしているのだと思いますが、空回りです。就職しようという相手に、退職後の計画や夢を語っても「じゃあ、ここでは何がしたいの?」と思われて終わりです。

退職後の計画が夢が悪いのではありません。退職後の自由を奪う権利もありません。。ただ、就職先を探すときは、その職場で即戦力になることだけを考えた方がいいよ、という話です。

では、戦力はどのように準備すればよいのでしょうか。誰でも最初からいろいろできるわけではありません。ですから、就職先が求めているスキルをしっかり調査することです。就職希望者の見学を受け入れている鍼灸院はたくさんありますから、足を運んで経営者と話をすることをおすすめします。

「鍼灸院なんてどこでも一緒でしょ」と思っているならアウトです。仮に就職できても後悔が残るかもしれません。鍼灸院によって鍼灸師に求めるスキルはだいぶ違います。たとえば、マニュアル通りに間違いなく行うスキルであったり、自分で考えて答えを探そうとする姿勢であったりするのです。

このように相手の要求がどこにあるのかを考えることが、戦力を準備する第一歩です。戦力になれたら、待遇もよくなるでしょうし、経験も積みやすくなります。また、経営者を恐れてビクビクする必要もありません。スキルアップの機会も広がります。結果、将来の夢に向かって走りやすくなるのです。


10年先の深みより、この1年のできること


夢は無限でも人生は有限です。限られたリソースをとりあえずできることに差し向けるのは大切な生存戦略です。もしかしたら、超ベテランの先生が「即戦力ばかり追いかけていたら、浅い施術しかできなくなる」と警鐘を鳴らすかもしれません。

「古典を読みなさい」とか「まず10年は我慢しなさい」とか言われるかもしれません。しかし、古典を読んでいる間、どんな仕事をすればよいのでしょうか。10年我慢し続けたら何かが得られる保証でもあるのでしょうか。私は、最初の10年でほぼ決まってしまうと思います。もっといえば、卒後3年間が勝負だと思います。

セミナーに関わり10年以上の月日が過ぎました。いろいろな鍼灸師と出会ってきました。学生のときに出会った鍼灸師も少なくありません。成功のカタチはそれぞれですが、生き生きと鍼灸師を続けている人に備わっていることがあります。

それは即戦力です。行動力と言い換えてもよいです。「今できる範囲でやってみよう」という心があるのです。できるかできないかと考えるのではなく、できることから始めているのです。

即戦力になる人は「自信がついたら…」と口にすることはありません。やりながらできる範囲を広げていっているように見えます。やってみて気づいたらできる範囲が根拠となって自信と化していくのでしょう。


即戦力は臨床力だけじゃない


今回は説教じみた内容になってしまいました。何度も採用に携わってきて「入社したら私は何をしてもらえるんですか?」という意味の質問が思った以上に多く、ちょっと質問の角度が違うんだよなーと思って書いたらこんな記事になりました。

「入社したら私に何をしてほしいですか?」と尋ねた方が就職が有利になると思います。すぐに臨床に入れなくてもできる業務はあるはずです。それを探すのも仕事のうちです。

鍼灸師だからといって戦力は臨床力とは限りません。売上に貢献することができるなら戦力です。実際、うちの鍼灸院では臨床力だけを戦力と考えず、掃除、受付、電話対応、広報、などの周辺業務も含めて戦力として考えています。鍼灸院の仕事で施術は業務の一部でしかありません。

自分の役割を自分で作れる人は、雇用されていても独立しても上手くいくはずです。もちろん勉強できる環境もつくれるでしょう。

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