2005年06月11日

県内初の「中核市」指定を目指して 【3.行政権限拡大で懸念される産廃行政】

以前にも記したように、四日市は中核市へと移行することによって
行政権限のほぼ7割、事務の根拠法規の条項で数えると約2000項目が
県から委譲され、特に福祉行政・保健衛生行政に関する事務や
都市計画に関する事務などを独自に行うことができるようになります。

市として取り組むことの出来る行政権限が拡がるということは
つまりそれだけ市民に対する行政サービスへの責任が拡がることであり、
それだけに、今後の移行までの準備期間である2年間は
新たに加わった権限を盛り込んだ総合計画をつくる必要も出てきますし、
県から移譲される事務について引き継ぎを行われなければならないでしょう。


そうした中で最大の課題といえるのは産業廃棄物処理行政についてでしょう。
市内の産業廃棄物業者が少なくとも38万立方メートルの産業廃棄物を
大矢知町の最終処分場で不法投棄されていたことが明らかになり、
その処理方法について今議論となっています。


この産業廃棄物処理の権限を請け負っているのは現在は県ですが、
これらの産業廃棄物の処理に関しても中核市移行後は
県の事務から保健所を設置する中核市の事務へと移行されます。

つまり、市の保健所を持つ四日市市としては権限の移譲は確実であり
県が起こした産廃不適正処理に関する問題の処理に関しても
産廃行政の事務とともに県から委譲されるということになり、
不法投棄された産業廃棄物も市が処理することも考えられるのです。


そんな中昨日、地域住民らがこうした違法行為を
県が見過ごしていたために起こったとして
訴訟に向けた動きを始めた、というニュースが飛び込みました。

当初昨日は県が住民に不法投棄された産廃の面積、容積を発表する予定で
その動向が注目されていましたが、一転発表を延期。
住民側は産廃を監視する権限がありながらもそうした事実を放置し
処理解決へ向けての方向を示さない県の姿勢に激怒、
準備団体を設立し年内にも提訴したいとの考えすら示しました。


この処分場は11年前の94年3月での業者の報告の時点で
既に投棄量が許可量を大幅に上回る約170万立方メートルに到達、
県はその年の3月と8月に業者に改善命令を出したものの
その後は対応せずに増量を見逃し続けてきました。

今年の3月には実際の埋め立て面積が県の許可の2倍以上の
約13万平方メートルだった事実が県の調査で判明。
不法投棄量も当初の発表より大幅に上回る可能性があるとして
住民は調査結果の早期公表を求め、昨日発表予定でした。



こうした産廃行政が後手に回る状況で現状の課題を解決することなく、
そのまま産廃行政の権限とともに不適正処理の問題までもが
県から市へと移ることはあってはならないことと考えます。

市の中核市への移行目標としている期日は平成19年4月。
それまでに県が産廃問題の解決の道筋を示すことが出来るか、
また誰がどのように責任を請け負っていくのか、というところが
今後の中核市移行の中で影響を与えていくのは避けられなさそうです。

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この記事へのコメント

1. Posted by yokkaichiblog   2005年09月10日 21:00
おひさしぶりです。

ブログタイトルを変更致しました。今後は「かくあれ四日市」としてテコ入れを図ろうかと考えています。今後もよろしく御願いします。

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