記念すべき100記事目がこんな暇ネタで良いのだろうか。。。

ここ最近、ネット界隈では放送大学ネタが盛り上がっているような気がします。
放送大学って何それ?美味しいの?というかたはGoogle先生wikipedia講師に聞いて下さい。
盛り上がりの発端は矢吹樹という方が「放送大学は正式な大学ではない」とかましたところ、
放送大学学長である岡部教授に突っ込まれ本人は雲隠れしてしまった、という話です。
※この件について詳しくはこちらのまとめをご覧ください。

「盛り上がっていると言っても矢吹さんが炎上しているだけでしょ?」と思いきや、
これを機に放送大学について岡部教授に質問する方が増えているようです。
実際に事件のあった2/19辺りから岡部教授のつぶやき回数はとても増えています
私も2/19から岡部教授のtwitterアカウントをフォローしましたが、
つぶやき内容の殆どが入学に興味を持つ人への回答となっているようです。

そんなプチブームに湧く放送大学について現役社会人学生である私が、
学生生活の振り返りも兼ねて簡単に解説をしてみたいと思います。

○学費について
ホームページを見れば分かる事ですが、入学料22,000円に1科目(2単位)11,000円です。
卒業には124単位必要なので卒業までにかかる学費は704,000円という事になります。
一般的な国立大学や私立大学に比べれば非常に安いと言えるでしょう。

○入学について
高校を卒業していれば入学できます。
願書申請時に高校の卒業証明や成績証明が必要となるので注意してください。
(私は書類提出をチンタラ準備していたせいで高校の正門前からバイク便で送りました。。。)

○専攻について
複数のコースがあり、入学時にコースを選択する必要があります。
ちなみに私は「社会と産業コース」を選択しました。
一般的な大学で言うところの、経済学や商学の分野であると言えます。
選択コースから最低○○単位、最終的には全体で○○単位を取得して卒業となります。

○入学時の認定単位について
放送大学は社会人学生が多いという事から何らかの学校を卒業されている方が多いようです。
(ちなみに入学試験はありません)
なので専門学校卒業や短大卒、4大卒等の学歴に応じて入学時に単位が認定されます。
これは人により様々なようなので詳しくは大学に問い合わせるのが良いでしょう。
私は2年制専門学校を卒業していたので3年次に編入という扱いで入学しました。
入学時の単位は入学時認定単位の上限である64単位が認定されました。
twitter等を見てると同様の条件でも認定単位数には違いがあるようなので注意してください。

○授業内容について
肝心の授業内容についてですが、
一般的な大学のレベルは十分に満たしているのではないかと思います。
中には非常に簡単に理解できる科目もありますが、
逆に「これ無理じゃねww」と思う難しい授業もあります。
ただしっかりと学習すれば十分に理解できるレベルだと思いますので、
難しすぎず、簡単すぎずというレベルなのかと思います。
通信教育という性質上、どちらかというとモチベーションの管理が重要ですね。

○試験について
これもピンキリなので一概に言えないのですが・・基本的に試験は甘めに採点される感触です。
マークシート方式の選択問題には甘いとか辛いとかの基準は少ないかと思いますが、
テキスト内の問題とテキストに同梱される中間テスト(要提出)をしっかりやっておけば殆どは合格できるかと思います。
記述式の試験も存在しますが、あまりに的外れな事を書かなければ合格はできるかと思います。
ちなみに中間テストは「出せば合格」するような気がします。
(ある教科で10問中2問しか正解しなかったのですが、なぜか合格し単位認定試験を受けれました。。)

○受講について
全国ではBSデジタル、関東圏では一部地上波による放送もしているようです。
しかし、私は基本的に全てネットで受講していました。
放送大学の学生ホームページ内にネット受講のページがあり大半の授業が配信されています。
ストリーミングなので毎回接続しパソコンで視聴しなければならないのですが、
色々な裏技を使ってiPhoneにダウンロードし通勤中や運動中に視聴したりしていました。

○学生生活について
私は東京都の文京学習センターに入学しました。
入学当初にオリエンテーションがあるのですが私はいきませんでした。
結局校舎に行ったのは単位認定試験の時だけでした。
最初の一年は戸田公園近くの小学校を仮校舎としていたのですが、
現在は茗荷谷にある筑波大学の敷地に同居する形で非常に立派な校舎になっています。
あまり設備を利用していないのですが放送授業の視聴や教材等充実しているように感じました。
(個人的には小学校も気に入っていましたが・・・まぁ奇麗な方が良いでしょう)

○【番外編】学割のメリット
さて、冒頭のtwitterの話ではありませんが放送大学は正式な大学です。
そこに在籍する人は全て正式な大学生であり学生証も発行されます。
という事は学割が使えるわけですね。
私が実際に利用したところで言うと、交通費、映画、携帯電話、PC(ソフト)購入などなど
色々なところで使えます。
あくまでこれは余談なのでこの程度にしておきますが、
一つのメリットである事は間違いありません。
(ちなみに通勤定期を学割では購入できないと思います)



ここまでで放送大学に関する一般的なトピックスを書きました。
ここからは個人的な部分について書いて行きたいと思います。

私は2010年の1学期(4月開始)に入学しました、2学期(9月開始)からの入学も可能なようです。
入学時に64単位認定されていたので、卒業までには同じ数の64単位が必要でした。
私は3年次に入学したので普通の大学生よろしく残り2年で卒業したいと考えます。
そうなるとざっくり4で割って1学期(半年)で16単位が必要となるわけですね。
(ちなみに在学上限は10年だそうです)

この16単位が多いか少ないかは人によるところではありますが、
社会人やりながらの16単位はそこそこ真面目に頑張らないと苦しいと思います。
選択する教科にも左右されるのですが、私は数学系教科で結構苦しみました。。。

参考までに取得した教科を記載しておきます。
・2010年1学期
現代経済学(’09)
ビジネス・ファイナンス(’08)
マーケティング論(’08)
国際経営(’09)
数理ファイナンス(’08)

・2010年2学期
微分と積分(’10)
入門線型代数(’09)
中国語入門機福韮隠亜
幸福の社会理論(’08)
管理会計(’10)
企業戦略と企業文化(’08)
アグリビジネスの新たな展開(’10)
代数の考え方(’10)
社会と銀行(’10)

・2011年1学期
人類の歴史・地球の現在(’07)
身近な統計(’07)
中国語入門供福韮隠亜
心理統計法(’11)
財政学(’10)
デザイン工学(’08)
中国社会の歴史的展開(’07)
企業の組織・取引と法(’07)
統計学(’09)
・2011年2学期
問題発見と解決の技法(’08)
初歩からの数学(’08)
労働経済(’08)
現代の国際政治(’08)
現代東アジアの政治と社会(’10)
数学基礎論(’08)
西洋政治理論の伝統(’09)
空間とベクトル(’09)
微分方程式への誘い(’11)

こすしてみるとかなり突っ込みどころ満載の取り方をしています。。。
放送大学にはエキスパート認定制度というモノがあり(資格ではない)、
社会数学士(だったかな?)という認定を取ろうと思った為にこのようにいびつなカリキュラムになりました。
 普通に社会と産業コースを卒業するだけでしたら、もっと楽な取り方があると思います。
簡単にお勧め科目や苦労した科目等を挙げたいと思います。

・ビジネス・ファイナンス(’08)
これは面白かったです。
社会人になって暫く経つと会計に興味を持ち始めていたという事もあり、
会社の数字の色々が実際の経験と照らし合わせて理解できるようになりました。
こう言うと少し感じが悪いのかもしれませんが、
会社の上層部でも会計を理解していない人は結構存在します。
事業の調子が良ければ会計なんて分からなくても黒字を出せますが、
殆どのビジネスはそんな簡単ではなくシビアにコストと売り上げを見る必要があります。
その為の手法をざっくりと得るには良い教科でした、
実際に社会人で会社の経理情報を見れるのであればより理解しやすいと思います。

・数理ファイナンス
シラバスを読んで面白そうだと思い選択したのですが・・・完全に失敗でしたw
少なくとも最後の学期にとりたかったですね、何故合格できたのか謎です。
分散理論等を使って株価の適正価格を求めよう!という趣旨の教科なのですが、
数学の基本が吹っ飛んでいる自分にはとてつもなく難解でした。
理解の為に数学2/Bや3/Cの問題集を解いたりしましたが全く間に合わなかったです。
方程式の細かい理解を除くと非常に面白い教科です。
またテキストの記述が後半に行くにつれて妙なテンションになっていきますw
全般的に放送大学の数学系科目のテキストはちょっと・・・
何と言うか・・・変わってる感じですねw

・代数の考え方
これも非常に難解でした。何故合格できたのか謎パート2です。 
いわゆる郡論に関する教科です、以前にガロアの本等をチラ読みして事もあり、
概念の理解については多少マシだったのですが後半の細かい式はさっぱりでした。
 
・社会と銀行
これもビジネスファイナンスと同じで社会人にとっては体験に基づいて分かりやすいです。
ビジネスに銀行(また付随する金融の考え方)はつきものです。
信用創造や資金提供に関する基礎知識を得ておいて損する事は無いでしょう。

・統計学、心理統計法、身近な統計
この辺をやるとエクセルマスターになれますw
統計学の重要性については様々なところで議論されていますね。
実際に社会生活において統計データに全く触れないという人は殆どいないと思います。
朝テレビをつけてワイドショーを見ると「町中の100人に聞きました!」という統計分析をやっているし、
昼間コンビニで買う弁当はPOSシステムによる統計データから推薦されたものだし、
寝る前ににプレイするソーシャルゲームのガチャガチャも確率と統計の固まりです。
この辺は深くやって行くと深すぎてそこが見えないのですが、
さらっと勉強してだけでも色々なところで役に立つ事でしょう。
しかも抽象的でややこしい方程式とか出てこない分、私にとっては理解しやすい内容でした。

・現代の国際政治
この教科書は本屋で平積みされている外交、政治本を読むより面白いです。
現在のアメリカ一強の理由、中東危機のからくり、冷戦構造の分析など
細かく記載されており、かつ偏りが少なく論じられている良書だと思います。
(若干アンチアメリカなのかなーと思う節があったりもしますが)
この辺の本を読んで物足りないと感じる人はこの教科書を読んでみるのもアリです。
大きめの書店やamazon等のネット通販(ヤフオクも)で売っています。
 
こうして書いて行くと全教科について書きたくなりますが、
疲れたのでそろそろやめておきます。。

放送大学でこれらの勉強をしてきたわけですが、
総合的に考えてやって良かったと思っています。
「勉強する」という目的だけなら自分で本を買って来てじっくりと読み進め、
検証したり論証したり、時には反証を試みれば事足ります。
ですが実際には普段から自分をそこまで追い込むのは結構大変です。
そういった意味で試験やある程度のマイルストーンが置いてある放送大学の授業は、
サボらないで勉強するのに最適だと思います。(難易度もそこそこですし)

さて、私が放送大学に入学した理由について簡単に書いておきます。
それは単純で、元々はコンプレックスからでした。
私は大学を卒業していない事に結構強いコンプレックスを持っていたんですね。
この話を近しい人にすると大体「いやいや、学歴は関係ないって」と気を使ってもらえます。
確かに仕事をするのに学歴は(あまり)関係が無いという事は理解しています。
ですがコンプレックスというのは合理的に割り切れるものではないですよね。
実際に大学に入学して勉強をして卒業を目前にする状況ですが、
このコンプレックスは完全に消せはしないという事を理解しました。
「所詮は通信大学」とか「実際の大学生活を知らない」など、足りないと思う部分はいくらでも出てきます。
立場は完全に逆なのですがこの感情はきっと矢吹樹氏と殆ど同様なのではないかと思います。
学問も含め理想の自分を夢見るコンプレックスは絶対に埋める事はできないのだと分かりました。
重要なのはコンプレックスをネガティブな事として過去に囚われるのではなく、
足りない自分を補うポジティブな未来への志向として扱う事が大事だと思います。
放送大学で学ぶ事によって、単純な知識だけでなくそういう事にも気づかされました。
これこそが私が放送大学で学ぶ事によって得た重要な事だったのかと思います。

you can't connect the dots looking forward; you can only connect them looking backwards. So you have to trust that the dots will somehow connect in your future. You have to trust in something — your gut, destiny, life, karma, whatever. This approach has never let me down, and it has made all the difference in my life. 

Steve Jobs,CEO of Apple Computer
http://news.stanford.edu/news/2005/june15/jobs-061505.html