本日、医師国家試験の合格発表がありました。

合格したあなた、おめでとうございます!
残念ながら、、、の方もいらっしゃるかもしれません。どん底の気分かもしれません。
どん底の気分ってのは、嫌なものですよね。でも、明けない夜はありません。のんびり夜明けを待つとしますか。


改めて、医師国家試験に合格したあなたへ。

医師国家試験に合格したあなたは、2週間後には医師として働きはじめることになります。

そんなあなたに、少しだけ先輩の僕からメッセージです。
偉そうにすいません。
マッチングの結果発表を終えた医学生へ、とほとんど一緒、再掲ですが(^_^;))


<あなた自身の選択>
高校生・浪人生・他の学生/社会人であったあなたは、医学部医学科入学を目指し、合格しました。
6年間医学の勉強をし、就職先である病院があなたを選び、あなたもまたその病院を選びました(マッチング)。
あなたが選んだのです。
自分で医師になることを、働く場所を、あなたが選んだのです。
ですから、せめて半年は文句を言わず頑張ってみてください。
半年たったあたりから、もし不満があれば周囲に愚痴るのではなく、自分で改善に向けて動いてみてください。
「研修医の自分が何か言ったところで、動いたところで何も変わらない」と思わないでください。
あなたの言動は、必ず何かにつながります。


<若手が元気な病院は、病院が元気になる>
研修医・若手が元気に頑張る病院は、病院自体が元気になるとよく言われます。
まったくその通りだと思います。
病院が元気になれば、その地域の患者さんが元気になります。
あなたが患者さんを診るとき、その患者さんの日常生活を想像しながら、頑張ってみてください。
自分の事で精一杯でしょうが、なんで自分ばかりと思うこともあるでしょうが、つまらないプライドはドブに捨てて、患者さんのために頑張ってみてください。


<頑張りすぎない>
一方で、頑張りすぎないでください。
逆説的ですが、これも大切な事です。
医師という仕事は、想像以上に大変です。
医師の前に、まず社会人になること。これ、結構大変です。
当たり前ですが、朝寝坊なんて許されません。でも、最初は大変なものです。
いきなり社会人になった上に、医師になるわけです。
研修医であっても、医師免許がある以上、大きな責任があります。
患者さんの命、健康を預かるという責任です。
さらに研修医であっても、チームのリーダーとしての立場が求められます。

慣れない仕事の中、睡眠時間の短い中、つらい出来事が重なると、心が折れそうになります。
そんな時はこの言葉を思い出してください。
「初期研修医時代は、2年間生き延びれば十分」
研修医期間の伸び率は人によってばらつきがあります。
同期と比べてなんで自分だけダメなんだろうと思うこともあるかもしれません。
(少なくとも僕はそうでした。でも、どの同期も同じように思っていたようで、救ってくれたのもまた同期でした)
たとえ自分でダメだと思っても(実際はダメではないのですが)、後からどうにでも挽回できますし、必ず新たな未来が開けます。
(生き延びる、は研修医をなんとか終える、という意味もありますが、読んで字のごとく、命をつなぐ、という意味が込められていることを付け加えておきます。「ちょっともう無理」と思う前に、十分な睡眠と食事をとり、生きることだけを考えてください。ただ生きることだけを。もしも僕を知る人であれば、メールをしていただいても構いません。気の利いた返事はできませんが、誰かに向けて文章を書くという作業をするだけで随分と楽になるものです)


以降、少し具体的なアドバイスを。

<研修医は足で稼ぐ>
「研修医は足で稼ぐ」
これ、大切です。
フットワークの軽さは、結局患者さんを救います。
6年間学んだ知識を現場で使いたいでしょうが、その前に足を動かしましょう。
「自分、やります」「薬、とってきます」
どんどん動いて、役に立ってください。
そうすれば、必ず信頼をえることができます。
(注:目の前で患者さんが急変しており、あなたしか医者がいないのに「薬とってきます」と立ち去るのは、NGですよ)


<病棟からのコール>
真夜中、病棟から電話がかかってくることも少なくないでしょう。
(僕が研修していた病院は、病院の中に寮があり、各部屋に病棟から直通の内線がついていました。。。ということは。。。)
なんだよこんな時間に。明日でいいじゃん。
そう思うことも、少なくないでしょう。
それでも、足で稼ぐあなたの電話での返答は決まっているのでしょうね。
「はい、すぐ行きます」
うん。かっこいい。
病棟から呼ばれるということは、あなた(とあなたのチーム)に何らかの落ち度があったか(分かりにくい指示を出していた、など)、患者さんの状態が良くなくスタッフが心配しているかのどちらかです。
たまに病棟スタッフの勘違い、ということもありますが、ほとんどの病棟スタッフは「こんな夜中に申し訳ない」と思っているものです。
それでも電話がかかってくるということは何かしらあるのです。
まずは病棟にいって、自分の目で患者さんを見ましょう。


<プレゼンは結論から>
研修医になると、いろんなプレゼンの機会があります。カンファレンスのフルプレゼン、情報共有の朝の5分プレゼン、上級医・他科コンサルトの1分プレゼン。
プレゼン能力と臨床能力は比例すると言われます。
どんどんプレゼンの練習をしてください。
(自分の印象に残った症例を同期にプレゼンするのが、シェアという意味でもプレゼンの練習でも効果的です)
さて、コンサルト時の1分プレゼンには、コツがあります。
それは、結論から話すこと。
「54歳の男性が胸痛のため来院されました。30年間の喫煙歴があります。2週間前から時々胸痛があったようです。最初の発作から2日後に同様の発作があり・・・・」
これでは何を相談したいのかわかりません。しかし、多くの研修医は時系列に沿って、ある意味言い訳がましく(?)プレゼンする傾向にあります。
「54歳の男性が胸痛のため来院されました。心筋梗塞を疑っているのですが、一緒に見ていただけないでしょうか」
これで十分です。まずは結論から伝えるよう努めましょう。


<指導医>
研修医の頃は分からないと思いますが、たいていの指導医は忙しいものです。色々と。
指導医も研修医が忙しいことを知っています。だから、あなたも指導医は忙しいということを知っておきましょう。
しかしだからと言って、不安があるのに、わからないことがあるのに、「忙しいだろうから」と気を遣い、自分で処理するのは絶対にダメです。
怒られてなんぼの研修医。板挟みになるのが研修医。
研修医でも指導医でも変わらず持っている武器、「患者さんへの誠意」を大切に、頑張りましょう!

あと、診療方針でもめた場合、指導医の意見に従う方が無難です。別に泣き寝入りしろ、長いものに巻かれろと言っているわけではありません。
経験という意味でも指導医に一日の長がありますし、やはり責任をとるのも指導医ですので。
ただ、十分なディスカッションを行うことは大切です。「この患者さんのことは自分が一番よく知っている」というくらいベッドサイドにあなたは居るのでしょうから、そこから掴み取った情報を十分提供し、誠意を持ってディスカッションしてください。


<できる研修医の要件>
指導医から見た、できる研修医の要件って知ってます?
「できる範囲の事はきちんと行い、不安がある時は必ず連絡・相談し、急変時には反射的に連絡できる研修医」です。
よく勘違いされやすいのですが、「医学的知識が豊富な研修医」が「できる研修医」では「ない」のです。
「これくらいできないと、自分はダメな研修医と指導医に思われる」「自分は学生時代の成績もよかったし、このくらいは許される」と考えている研修医はとっても危険で、実はハラハラして指導医は見ているのです。
ホウレンソウ(報告・連絡・相談)は基本中の基本です。
まずは、ホウレンソウを確実に行ってください。そしてできれば1年目の後半くらいから、自分の勉強の成果や自分で考えたプロセスをホウレンソウの中に混ぜれるよう頑張ってみてください。


<学生と医師の最後のチャンス>
働きはじめる前に、今の思いを紙に書いてみることをお勧めします。
半分医学生で半分医師の今、あなたの医療に対する思いを書いておくのです。
そして医師になって疲れた時があれば、その紙を開いてみてください。
かつての僕もその紙に救われました。


<一笑懸命>
これは僕の座右の銘です。
自分の、自分以外の誰かの“笑”のために、懸命に頑張る人生を送りたいと思っています。
どうかあなたも、あなたの、あなたの患者さんの“心の笑”のために、懸命に頑張りつつ、医師としても人としても人生を楽しんでください。
頑張ることもしんどいことも含めて「人生は楽しむためにある」んですよ☆



あなたの意思で、あなたの足で歩いていくあなたを、「心やさしく頼れる医師」になるあなたを、心から応援しています。


医師国家試験、本当にお疲れ様でした。
そして合格したあなた、本当におめでとうございます!!!

残り2週間、満喫してください♪