横浜詩人会 神奈川新聞掲載の詩 「手紙の詩」「港の詩」

横浜詩人会会員による、神奈川新聞掲載の「港の詩」「手紙の詩」です。

港の詩2 / 「出航」 禿慶子

港の詩2
出航
禿慶子

 

錆びた貨物船が眠る岸壁の陰から
透明な船が滑り出す
銀色に光る海は静かなのに
ブイに噛み付く波の音ばかり聞こえる
港は旅の終り
そして旅のはじまりだ
船倉に散らばる言葉などを片付けて
知っているようで誰も知らない
次の寄航地へ向かう
水平線に輪郭だけを印して

 

(神奈川新聞掲載2009.6.14

港の詩1 / 「波」 篠原あや

港の詩1

篠原あや

 

港に近い私の家から子供の足で三十分
心が草臥れると
「サンバシへ行って来る」

言い置いて私はハトバへ
岸壁にぶつかっては返す波が私の心を洗って

 くれるようだった
いま
サンバシは遠くなったが
心の中に
昔のまま 活きている

 

 

(神奈川新聞掲載2009.6.7

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