横浜詩人会 神奈川新聞掲載の詩 「手紙の詩」「港の詩」

横浜詩人会会員による、神奈川新聞掲載の「港の詩」「手紙の詩」です。

2009年09月

港の詩16 / 「南米の港町」 南川隆雄

港の詩16
南米の港町
南川隆雄

 

なんの縁もない南米の港町バルパライソ
その名が短い間に三度も目に飛び込んできた
ゲバラの青春映画で半世紀前の
テレビ番組世界街歩きで現代の
そして今読んでいるビーグル号航海記で
二世紀前の 姿を見せてくれた
バルパライソとは楽園の谷
なにか見えない因縁でもあればちょっと幸せ
世界のどこかで だれかが
こちら側の港町も望み見ていることだろう

 

(神奈川新聞掲載2009.9.27


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港の詩15 / 「白い外国船」 椿原頌子

港の詩15
白い外国船
椿原頌子

 

いま 横浜の港に
白い 大きな外国船が着岸した
少女は金髪をなびかせて
桟橋を かけおりてくる
ダンス ダンス ダンス
 あなたのお国は どこですか
世界は やさしい海に 抱かれていて
帽子をかぶったかもめが一羽 マストの上に
 あなたのお国は 平和ですか
 わたしの国も 平和です

 

(神奈川新聞掲載2009.9.20

港の詩14 / 「ひとりでスケッチ」 光冨いくや

港の詩14
ひとりでスケッチ
光冨いくや

 

鉛筆で、ノートのページに横線を引く。
上に白い入道雲を描く。
太陽は紙の外側にある。
雲と横線の間にもう一本、水平線。
横線と横線の間にあるのは、青い海で、
白く波打つのは風があったから。
僕と白ワンピースの、小さな背中を描くと、
下の線は去年、腰掛けていた、港の岸。
青い空にゆらいでいた白いカモメも描く。
目をとじると、潮の香りと、降りだした雨。


(神奈川新聞掲載2009.9.13

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