横浜詩人会 神奈川新聞掲載の詩 「手紙の詩」「港の詩」

横浜詩人会会員による、神奈川新聞掲載の「港の詩」「手紙の詩」です。

2009年10月

港の詩20 / 「きらめく海」 堀井勉

港の詩20
きらめく海
堀井 勉

 

ヨットハーバーの突堤に腰を下ろし
港を行き交うヨットを描く
ヨットと言えば
クレーの絵が眼に浮かぶが
明るく軽やかな
デュフィの絵が好きだ
三角の帆は流れる風で形を変える
素早く鉛筆を走らせ
色をつける
 飴色の海に詩人となるヨット

 

(神奈川新聞掲載2009.10.25

 

港の詩19 / 「港にて」 中島悦子

港の詩19
港にて
中島悦子

 

錨をおろすと
過去も未来も混ざり合い光となって
波間にまたたきはじめる
明日、旅立つと決めた
あるいは、明日まで待つと決めた
それぞれの思いのなかで
ここにいる
ここに帰ると
何度も繰り返す
その心の重さを深く確かめながら

 

 (神奈川新聞掲載2009.10.18 

 

港の詩18 / 「もやい石」 奥津さちよ

港の詩18
もやい石
奥津さちよ

 

そこに置かれて数百年
船をつなぐためにうがたれた丸い穴は
石の耳
石は聴いていた
乗り降りするひとのたくさんのあしおとを
強いのや 消えそうな戻らないあしおとを
聴いたものを脚色せず
丸ごとそのまま 心の芯にためていた
ものみな寝静まる漆黒の夜
石はそうっと 自分を洗っている


(神奈川新聞掲載2009.10.11

港の詩17 / 「潮先」 日野零

港の詩17
潮先
日野零

 

足場を確かめる
カーボンロッドがしなり
ジェットテンビンが水しぶきを上げる
ゆっくりと日々の底をさぐる
さややとイトがふるえる
風がふれたのだろうか
引き寄せる時間
陽に焼けた希望
ディーゼルエンジンの鼓動がひびき
沖に出てゆく船がある

 

(神奈川新聞掲載2009.10.4

プロフィール

yokohamasijinkai

タグクラウド
QRコード
QRコード
  • ライブドアブログ