手紙の詩77

「返信
田中裕子

 
 

おしまいに さようならと
書かなくなったのはいつからだろう

手紙の底をぽんとたたくと
あなたの匂いがすると
あなたは知らないでしょう


決心のような切なさを押しやっては
実生のように結ぶ言葉を
探していた 待っていた



(神奈川新聞掲載2015.6.14