よるくまクリスマスのまえのよる


作:酒井駒子 / 白泉社 / 2000年


よるくま クリスマスのまえのよる の内容紹介

以前『よるくま』を拙ブログでご紹介しました。
『よるくま』は、読む人によってお話の解釈が違いますが、
私の記事では、「よるくまは主人公の男の子の心を反映
しているのではないか。」と書かせていただきました。

この作品を読んで、よるくまは“男の子の願いの化身”
ではないかと感じるようになりました。


タイトルどおり、クリスマスの前の夜です。
男の子は、ベッドの上で眠れずにいました。
いろいろ考えていたら、誰かがドアをノックしました。

やってきたのは、「よるくま」。
「よるくまは ぼくの ともだち よるみたいに くろくって
 むねには おつきさまが ひかってる
 とってもかわいい ぼくの ともだち。」

よるくまはかわいくていいこだから、サンタさんがきっと
くる―と羨ましがる男の子。
でも、よるくまはサンタさんを知りませんでした。

部屋にあるツリーの飾りで、サンタさんの説明をする
男の子です。
そして、思わず「よるくま」に自分の不安な気持ちを
打ち明けるのです。

「ぼく・・・ぼくには サンタさん くるかなぁ。
 こないのかもしれないね、だって ぼく わるいこだから。
 きょう ママに いっぱい しかられたから」

そんな気持ちの男の子にそっと後ろから包み込むように
ふんわり抱きつく「よるくま」。

「おや よるくまは やさしいね。そうだ ぼく よるくまに
 サンタさん してあげようか。
 なにか いいもの あげようか なにが いい?」

この辺りのやりとりと二人の表情は、我が家の長男と次男
を見ているようです。
次男の前ではとっても背伸びをする長男と、まだ上手く
言葉が喋ることができない次男の姿がダブります。

ツリーの飾りを男の子にもらったよるくまは、同じく
ツリーに飾ってあるひこうきに乗って、おうちに帰ると
いいます。

「いいよお はいはい どうぞ―――」

この行が最高に好きです。

おもむろに灯りが消えて、男の子は真っ暗な中でよるくまを
探します。
慌てて焦る男の子のセリフを読んで次のページをめくると―

よるくまと男の子は、その飛行機に乗って空を飛んでいる
場面が見開きで魅せてくれるんです。
真っ暗な夜を飛ぶ黄色い飛行機と黄色い月。
下の家々のポツポツと黄色い灯り。

次の見開きページもとっても素敵です。
男の子がよるくまの運転を誉めながらも、みんなが眠って
いるから静かに飛ぼうね―と話す場面。
ツリーの中に、すやすやと眠っている「みんな」が
描かれているんです。

よるくまはお母さんを見つけて、飛行機を降りていきます。
そして、よるくまが思いっきりお母さんに抱きしめられて
いるのを見て、言うのです。

「ふふ、いいな。よるくまは いいな
 まだ ちいさいから いっぱい だっこして もらえて
 いいなあ―――――」

すると、急に回想シーンが。
男の子が今よりもずっと小さい頃。
お母さんに抱っこされて、プレゼントをもらっています。
プレゼントの中には「よるくま」が。

「あっ よるくまだ!よるくまが はいってた。
 ねぇ みて ママ みて」
という男の子に、ママが応えます。

「まぁ ほんとうだ よかったねぇ。
 うれしい うれしい うれしいねぇ」

ここから、ずっと『 』でくくられた、ママのセリフに
なります。
ママのセリフも、お話の最後も、そしてそしてこの作品の
すばらしい絵も、ぜひ直接見てくださいね☆


いろいろな想い、いろいろな場面、時間が複雑に交差する
中、読後にはっきり見えてくるものがあります。

我が家の長男の姿と男の子の姿が重なりながら読むので、
余計に複雑な想いが去就します。
こんな風に素直で、まっすぐ、優しい子どもに育ってね!
と願わずにはいられません。

よい子にだけくるサンタさん。
でも、よい子って?
みんなよい子なんだよーーーって、言ってあげたい♪
サンタさんが来なくたって、サンタさんが何人いたって
ね☆


よるくま クリスマスのまえのよる 
             の読み聞かせ方のヒント


夜のお話、よるくま。
黒色がとっても効果的に使われていますが、暗いお話に
ならないストーリー運びと展開が見事です。

よるくまに優しくしてあげる男の子ですが、よるくまが
離れる度に不安に襲われます。
不安な時のセリフとママのセリフに気持ちをこめると、
聞き手の心に沁みていきやすいと思います。

よるくまは相談相手でもあり、頼れる相手でもあり、
可愛がる対象でもあり、自分がいい子だと確認するために
必要な存在でもあるところ、複雑ですが、よるくまには
一切セリフがなく、男の子の気持ちを通しての存在なので、
読み聞かせは難しくないと思います。


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