外郎売 (声にだすことばえほん)

編:齋藤孝 絵:長野ヒデ子 / ほるぷ出版 / 2009年


外郎売 の内容紹介

ご存知のとおり、私は大の音読好き。
小学生の文集には、将来アナウンサーになりたいと書かれてあるほど、
小さい頃から音読が好きでした。

保育士をしていた頃もそうでしたが、例えば手遊びなどを自分バージョン
にアレンジしたりしてするのが好きでしたので、絵本もアレンジの余地があり、
自分なりの読みができる本が好きです。

そんなわけで、特集最終日です!

今日ご紹介する【声にだすことばえほんシリーズ】には、早口言葉を集めた
がありますが、この絵本は長谷川義史さんの絵で楽しませてはもらえるものの、
既に今特集でご紹介してきた作品中に出てきた早口ことばとダブるものが
多かったため、敢えて別の作品にした次第。

今日のご紹介絵本は薬売りの口上の絵本ですが、口上の中に早口言葉が
たくさん出てきてまたその早口言葉のいちいち難しいことといったらありません!

口をやわらか〜くして、お楽しみください。


「外郎」は、ういろうと読むのでですが、名古屋名物のあのういろうとどう違うの?
と思い調べたところ、名古屋名物の和菓子=ういろうは外郎から命名されたと
いうことがわかりました。

中国が元の時代(約600年前)に、薬を調達する任にあった人が日本に帰化し、
咳や痰に効く薬を「外郎」として伝えたそうです。

この絵本では外郎は丸薬となっていますが、その頃伝わった和菓子で見た目
(色と形)がこの外郎と似ていたので、今の甘いういろうはその名になったとか。

口上なので、子どもの耳にはとても日本語とは思えない聞きなれない言葉の
オン・パレードなのですが、寿限無寿限無と同じで、唱えていると癖になりそう
なんですね(笑)

冒頭を少し書き出してみますと−
「 拙者親方と申すは、
 お立合いの中に
 ご存知のお方もござりましょうが、
 お江戸を発って二十里上方、
 相州小田原、
 一色町をお過ぎなされて、
 青物町を登りへお出なさるれば、
 欄干橋虎屋藤右衛門、
 只今は剃髪いたして、
 円斎と名のりまする。」

・・と、こんな具合^^

これはほんの触りの部分で、全体はとても長い口上です。

咳・痰に効く薬ということですが、飲むと
「舌のまわることが
銭ごまがはだしで逃げる。
 ひょっと舌が廻り出すと、
 矢も盾もたまらぬじゃ。」
ということになるらしいのです。

薬売りは効能を伝えるため、自分で飲んでみて如何に舌が廻るかという
ことを、難しい早口言葉をこれでもか!と繰り出すことで、示してみせる訳です。


アナウンサーの滑舌の練習にも使われるこの物売り口上、我こそは!という
挑戦者をお待ちしておりますm(_ _)m


外郎売 の読み聞かせ方のヒント

聞きなれない単語がたくさん出てくるので、巻末に「外郎売 ことばの説明」が
あります。
24の言葉の意味が詳しく書かれてありますが、口上全体の現代訳みたいな
ものはないので、想像力と知識を駆使してお楽しみいただければ、と思います。

巻末には編者=齋藤孝さんの「外郎売は早口言葉のお徳用詰め合わせセット」
という解説もついています。
齋藤さん曰く、
「思わず言いたくなってしまう音の面白さやテンポのよさがあるから、長い間,
 口にされつづけてきたのだと思う。」
そして、外郎を売らなければならない一心で必死に繰り出す早口言葉だからこそ、
この口上は面白いのだとも。

そして、忘れてはならないのが、この「外郎売」は、歌舞伎の芸であるということ。
市川團十郎の十八番の1つになっている演目だそうです。
いつか舞台で拝見したい!と願わずにはいられません。

この絵本は、本来はもっと長い口上を抜粋して構成しているそうです。
口上の全文も、巻末に掲載されているので、腕に覚えのある方は、そちらにトライ
されてみるのもいいかと^^
意味はわからなくとも、覚えるだけでも大変そうで、それを淀みなく喋っている
ところを見てみたいな〜と思ってしまいます。

長野ヒデ子さんの絵には、薬売りのほかに観客もきちんと描かれていて、その
客たちの反応も面白いです。

声に出して読む。そして、テンポよく楽しんで読む。

歌舞伎に興味のある方、口上が好きな方、ぜひぜひお読みくださいね!






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2月の特集が終わりました。
更新時間の遅れが度々で、朝お仕事前に読んでくださっている方には
申し訳なく思います。
次の特集も、どうぞ見放さずに遊びにおいでくださいね。
応援も、よろしくお願いいたします。

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