作：安房直子 絵：降矢なな / 小学館 / 2011年
《ひめねずみとガラスのストーブ の内容紹介》
年末が段々と近づいてきましたね＾＾
師走というくらい忙しい時期ですけれども、風邪を引きやすい時期でもあり、
忙しくてもたくさん食べて、たくさん眠りたい・・そして、温かく過ごしたい。
そんな時期にぴったりな絵本をご紹介したいと思います。
作者の安房直子さんは既に他界されていますが、絵を描かれた降矢ななさんは
海外にて活躍されている絵本作家さんのお一人で、今まさにノリに乗っている、
出る作品ごとにその絵の見事さにうっとりさせていただいている方。
寒い日に読むのにお薦めです。
表紙画でどーんと中央で輝いているストーブ。
もうこれだけでうっとり。
そのストーブの前にいる小さいのが、「ひめねずみ」です。
「風の子」はみな、厚いマフラーとアンゴラの手袋と皮のブーツを身につけていました。
こんなに重装備なのに・・そして、「風の子」だというのに、「『やっぱりさむいと思う日』」
があるのだそうです。
こう、前置きが書かれてあり、本文が始まります。
とても寒い日、「風の子フー」はあまりの寒さに震え上がっていました。
あんまり寒いので、いつかどこかの家の窓から見た「オレンジ色の炎」を思い出し、
その温かさに憧れます。
そして翌日、その願望をかなえるべく、「くまストーブ店」へ出かけ、風の子なのに
ストーブを使うのか？というくまの店主の言葉を気にしながらも、理想的でとても
素敵なストーブを手に入れます。
そのストーブは、ガラスでできていて、炎が外から透けて見えるのでした。
ストーブを一目で気に入った「フー」は、ストーブと一緒に石油を一缶買って誰にも
見られる心配のない森の中で、こっそりとストーブに当たりたいと思いました。
森の中で火を灯すと、思ったとおりの「みかん色の光」がフーをうっとりとさせました。
温かさについうとうとしたフーは、誰かのくしゃみで目を覚ましました。
くしゃみの主は、「ひめねずみ」でした。
ひめねずみが一緒にストーブにあたったことで、フーはストーブは温まるだけでなく、
お茶を楽しんだり、料理を作ったりできることを知りました。
たった一人で生きてきた者同士が、初めて味わう友だちのぬくもり。
フーとひめねずみは一緒に暮らすことになりました。
しかし、楽しい生活は、ひとりの闖入者によって突然、破られることになるのでした。
切ない中にも、温かさが広がるおはなしです。
決して淋しいだけ、悲しいだけではありません。
風の子から風へと成長するフーに対し、ただの哺乳類であるひめねずみの寿命は
あまりにも短い。
ですがそこもまた、作品に深みを与えるところなのです。
寒い日だからこそ、仲間や家族と楽しみたいお話です。
《ひめねずみとガラスのストーブ の読み聞かせ方のヒント》
この本は、1969年発行の『目白児童文学７』所収の作品を下敷きに作られて
いるそうです。
安房直子さんはもう30年ほど以前に亡くなっていますので、安房さんと降矢さん
は協同でこの作品を作ることはできませんでした。
でも、絵を見ているとまるで、お二人が話し合って作られたのではないかと思える
ほど、画面には本当に安房作品らしい世界が広がっています。
文章は多めです。
なので、★★★★★に分類しようか迷ったのですが、切ない部分も含め、★★★★
の年齢の子でも読んでもらって楽しめるおはなしだと判断しました。
切ないお話が苦手な子、感受性の強い子、長いおはなしより短いおはなしの方が
好きな子には、タイミングをみて読んであげてほしいと思います。
安房直子作品のファンの方はぜひぜひ、お読みくださいね。
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寒くなってきました！
我が家はやっと先日、ホットカーペットを敷き今年初めてのエアコンを入れました。
でも、まだコタツ布団と温風ヒーターはお預け＾＾
子どもたちにも自分にも一枚余分に着ることをまず課しています。
皆さんのお宅でも、暖房器具が活躍していることでしょう。
元気でこの冬を越えられますように♪
いつも応援、ありがとうございます！！
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