これほどリーダーの質が問われる時代はないだろう。何が起こるか分からない。昨日、笑顔で会食して今後も親交を深めた両社(者)が、明日には寝返り、ライバル企業の傘下になることも十分ありうる。M&Aは1日約10件起こり、日に日に内容が高度になっている。企業は対策室、専門家、法律家といった多方面のスペシャリストを招き、防衛策から対抗策まで練る。これだけで多額の資金と体力を使う。これからどんな時代が到来するのか?この2例を考える。
 
 みずほフィナンシャルグループ系に準大手証券であるみずほ証券と新光証券が、08年をメドに合併することを発表。預かり資産で業界4位に浮上し、大手3証券に急迫する。

 「質・規模とも国内トップシェアを目指す」と現みずほ証券の副社長である横尾敬介が「野村超え」を宣言。

 そこで両社の強みを簡単に分析

 みずほ証券…普通社債の引き受けなどの法人業務に強い。
 新光証券…富裕層向けなど個人営業に力を入れ、積極的な提携で販売網を拡大。
 
 法人と個人という証券業務の2つの営業基盤の強化。

 これによって三菱UFJ証券は約8兆円の差をつけられ5位に後退。日興に4.9%出資するみずほFGは、日興とのさらなる連携強化に乗り出す。

 
 なぜ今なのか?
 ・グローバルな業務にリテールの基盤は欠かせない。
 ・M&Aで守りに入るのではなく、積極的に仲間意識を持ち連帯感を深める。
 ・とにかく50%以上出資することによって、敵対的TOBを避けられる。
 ・三角合併→同じテーブルで外資、投資ファンドが買収案件に参加できる。
 ・M&Aが身近ではない市場での相次ぐ買収
 ・証券業務を証券会社以外でも販売できる。

 また明星食品も米投資ファンドであるスティールパートナーズに敵対的TOBを仕掛けられて焦った。なぜ予見できなかったの?スティールは強引な攻めと攻撃的な提案で次々に案件を成立してきた企業だ。明星はなぜ防衛しなかったか。たかがサラリーマン社長にはどうすることもできない。それに最高のパートナー村上ファンドがいてくれたからという驕りがあったからだろう。こんな経営をしていては、企業は崩壊してしまう。日清食品が声をかけなかったらどうなっていたことやら‥。

 私は、M&Aをもっとするべきだと考えている。‥ていうかうまく利用するできだと思う。確かに敵対的TOBを仕掛けられた企業は、ホワイトナイト探しに明け暮れる。同じ価値観を共有してくれる企業が現れればよいが、現れなかったら、外資に洗脳される。また、MBOも非上場化にしてリストラを加速させる。この負の部分がなかなか払拭できない。しかし直接投資も膨らむ。資金だけでなく、優れた人材、ノウハウも獲得できる。優れた製品、ブランドを持ちながら、メガコンペティションに呑まれ、市場に淘汰される企業はたくさんある。そうではなくて。提携は成長への足がかりとして欲しい。

 このM&Aについては「魅力ある市場の開拓」を見極める上でとても興味がある。それにメガバンクがM&Aに走るなら、地銀はどういったことで生き残っていくのか、これも今後の研究課題である。もっと自分なりに分析して報告したいと考えている。