最悪はじめました

最悪、はじめました。-最悪な話ばかり書きます-後味の悪い話多め



2016年12月

もうイヤだ・・・疲れた。男は夜道をひた走っていた。焦る気持ちとは裏腹に、何でこんなことになったんだろうと考えていた。 始まりは小さなことだった。トイレに入っていたら、急に電気が消えたり、シャットダウンしたはずのパソコンが突然起動したりした。トイレの時は、 ...

いよいよエブリスタ様より、短編小説レーベル「5分シリーズ」電子書籍版が刊行いたしました!             5分で声出して驚く どんでん返しショートストーリーズ 5分シリーズ に私の拙作「記憶喪失」が収録されています。他の方の短編が秀逸で本当に5分で声出 ...

今日、僕は、はじめて世界を見る。産まれた時から全盲だった僕はまだ、世界を見たことがない。海と空は青い。血は赤い。雲は白い。山は緑。言葉だけなら知っているが、青や赤や白や緑がどんな色なのかを見たことがない。世界から目が見えない人が消える。この眼鏡によって。 ...

美弥は背後から、肩を叩かれて振り向いた。そこには、黄色い歯をむき出しにしてニヤニヤ笑う、何日も風呂に入っていないようなべったりとした髪を頭に貼り付けた太目の男が立っていた。美弥は悪臭に思わず息を止めたが、相手はまがりなりにもお客なので、営業スマイルを振り ...

人生初の、自分の作品が載った本が届きました。ドキドキしながら、封筒を開ける。おおおおおおおおおこんなかわいい表紙絵までついてるぞ!感激で手が震えています。エブリスタ様、ほんとうに、私の作品を収録してくださって、ありがとうございました。なお、今後、電子本の ...

「疲れた・・・もうイヤだ・・・。」 恵美子は、警察から連絡を受け、放浪していた義母を自分の車で連れ帰り、自宅で落ち着くと溜息をついた。もうこれで何度目だろう。まだ下の方は失敗は無いが、食事をしたことを忘れて食べたがったり、人の名前は忘れるし、この前も、あ ...

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