「天下り禁止でも肩たたき継続の愚劣」という記事をアップした翌日、たまたま財務省からの天下りを受け入れている大手企業の部長と話をする機会があった。

天下りは、ある意味“餅は餅屋”の適材適所にかなった人材活用法であり、それ自体は悪くはない。問題なのは天下った人間がパイプ役になって官庁と企業が癒着することなのであり、それをきちんと監視する機関、禁じる罰則さえあればいいという持論を展開したところ、思わぬ反論にあった。

天下りが“餅は餅屋”の適材適所になっているなんてとんでもないというのだ。 彼にいわせると、優秀な官僚は民間から引く手あまたであって、天下りしてくるのは民間企業に相手にされないゴクツブシばかりだというのである。

 1年間に肩たたきの対象になる官僚が3000人、うち天下るのが2500人だそうだ。彼の意見をもとに推察すると3000人のうち優秀な500人が民間企業にスカウトされ、民間企業に相手にされないゴクツブシ2500人が天下る構造・・ということになる。

しかも、友人であるその部長の会社は医療現場に密接に関係した仕事をしているにもかかわらず、受け入れているのは畑違いの財務省の役人ばかり。結果として現場のことなどまったくわからないまま、帳簿上の数字だけをいじくり回すので現場はやりづらくて仕方がないと彼は憤慨する。

 これが天下りの実態だとしたら、“餅は餅屋”の適材適所などというのは世間知らずの戯言になってしまうと反省した。

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