よなぷーの無駄喋り

2017年12月

■EARTH WAR■

 著作制作…………よなぷー
 制作年月日………2017年11月22日
 対応機種…………PB-100/110/120用ゲームプログラム
 使用メモリ………544ステップ
 ※「ク」はクラブ、「ス」はスペード、「ハ」はハートの記号です。
 ※「●」はスペース一個です。
 ※「○」はEXTモードの[SHIFT][A]です。
 ※「⊂」は[ANS]の下の[E]です。


適当なプログラムエリア

4 GOSUB 95

8 IF KEY="Q";B=0

20 IF KEY="A";B=1

25 IF KEY="Z";B=2

30 IF KEY="-";IF F≧1;F=F-1:GOSUB 80

35 IF KEY="+";IF F*SGND≧1;F=F-1:D=D-SGND

40 PRINT CSR10;F;CSR0;$;CSR0;Q$(D);T$(B);:IF MID(4,1)≠W$(B) THEN 55

45 PRINT CSR3;"]";:C=C+1:$=MID(1,3)+"●"+MID(5):E=9-C/9:IF E≦4;E=4

50 IF FRAC(C/30=0;F=F+SGN(3-F

55 A=RAN#*E:IF A≧3;A=3

60 $=MID(2)+W$(A):IF MID(1,1)="●" THEN 8

65 PRINT CSR0;"×";:D=D+1:IF D≦2 THEN 8

70 PRINT CSR0;"***","SCORE";C;:IF G>C;END

75 STOP:PRINT "TOP!":G=C:INPUT "NAME",H$:PRINT "◆≠=THEEND=≠◆";:END

80 FOR A=4 TO 10:PRINT CSRA;">";:IF MID(A+1,1)≠"●";C=C+2

85 NEXT A

90 $="●●●●●●●●●●●":Q$="●●)":R$="*●)":S$="**)":RETURN

95 PRINT "◆*EARTH●WAR◆","HI●SC";G,"BY●";H$:$="゜○o'・.●"

100 FOR A=1 TO 7:S$(A)=MID(A,1):NEXT A:C=0:D=0:E=8:F=0:GOTO 90

■EARTH WAR■

 著作制作…………よなぷー
 制作年月日………2017年11月22日
 対応機種…………PB-100/110/120用ゲームプログラム
 使用メモリ………544ステップ
 ※「ク」はクラブ、「ス」はスペード、「ハ」はハートの記号です。
 ※「●」はスペース一個です。
 ※「○」はEXTモードの[SHIFT][A]です。
 ※「⊂」は[ANS]の下の[E]です。


【 変数表 】

A  汎用
B  自機位置
C  得点
D  地球ダメージ
E  ゲームレベル
F  チャージパワー
G  最高得点
H$ 最高得点記録者名
I  ―――
J  ―――
K  ―――
L  ―――
M  ―――
N  ―――
O  ―――
P  ―――
Q$ "  )"
R$ "* )"
S$ "**)"
T$ "゜"
U$ "○"
V$ "o"
W$ "’"
X$ "・"
Y$ "."
Z$ "●"


【 物語 】
 隕石群が地球に飛来! 地球を守るのは君しかいない!


【 遊び方 】
 プレイする前に、VACを実行して変数を初期化してください。
 画面左端が地球、その右の丸いのが自機、右から迫ってくるのが隕石、右端がチャージパワー数です。[Q][A][Z]で自機を上中下に移動させ、隕石を防いでください。隕石を防ぐと1点入り、30点ごとにチャージパワーが1上昇します(最大3)。
 チャージパワーがあるときに[-]を押すとウェーブで隕石を一掃できます(隕石一つにつき2点入ります)。[+]を押した場合は地球のダメージが1回復します。隕石が左端に到達すると地球が1ダメージを受けます。
 地球のダメージが3になるとゲームオーバーです。最高得点を記録していた場合、7文字までの名前が入力できます。

 ◎テクニック1……取りこぼした隕石が左端に到達する前にウェーブを使うと、帳消しにできます。
 ◎テクニック2……30点ごとにチャージパワーが入り、その最大は3なので、隕石一つにつき2点入るウェーブは大胆に使ったほうが効率的です。


【 開発後記 】
 なんとも普通のゲームです。やられ役の地球を表示しているのが変わったところですかね。キー入力が多い分スピードも遅いので、その気になればいつまでも続けられるでしょう。ウェーブが快感です。
 作者の得点は292点ですが、これは途中で飽きて自分からやられにいった数字です。1000点超え、誰か試してみませんか?

 三沢さんとの10万人遺恨マッチが決定してからというもの、ヒョードルは枯れ木のようになって、終日ジムに引きこもるばかりだった。
 ロシアのマスコミが、この無謀な戦いに挑むヒョードルを是非取材したいと、大挙押し寄せてきた。だがヒョードルはそれにも応えず、あしらいを僕に一任し、居留守を使うのである。全く情けない話だった。
「いい加減にしてくださいよ、ヒョードルさん!」
 ある日、僕はとうとう怒って雇い主に怒鳴った。
「三沢さんと戦うんでしょう? トレーニングしたらどうなんですか! たとえかなわなくても、出来る限りの用意はするのが、三沢さんに対する最低限の礼儀じゃないですか!」
 リングに腰掛けてあらぬ方向を見つめていたヒョードルは、ここでようやく僕に気づいたらしい。視線をこちらの面上に移動させた。
「トレーニング……?」
 僕は声を励ました。
「そうです、トレーニングです! スパーリングの相手がいないなら、僕が努めてみせます。奮起してください、ヒョードルさん!」
 効果は劇的だった。ヒョードルの両目に活力が戻り、その全身に力がみなぎる。
「そうだ! トレーニングだ!」
「やりましょう、ヒョードルさん!」
 雇い主のやる気に、僕は涙が出そうだった。やはり八百長野郎とはいえ、ヒョードルもファイターだったのだ。
 だが……
「あれ? ヒョードルさん、何をしてるんですか?」
 ヒョードルは突如、自分の左胸を平手で叩き出したのだ。その速さたるや尋常ではない。まるで掘削機のようだった。
 僕は呆気にとられた。
「あの……何やってるんですか? ヒョードルさん」
 ヒョードルは謎の動きを続けながら答えた。
「何って、トレーニングだよ。タッピングのね」
「タッピング?」
「そうさ」
 ヒョードルは得意げに笑った。
「三沢さんに攻撃されるより早く、タッピングで降参の意思を示せばいいんだ。試合は俺の敗北ですぐに終わるが、怪我したり死んだりするより遥かにいい。……ありがとう、君のおかげで閃いたよ。試合までタッピングのトレーニングだ! よーし、頑張るぞぉ!」
 ダメだこりゃ。

 三沢さんこと地上に舞い降りた天使は、ここでようやく愁眉を開いた。
「よくぞ決心してくれたね、ヒョードル君。はっきりいって、土地権利証をたてに取るというやり方は好みじゃなかったけれど、このままじゃいつまで経っても君の戯れ言がとどまらないと思ってね。じゃ、対戦は成立ということで、日本の国立競技場――10万人を集めてやり合うとしようか。俺とヒョードル君とのドリームマッチ開催ということでね」
 ヒョードルは卒倒寸前の体を最後の気力でどうにか支えている。10万人の前で三沢さんにエルボられ、フェースロックられ、タイガードライバー91られる。そんな恐怖と絶望しかない未来を見据えたためか、その心は安定を求めて、馬鹿な提案をまくし立てる方向に動いた。
「み、三沢さん。八百長、してくれませんか……?」
 僕も借金取りも、ヒョードルのあまりの厚顔無恥ぶりに開いた口が塞がらなかった。三沢さんに八百長を希望するなど、神に唾を吐くに等しい暴挙だ。
 だが三沢さんは怒らなかった。虫けらの悪あがきを哀れんだ目で見つめ、静かに首を振るだけだった。
「ガチでやろう、ヒョードル君。大丈夫だよ。可能であるなら、君が俺をガチで倒せばいいだけの話だからね」
 いや、どう考えても無理です、三沢さん。
 ヒョードルはとうとうその場にしゃがみ込んだ。両目から涙を、鼻の穴から鼻水を流し、自分の置かれた境遇――自業自得だが――に慟哭する。
 三沢さんは無言で振り返ると、僕の前を大股で悠然と闊歩し、ジムから出ていった。
 そう、とうとう正式に決まったのだ。
 『三沢光晴vsエメリヤーエンコ・ヒョードル』の一戦が。

 ヒョードルは三沢さんの対戦要求をまともに聞くと、おこりのように震え出した。そのまま発電でもできそうな勢いだ。
「む、無理です無理です! 三沢さんと闘うなんて、私が死んでしまいます!」
 三沢さんは許さない。
「なら、どうしていつも『人類60億分の1最強』とかうたってるんだい? 『氷の拳』は、まあ薄氷のように砕け易い君の拳を考えれば理解できる。『ロシアン・ラスト・エンペラー』も、まあ歴史上そう例えても問題なかろう。実力の程は無視するとしてね。だが『最強』はいけない」
 三沢さんは、もはや笑ってはいなかった。その両目は激しい憎悪に狂おしく輝き、吐き出す言葉は瘴気を伴って毒々しい。
 今日こそはこの問題に決着をつける。もう逃さない。そんな覚悟と気迫、不退転の決意が、その全身から滲み出て上り出ていた。
「さあ、ジムを放棄するか、俺と闘うか、二つに一つ。どっちなんだ、ヒョードル君。どっちなんだ!」
 ヒョードルの馬鹿は足りない脳味噌をフル回転させているらしく、その頭から湯気が立ち上っていた。目は落ち着きなくあちこちを見渡し、体は震動を続けて際限がない。滝のような汗を流し、失禁は出尽くしたのか止まっている。
 今ヒョードルは、その人生最大の岐路に立たされていたのだ。
 だが、こんなアホでも決断というものは出来るらしい。やがて紫色の唇から、かすれた声が漏れた。
「……かいます」
 三沢さんが怒鳴る。
「何だって? はっきり言いなさい、ヒョードル君」
 ヒョードルは潰え去った安全な未来を絶望の眼差しで一瞥すると、拳を握って腹の底から吐き出した。
「闘います! ジムを守ります! 三沢さん、権利証を賭けて俺と闘ってください!」

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