3階級制覇でパウンド・フォー・パウンド世界5傑入りを果たした井上尚弥が、三沢さんからの対戦要求を受諾した。
井上は「あんなブクブク太った白ブタ、俺様のパンチで速攻マットに沈めてやるよ」とうそぶく。
東京ドーム大会のチケットは売れに売れ、当日は7万人の大観衆がこの世紀の一戦――三沢対井上見たさに集結した。
セミファイナルの小橋建太対マクレガーが小橋のバーニングハンマーで決着すると、場内は暗転。
「にほんむかしばなし」のテーマと共に、まずは弱い方の井上から入場してきた。
トイレットペーパーやミカンの皮、腐ったトマトに生卵が観客から投げつけられる中、どうにかリングインする井上。
「絶対に勝つ!」と叫ぶ辺り、まだ三沢さんとの圧倒的実力差に気づいていないようだ。
そして場内が一転、静寂に包まれる。
流れてきたのはピアノ前奏からの軽快な「スパルタンX」の音楽。
今日の主役、究極格闘神にして人類最強の男、三沢さんが堂々花道に姿を現したのだ。
観客からはドームが割れんばかりの大・大三沢コールが送られる。
紙テープ、おひねりが舞う中、三沢さんは悠々とリングイン。
緑のガウンを脱ぎ捨て、その誇り高い白タンクボディを露わにした。
今回は肘ありのボクシングルールという、井上の要求通りの試合形式となっている。
さすが井上、肘なしルールでは、闘って勝ったとしても意味がないと踏んだらしい。
しかしこれは三沢さんのボクシングテクニックを舐めていると取られてもしょうがないだろう。
レフェリーの林家ペーが、リング中央で両者に最終確認する。
二人がそれぞれのコーナーに別れた。
いよいよ、伝説となるであろう一戦が始まるのだ。
「ラウンドワン!」
ゴングが高らかに鳴り響いた。
両者はスッと距離を縮めて間合いを測り合う。
井上がハエも殺せないパンチを繰り出した。
それを三沢さんがパンチで撃ち落とす。
井上の拳から異音が鳴り、彼の表情が苦痛に歪んだ。
どうやら三沢さんの拳打で骨にヒビが入ったらしい。
三沢さんはこの攻防だけで相手の実力を見切ったようだ。
スルスルと距離を詰めると、鋭角なエルボーを井上の側頭部に叩き込んだ。
井上は「ぎゃっ!」と叫んで横転。
失禁と脱糞を行ないながら、打ち上げられたイルカのごとくバタバタ跳ねた。
カウントが数えられる。
それはしかし、井上の醜態に途中で止められ、三沢さんのKO勝ちが決定した。
大興奮、大感動で地鳴りのような歓声が発生したドーム内。
三沢さんは降り注ぐ賞賛の悲鳴に片手を挙げて照れくさそうに応えた。
一方井上はもはや再起不能であるかのように見える。
やはり三沢さんを舐めると恐ろしい目に遭うのだ。
やっぱり三沢さん最強!