コロナウイルスにかかったものの、3時間で治った志賀賢太郎様。
かのお方はマスクをつけて、緊急記者会見を開催した。
志賀様「国立競技場10万人を予定していた対内藤哲也さんの試合ですが、新型コロナウイルスの感染拡大をかんがみ、急遽取りやめとなりました」
報道陣数百人のフラッシュが、日本国国王の御姿に炸裂する。
記者「ご懸命な判断だと思われます。……しかし今から振り返るに、内藤哲也のあの余裕は、事こうなることを予期していたからではないかと疑われます」
誰もがうなずいた。
今までの挑戦者たちは、志賀様を前にしただけで、そのオーラに恐れをなして失禁・脱糞に至っている。
だが内藤だけは余裕綽々であった。
それも今思い返せば、新型コロナの衝撃波及により、試合自体がなくなることを予想していたからなのかもしれない。
志賀様「残念ですが、新型コロナウイルス感染がピークを超えてから、改めて内藤さんと試合開催について協議したいと思います。……ともかく、期待してくださっていた方々にお詫び申し上げます」
新型コロナが今日ほど憎く思えたことはない。
記者陣は志賀様のご配慮に感激しながら、日本を覆う暗雲が晴れる日を待ちわびるのだった。