よなぷーの無駄喋り

2020年03月

ドントムーブ2019を振り返る。

★★★★★

大晦日のRIZINメインイベント、朝倉海vsマネル・ケイプ戦でのこと。

もつれ合った両者がグラウンドにその攻防を移した際、「ロープに近過ぎる」ということでドントムーブがかかった。

黒服レフェリーは「ストップ! ストップ・ドントムーブ!」と叫びながら、まずは自分のイチモツをボロンと取り出す。

そして固まったまま動かない両者に対して、「これが傾奇者・前田慶次の小便鉄砲じゃ〜!」と叫びながら、小便を叩きつけた。

水飛沫を浴びながら、ケイプは「おおっ! 何と見事なイチモツじゃあっ!」と感嘆。

海も「ルネッサ〜ンス!」と新世界の扉を開けたように叫んだ。

すっかり濡れそぼった二人に、黒服レフェリーは「ドントムーブ! オーケー? ドントムーブ!」とわめきながら、大量の小麦粉を振りかけた。

真っ白になる海とケイプに、会場は大爆笑。

黒服レフェリーはそんな観客に怒り、マイクを手に取って「こちとら遊びでやってんじゃねえんだ!」と大絶叫。

しゅんとする観衆に、新たな黒服レフェリーがリングに上がって、審判同士で何やら協議。

やがてマイクで「朝倉未来選手、上がってください!」と要請した。

未来は全裸で、ポコチンに赤いネクタイ一丁という姿で入場ゲートに登場。

会場からの大・大「帰れ」コールの中、スキップしながら花道を疾走した。

そしてリングインするなり、海とケイプをリング外へ激しく蹴り出す。

二人が落ちると、「それでは歌い上げます、曲は『USA』!」と絶叫。

これに客席からは大ブーイングが上がる。

それでも気にせず、未来はマイクを手にして『USA』を熱唱した。

その全裸のケツへ黒服レフェリーが交互にタイキック。

腰骨を砕かれた未来は「どうもセンキュッ!」と泣き叫びながら担架で退場した。

そこへ場を繋ぐために現れたのは那須川天心。

相変わらずブサイクな顔に、早速観客からレーザー光線が当てられるが、巧みな運動で視力ダウンを回避。

新技『アクセルキック』を黒服レフェリーに炸裂させ、自分の腱が断裂!

「アウチ……アウチ……!」とアメリカ人っぽく泣き叫びながら転げ回る那須川に対して、黒服レフェリーがダウンカウントを取る。

しかし売り出しキャラに配慮してカウント1000まで数えてやったというのに、天心が立ち上がる気配はない。

黒服レフェリーは怒り心頭。

二人して天心をリング外へ蹴り落とした。

ここで花道を疾走してきたのは堀口恭司。

堀口はスーパーマンのように衣服を脱ぎ捨てながら、最終的には全裸でリングインした。

そしてビジョンに映し出される自分の全裸に驚愕する。

「何でだよ! おかしいだろ!」と、明らかにおかしい自分自身を放っておいて、黒服レフェリーたちに食って掛かる。

これには観客も「粗チン」コールで後押し。

黒服レフェリーは「1時間ほどお待ちください」とマイクで観衆に要請。

リングの上にコタツとみかん、テレビを持ち込んで、堀口と共に『紅白歌合戦』を視聴した。

「夢は捨てたと言わないで〜他に道なき二人なのに」というビートたけしの熱唱に、「ヘッタクソだなあ」と辛辣な言葉を浴びせた。

これには観客も大爆笑。

そしてきっちり1時間経過した直後、花道を全力疾走してきたのは米津玄師。

特に観客に見せる特技もないため、リングインと同時に堀口の本気のパンチで殴り飛ばされた。

「ぶったな。親にもぶたれたことないのに!」とアムロ・レイを気取る玄師だったが、この下手くそな芝居に観客からは大・大ブーイング。

再びレーザー光線が複数当てられ、視力ダウンした玄師は転がりながら場外へ。

堀口がアダルトDVDでシコリ始めたのを全国生中継しながら、ここでようやく朝倉海とマネル・ケイプがリング内に這い上がってきた。

二人もトランクスを脱ぎ捨て、堀口と共にシコシコし始める。

そこで花道を走ってきたのは高田延彦。

気合一番トップロープを飛び越え、自慰にふける三人へまとめて体当りする。

そのまま三人をリング外へ蹴り出すと、「男の中の男、出て来いや!」と叫びつつ自分の息子を取り出した。

いや、確かにそれは「男の中の男」だが……と観衆が戸惑う中、アダルトDVDが佳境に入ったため高田延彦フル勃起。

「イく時は一緒だ!」と画面の中の女優さんにペースを合わせてシコリ始める。

これには観客も一斉に生卵を投げつけ、「帰れ」コールを浴びせかける。

空気を読んだ黒服レフェリーが笛を吹くと、花道に現れたのは何とK-1のタケル。

と同時に、腱が再びくっついた天心がリングイン。

これは天心vsタケルのキック頂上決戦実現か、と期待感が立ち込める。

リングに入ったタケルは、しかしマイクを手にして言った。

「来年の大晦日、K-1のリングで闘いましょう! それ以外は嫌です!」

これには観客も大爆笑。

手に手を取り合って、『クソ野郎』の人文字を作った。

そこへ黒服レフェリーが二人同時に膝カックン。

半月板を損傷した天心とタケルは、激痛にわめきながら「ではまた来年!」とリング外へ転げ落ちていった。

収集がつかない。

見かねた高田が特技の尻タップを繰り返してお茶を濁そうとするが、そこへヒョードルが突然来襲。

「↓ヒョー↑ドル!」と独特のアクセントで笑顔で手を差し伸べた高田だったが、リアルキューピーは右フック一閃で排除。

トランクスを脱ぎ捨て全裸になると、「シンボーたまらん!」と叫びながらブレイクダンスを開始した。

日本で彼の勇姿を見られるのも最後か、と悲しむ観客達は、こぞって3キログラムの鉄アレイをヒョードルに投げつけた。

チンチンを振り乱して踊っていたヒョードルは、この不意打ちに頭をやられて失神。

黒服レフェリーたちに蹴り出された。

仕方なしに黒服レフェリーたちは「グレイシー一族入場!」とマイク。

そんな準備は全くなかったはずだが、たまたまこの会場を訪れていたヒクソン、ホイスのグレイシー一族がグレイシートレインで入場してきた。

これには観客も大爆笑。

リングインして全裸になると、二人揃って両腕を鞭のようにしならせた。

黒服レフェリーは「ああ、もうこれでいいや」と職務放棄。

ドントムーブを解除した。

これにより、試合は事なきを得た。

――それでは最後にお二人の今後の豊富についてお聞かせください。まずは弱々のバカダさんから

オカダ「いやバカダって何だよって言っても実際馬鹿だから別段支障はない! ……とぺこぱの物真似をしたところで言わせていただきますが、やはりプロレス大賞MVPの座を守り抜く、ですかね」

志賀様「小さい、小さいですよオカダ君。僕には到底及ばないものの、それでも日本プロレス界の雄なんですから、ここは世界にうって出る、ぐらいのことはかまさないと」

オカダ「でへへ、志賀様には勝てませんね。ただ、僕は自分が志賀様や三沢神、川畑鬼神の『3強』に遠く及ばないことを誰よりも自覚していますから。世界制覇はお任せして、僕は国内でセンズリのようなおままごとに精を出していきたいと思っています」

――では、次に志賀様

志賀様「僕はやっぱり、唯一無二究極絶対格闘神・三沢光晴選手を超えることですかね」

オカダ「おお……」

――これは大きなお言葉ですね

志賀様「白GHCを賭ければ、あのお方も地上に出てくださるかもしれません。国立競技場、10万人、ワンマッチ。コロナウイルスさえ流行ってなければ、ぜひとも実現したいところですけれどね。まあ状況を見て」

――大変ありがとうございました。お二人とも2020年、プロレス界を引っ張っていってください!

――オカダさんは志賀様の保持する白GHCが欲しくないですか?

オカダ「そりゃ、欲しいって言えば欲しいですよ。何しろ全世界、いや全宇宙規模の崇高なる王座ですからね。唯一無二、天下人の証と言えますから。でも自分が生きてる間は、志賀様がずっと防衛し続けると思いますし……。志賀様に勝てると思うほど、僕はうぬぼれていません」

志賀様「オカダ君は謙虚ですね。まあ僕は、誰にも負けないように常に限界まで鍛えてますから。唯一無二絶対究極格闘神・三沢さんの背中を追いかけて、ね」

オカダ「やはり志賀様の目標はそこですか」

志賀様「いつかは乗り越えたいと思っています。まあ僕と三沢さんが闘うとなったら、国立競技場以上の会場を探さないとなりませんけど」

オカダ「やっぱり志賀様はスケールが違いますね。僕の新日本プロレスなんて、東京ドーム――超満員は4万3000人なんですが――さえ埋められませんから」

志賀様「また僕と闘ったらどうですか、オカダ君。あっという間に客席が埋まりますよ」

オカダ「怖いこと言わないでくださいよ(笑)。もうあの痛みはこりごりです」

――志賀様の前ではオカダさんも羽虫みたいなものでしたからね(笑)

オカダ「雨を降らす虫ってね(一同爆笑)」

――お腹痛い

志賀様「腹痛い」

オカダ「ワハハハハ」

対談は続く……

――今日は志賀様とオカダさんの歴史的な初対談です。今日はお二方、よろしくお願いいたします

志賀様「よろしくお願いします」

オカダ「こちらこそ、よろしくお願いします」

――早速ですが、先日の国立競技場対決を振り返ってみていかがですか?

オカダ「僕は志賀様とロックアップしただけで、両肩が複雑骨折しちゃったんですよね。やっと傷が癒えてきたところです。いや、強さの次元が違いました」

志賀様「オカダ君こそ、僕と闘った選手の中では珍しく、失禁も脱糞もしませんでしたからね。ハートが強いんだな、と感服いたしました」

――最後は「パーフェクトホールド」こと『志賀絞め』でしたが

志賀様「観客の皆さんも期待していたし、オカダ君を完全に参ったさせたくて、仕掛けちゃいました。オカダ君には厳しかったかな」

オカダ「いえいえ。むしろ伝説の技を出してくれて、『ああ、認めてくれたのかな』と感激したぐらいです。足を複雑骨折しちゃいましたけど」

――オカダ選手にとっては無念のタップアウトで、試合が決まりました

オカダ「耐えらんなかったですね、あの痛みには。かかったら誰一人として逃れられない、そんな技でした」

志賀様「オカダ君のレインメーカーも効きましたよ」

オカダ「(笑)何おっしゃってるんですか、余裕で耐えたくせに……。お気遣いありがとうございます」

――さて、最近では新型コロナウイルスで、プロレス興行が軒並み延期や中止しています。あのWWEのレッスルマニアさえ、無観客で行なわれるとか

志賀様「由々しき事態ですね」

オカダ「この前の志賀様と内藤の試合も無観客になってしまいましたからね。……僕らプロレスラーとしては、どうにもならないです、はい」

志賀様「これからは無観客で稼げる方法を、業界全体で構築していかなければなりませんね。日本国国王として、プロレスの火は絶対に絶やさないよう指揮していきたいと思います」

オカダ「お願いします、志賀様。貴方だけが頼りなんですから、我々日本国民は……」

志賀様「任せてください」

対談は続く……

「志賀様に勝ったら格闘神を名乗る!」と心に決めて戦うヒョードル。

しかし毎回、志賀様のただのエルボーでふらつき、トーキックで内蔵を痛めて、失禁・脱糞してしまう。

そんなヒョードルが、両手両足両肘を縛った「6枚落ち」の志賀様とスパーリングを行なった。

果たしてヒョードルは今度こそ勝てるのか……というのが、本巻のクライマックスとなる。

ネタバレすると、ヒョードルは志賀様の頭突きで脱糞KO負けする。

別の意味でも志賀様はヒョードルに詰められることはないだろう、と読者は痛感するに違いない。

そんな、ちょっと常識過ぎて夢がないかもしれない巻だった。

少し話はズレるが、この作者の描く志賀様はオーラが足りなさ過ぎる。

志賀様はフェイスフラッシュならぬ全身フラッシュな超人なのだから、そこの点をもう少し突き詰めてほしかった。

たとえば、志賀様が野道を歩くだけで花が芽吹き、草木が伸びて、大地が若返るという自然現象を再現してほしかった。

まあ、些細な点だが……

逆にヒョードルの描き方はナイス。

日本国民の怨敵として、サタン様のような見掛け倒しのクソ弱さがよく出ている。

何にしても次巻が楽しみだ!

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