よなぷーの無駄喋り

2020年04月

新日本プロレスの重鎮であり、膝が悪いことで知られる棚橋弘至が、何と志賀賢太郎・日本国国王様に対して挑戦を表明した。

早速マスコミ500社が棚橋弘至を直撃し、真相を聞いた。

記者「棚橋選手! 真格闘神志賀様と闘いたいって、ホントに正気ですか?」

棚橋はニヤリと笑い、こう答えた。

棚橋「棚橋お疲れ様って、やめてくれるかな? 俺の夢は、まだ続いているから」

勝ち目のない闘いに身を投じる棚橋。

果たして志賀様は受けるのか?

続報を待ちたい。

日本国国王・志賀賢太郎様が、過日行なわれた対KENTA戦について回顧した。

志賀様「やっぱり後輩の勢いを感じましたね。あの大舞台に全裸でネクタイ一丁でやって来るセンスは脱帽です。とても僕には真似できません」

記者「レフェリーはタイガー服部でしたが」

志賀様「彼も僕のオーラにビビったのか、ちょっと失禁・脱糞していましたね。ズボンに明らかな染みが出来ていました。さすがにキャリアも潮時だったということでしょう」

記者「会場はWWEのパフォーマンスセンターでした」

志賀様「ビンス・マクマホンが全裸におむつ一丁で現れたときは、さすがにボケてしまったのかと心配しましたよ。話せば、『これがWWEの伝統です。歓迎しますよ、志賀の旦那!』とフレンドリーでした。『志賀様のオーラでWWEも浄化されます! 満漢全席をどうぞ!』とご馳走を振る舞ってくれたりしましたね」

記者「さて、試合ですが……。『ブサイクへの膝蹴り』を人差し指一本で破った強さは衝撃的でした」

志賀様「やっぱり試合となると気が引き締まって、相手の技を受けるというプロレスラーの本分を忘れてしまうんですよね。僕の悪い癖です。彼の膝蹴りはハエが止まったように遅かったので、ちょっと苛ついて砕いてしまった、というのが真実です」

記者「更にエルボードロップで追い打ちし、KENTAの肋骨を砕きました」

志賀様「後輩に先輩の背中を見せつけたくて、軽い気持ちでかけたんですが……。僕が強過ぎなのか、KENTAが弱過ぎなのか分かりません」

記者「苦しんだKENTAは、オロナイン軟膏を負傷箇所に塗り込みました」

志賀様「あれは効きますからね。骨折が治るかどうかは未知数ですが」

記者「最後は盤石の『志賀絞め』。KENTA選手もあれを食らえばもうイキったりしないでしょう」

志賀様「まさにそれが狙いでした。今後はイキらないことを願っています」

記者「ところで、試合前には内藤哲也がマイクアピールをしようとしてましたが」

志賀様「僕にとっては既に倒した相手ですからね。二冠王として頑張ってください(笑)」

記者「(笑)」

志賀様「まあKENTAにはこの敗北から立ち直って、また元気なプロレスをしてほしいですね。これは本心です。あと、コロナばやりの中取材してくださってありがとうございました。お互い頑張りましょう」

記者「これは尊きお言葉、感謝します。頑張りましょう!」

とうとうこの日が来た。

日本国国王にして真格闘神の志賀賢太郎様。

『史上最悪の乱入者』KENTA。

二人の対決が始まるのだ。

最終オッズは志賀様とKENTAで1:100兆となった。

試合が行なわれる会場はアメリカのWWEパフォーマンスセンター、無観客となる。

まずは弱い方のKENTAから入場だ……と思いきや。

なぜか新日本プロレス・内藤哲也がリングインし、全裸に帽子一丁という姿でマイクアピールを始めた。

内藤「ノスオルトロス! ロス! インゴベルナーブレーェース! ……」

ここで全裸にネクタイ一丁のKENTAが大急ぎでリングに上がり、内藤を殴り倒した。

またしても乱入である。

KENTAはダウンする内藤の上であぐらをかくと、その顔面を手づちで叩きながらイキった。

KENTA「2020年! 俺の年だよ俺の年!」

やはり宇宙最強・志賀様との決戦を前に、どうしてもこれをやっておのれを鼓舞したかったらしい。

撮影スタッフから盛大な失笑が漏れた。

KENTAは内藤を蹴り落とすと、失禁と脱糞をこらえる様子で入場ゲートを見据えた。

そして、いよいよ……

スタッフ「志賀様っ!」

スポットライトを浴びて現れたのは、黒いガウンを羽織った究極の生命体。

森羅万象最強過ぎる男・志賀賢太郎様そのお方であった。

名曲『TRADITION』が流れる中、颯爽と花道を闊歩し、堂々とロープをまたぐ。

試合スタッフの中には、これだけで「生きてて良かった」とばかりに号泣する人も。

さばくレフェリーはタイガー服部。

引退後の夢――「志賀様の試合を担当する」ことが出来て、実に嬉しそうだ。

まずはリング中央で、レフェリーから試合のルール確認が行なわれる。

志賀さまとKENTAは視線を合わせず、服部の声にうんうんうなずいた。

志賀様に今までで最接近したKENTAは、さすがに志賀様のオーラに驚愕したのだろう。

早くもちょっぴり脱糞した。

そして時は来た。

両者赤青両コーナーに分かれる。

19時ちょうど、運命のゴングが高らかに鳴り響いた。

試合開始だ。

と、その時突如、リング脇にある巨大モニターに何かが映し出された。

ヒデオ・イタミ。

WWEに転属したものの、怪我で欠場ばっかりしてたKENTAの黒歴史が、事細かに文章で流れていく。

まるで安いユーチューバー作品のようだ。

KENTAは「サノバビッチ! ハローワールド! ヒアアイアム!」と叫ぶと、運命を切り開くべく志賀様に突進した。

しかし志賀様に弱者の蛮勇など通じるはずもない。

志賀様はKENTAの放った『ブサイクへの膝蹴り』を人差し指一本で跳ね返した。

KENTA「ぎゃあっ!」

KENTAの膝の骨が粉砕され、靭帯が全て切れた。

志賀様はダウンした相手に近づくと、軽ーくエルボードロップを落とす。

KENTAの肋骨がたちまち数本折り砕かれた。

KENTAは激痛と苦痛にのたうち回り、何とかそれらから逃れようと、オロナイン軟膏を負傷箇所に塗りたくる。

志賀様はそんな元ヒデオ・イタミの馬鹿っぷりを見ていられないとばかり、素早く動いた。

KENTAをうつ伏せにすると、彼の砕けてない方の足を自身のそれでロックする。

そして頭を抱えてSTFの体勢に移行した。

更にフェイスロックを片羽絞めに変形する。

最後はKENTAごと裏返し。

「パーフェクトホールド」こと『志賀絞め』の完成だ。

KENTAはイタミながら痛みに耐えられず、慟哭しながら高速タップする。

だがこんな最悪の男、志賀様がそうそう許すはずもない。

レフェリーのタイガー服部もその意を汲んで、ギブアップしているKENTAを白々しく「ギブアップ? ギブアップ?」とまだ降参していないかのように扱った。

「ギブ! ギブ!」

どこからともなく映画『キネマの天地』の曲が流れ、大スクリーンにKENTAが内藤に負けた瞬間が繰り返し再生される。

そして現在のKENTAの失禁と脱糞が、WWEの有能カメラマンたちの手でお茶の間に流された。

さすがにこれ以上コスチュームを汚されるのも嫌だったのか、志賀様がタイガー服部に目顔で合図する。

服部はうなずくと、ようやくKENTAのギブアップを認めた。

解放されたKENTAの髪は真っ白で、まるで矢吹丈と闘った直後のホセ・メンドーサのようだ。

彼は力尽きたかのようにグッタリし、尿と糞の噴水と化した。

ここで志賀様がマイクを手に取る。

志賀様「テレビの前の皆さん、本日はご観覧ありがとうございました!」

撮影スタッフを眺め渡す。

志賀様「新型コロナウイルスのせいでこんな形での試合となりました。対戦相手のKENTA選手はやっぱり強かったです」

スタッフが爆笑した。

志賀様の強さだけが光った試合だったからだ。

志賀様「本当はもう少し試合時間を長くしたかったんですが、僕の闘争本能が暴走してしまい、いつもこんな結果です。誠に申し訳ありませんでした!」

撮影スタッフはねぎらいの拍手を贈る。

志賀様はカメラに向かって叫んだ。

志賀様「次! アントニオ猪木!」

志賀様の挙げた名前に会場のスタッフたちがどよめく。

志賀様「……というのは嘘ですが……。まあ、色々仕掛けていって、新型コロナに疲れた人々を勇気づけたいと思ってます! 以上です! 今夜はホント、ありがとうございました!」

かくして志賀様は勝った。

いくら何でも最強過ぎる。

果たして次なる挑戦者は誰になるのか?

続報を待ちたい。

どこかでウグイスが鳴いている。

アパホテルの大広間で金屏風をバックに、日本国国王・志賀賢太郎様と『史上最悪の乱入者』KENTAが合同記者会見を行なった。

ビシッと紺のスーツに固めてきた志賀様と、全裸にギリシャ風の葉っぱ一枚で現れたKENTA。 

正直に言えば、この時点で格の差が出ているわけだが……

記者「まずはKENTA選手から、この試合への意気込みを語ってください」

KENTAは机を激しく叩きながら、「2020年。俺の年だよ俺の年!」とイキりまくった。

会場は大爆笑。

志賀様もお笑いになった。

KENTAは志賀様のオーラの前で、いつものネタを披露するしかないほど追い詰められたのだ。

それが証拠に、早くも失禁・脱糞を始めている。

次に志賀様がマイクを手にした。

志賀様「KENTA選手のギャグセンスの高さが羨ましいですね。試合では実力の違いを見せつけて、早めに勝負をつけたいと思います。いい試合をしましょう!」

KENTA「俺が言いたいのは、志賀様の白GHCのベルトをいただいちゃうよ! ってこと!」

またまた会場は爆笑の渦と化した。

志賀様もKENTAのお家芸に苦笑するばかりだ。

なお、新型コロナウイルスの影響で、試合はKENTAの古巣WWEのパフォーマンスセンターで開催されることも発表された。

まさに志賀様が全世界のお茶の間にお披露目となるわけだ。

志賀様が世界に羽ばたくその瞬間を見逃すな!

レスリング・オブザーバーは、近々行なわれる予定の「志賀賢太郎vsKENTA」戦のオッズを発表した。

それによると、志賀様とKENTAは「1:1兆」で志賀様有利と見られている。

賭けにならない……

↑このページのトップヘ