よなぷーの無駄喋り

2021年01月

世界各国から集まった記者団800人が、後楽園ホールを貸し切って行なわれる合同記者会見に出席した。

そう、数日前に志賀様の受諾という形で開催決定をみた、『志賀様vs堀口恭司』の詳報が、ここで得られるからである。

リング上の長机についた志賀様と堀口は、十分な間隔を開けて座っている。

にもかかわらず、堀口はおこりのようにガタガタ震え上がり、歯の根をガチガチと鳴らしている。

志賀様のオーラを前に怯えきっているのだ。

あれだけ吠えておきながらこのザマである。

記者が質問した。

記者「今回、総合格闘技ルールで5分3ラウンド、判定なしと決まりました。志賀様、今の意気込みをお聞かせください」

真格闘神にして日本国国王である志賀様は、今日もグレーのスーツをパリッと決めたカッコいいお姿で、マイクを握った。

志賀様「そうですね、今回は堀口選手からの猛烈な煽りと対戦アピールを受けて、じゃあ、という形ですけど挑戦を受けさせてもらいました。久しぶりに頭に来てます。殺人はしたくないのですが、あるいはそんな凄惨な結末を迎えるかもしれないと、覚悟しておいてください」

堀口はさっきから何やら呪文のように呟いている。

よく耳を澄ますと、「俺にはカーフキックがある、俺にはカーフキックがある……」と繰り返しているのが分かった。

記者「では次、堀口恭司選手。意気込みをどうぞ」

堀口「え? あ、ああ。……今まで幾多の選手たちが志賀様に敗れてきた。だがそれはソフトがつまらなかったからじゃない。ハードに問題があったからだ。セガ、メガドライブ、16ビット♪CPU搭載。限界のバリアを打ち破って、魅せる迫るうなる……♪」

記者「あの、堀口選手? 頭大丈夫ですか?」

堀口「はっ! 俺としたことが、ついメガドライブのCMを口ずさんでしまった! ……気を取り直して……。志賀様はカーフキックを受けたことがあるまい。俺様にはこの新兵器がある。志賀様、おそるるに足らず! 当日を楽しみにしておいてくれ」

ここで志賀様が立ち上がり、付け人の丸藤正道からボーリング玉を受け取った。

なんの真似だ、とマスコミも堀口もきょとんとしていると、志賀様は右足を振り上げた。

そして、振り下ろした右ふくらはぎで、ボーリング玉を粉々に砕いたのだ!

どよめく後楽園ホール。

思わず失禁する堀口。

志賀様はニヤリと笑った。

志賀様「僕のふくらはぎは十分に鍛えてあるので、ちょっとやそっとじゃびくともしません。……そう、カーフキックの創始者はこの僕。志賀賢太郎なんです。堀口選手、今さら吐いた唾は飲み込まないように。では、決戦の試合会場でまた会いましょう」

志賀様は去っていった。

残された堀口は、噴水のように小便を噴き上げる。

堀口「も、もうあかん……。殺される……」

報道陣はそのさまを激写し、撮影しつつ、堀口の葬式を取材する手筈を脳裏に描くのだった。

先日記者団に対し、自身と志賀様との対戦をぶち上げた勘違い芸人・堀口恭司。

彼の挑戦状について、果たして志賀様はどんな反応をなさるのか。

怖いもの見たさということもあり、会見場には世界五百社を超えるマスコミが集結した。

果たして志賀様が現れた。

そのこめかみに血管が浮いている。

かつてない怒りにうちふるえているのは、誰の目にも明らかだった。

志賀様「本日は足下のお悪いなか、遠路はるばるお越しいただき、まことにありがとうございます。……さて、先日堀口恭司選手からこんなものをいただきました」

着席して掲げた右手に、封筒が握り締められている。

志賀様「僕への挑戦状です。もし挑戦を受けないなら、僕のあだ名として『秀才マン』を世に広めるぞ、とありました」

マスコミが一斉に息を飲む。

志賀様の声に怒りの波長が色濃かったのだ。

志賀様は机に封筒を叩きつけた。

志賀様「こんなバカな真似をヒョードル以外にする人がいようとは……それも、日本人でいようとは……! 正直いって残念でなりません」

ザブングル加藤のように、志賀様は悔しそうだった。

志賀様「去年以来試合は控えていました。それは挑戦する資格も能力もない三流格闘家たちを相手にすることに、はっきりいって疲れてきていたからです。しかし、それも長く続けるとこんな愚かな者が現れる。ゆゆしき事態です」

報道陣は声もない。

志賀様のやるせない怒りと悲しみが、等しく人々の胸に浸透していたからだ。

志賀様「受けましょう、堀口恭司選手の挑戦を。これは、僕がカーフキックに耐えられる能力の持ち主だと示す、いい機会でもあります。二度と減らず口が叩けないよう、完璧に、粉微塵になるまで堀口恭司選手を粉砕したいと思います……!」

志賀様は握り締められクシャクシャになった封筒を置き去りにすると、「では次は合同記者会見で」と言い捨てて退場した。

記者団はフラッシュを焚くことも忘れ、真格闘神の果てしない怒りに慄然とするのだった。

全裸に湯たんぽ一丁という姿で当新聞社に現れた堀口恭司。

彼は迷惑がる記者団に対し、熱っぽく志賀賢太郎日本国国王様との対戦を要望した。

堀口「昨年大晦日、朝倉海との対戦における、俺のカーフキックを見ただろ? 海をあっさり戦闘不能に追い込んだ荒技さ。あれを使えば志賀様といえどたちまちKO出来るぜ。……というわけで志賀様対堀口恭司戦、実現だ!」

無謀かつ大胆な発言に、記者一同は呆れて声もない。

記者「志賀様にカーフキックが当たると思ってるんですか? 本当に?」

堀口「もちろん。志賀様は当然俺と海との試合を見届けているだろうから、警戒はされるだろう。だが注意しててももらってしまうのがカーフキックだ。今まで志賀様に破れ去ってきた全格闘家の恨みも込めて、俺が志賀様を蹴倒してやるよ」

記者「それはいいとして、まず貴方のような小者に志賀様が付き合うかどうか……」

堀口「大丈夫。既に朝倉海を使いに立たせて、挑戦状を運んでもらったよ。松葉杖をつく海の姿を見れば、その手にある俺様の文書を読めば、絶対に戦ってくれるだろう」

記者「ちなみに何て書いたんです?」

堀口「文面はこうだ。『カーフキッカー堀口様の挑戦を受けろ。もし受けないなら、世界中に志賀様のあだ名「秀才マン」を広めてやる』」

記者団は凍りついた。

『秀才マン』というセンスゼロのあだ名は、既にロシアの八百長野郎ヒョードルが発案し、定着させてやろうと世界各国でロビー活動を行っているのが現状だ。

もし日本人の堀口がヒョードルにならったなら、これは日本国国王への反逆に相違ない。

記者陣は目の前で笑っている堀口が狂人に見えて仕方なく、誰もが後難を恐れて押し黙った。

堀口改め令和のテロリストは、上機嫌で言った。

堀口「じゃ、そういうことだから。志賀様対堀口恭司は実現するってことで。一面トップで書いてくれよ。じゃあな」

堀口は帰っていった。

記者の一人が呟いた。

記者「試合当日は堀口の人生の終わりかもしれない……」

神作品であるファミコン版ウィザードリィ。

リセットしまくりだけど、これが楽しいのだからしょうがない。

特に最下層でのアイテム稼ぎの、血沸き肉躍る興奮は筆舌に尽くしがたいものがある。

バンパイアロードがいいアイテム落としてくれるんだよなあ。

現在はようやくカシナートの剣2本&悪のサーベルが揃い、ACも-9とかまで下がってきたところ。

これからはワードナ稼ぎで魔除けを6つ手に入れて、全員に持たせて、グレーターデーモン養殖に着手する予定。

理想のパーティーである侍3人&盗賊1人&ビショップ2人まで、道は長い。

ああ、楽しいなあ。(´∀`=)

ウエストン開発、セガ販売のアーケードゲーム『モンスターランド』。

個人的にはこれが全ゲーセン作品の中で一番だと思っている。

その理由。

(1)快適な操作性
……とにかく主人公を手足のように動かせる。移動、ジャンプ、攻撃、魔法と思いのまま。これは非常に重要な要素で、初歩の初歩ともいうべき箇所。出来てないゲームが多い中、『モンスターランド』はきっちり遊ばせてくれる。

(2)ファンタジーな世界観
……剣と魔法の世界をデフォルメしつつ、完璧に再現したセンスには脱帽させられる。誰もが憧れる中世ヨーロッパ+魔物+魔法を、ここまで鮮やかに作り上げたゲームはこれが最初ではなかろうか。

(3)個性溢れる敵キャラ
……凡百のゲームと違って、この『モンスターランド』では敵キャラが生き生きしている。ゴブリンやタコ、骸骨に食人植物。ボスとして現れる、騎士や幽霊、ゴリラや悪魔。その一つ一つが独自の個性を持ってプレイヤーに襲いかかってくる。見事という他ない。

(4)感動の音楽
……『モンスターランド』を傑作たらしめている要素で、忘れてはならないのがBGM。場面に合ったメロディは素晴らしく、プレイヤーの心を掴んで放さない。特に『ドラゴンの城』→『ドラゴンの正体』→『エンディング』と続く一連のコンボにはうならされる。ゲーム音楽の精髄を聴かされた気分だ。

……以上、『モンスターランド』の素晴らしさを語ってきたが、何はともあれ実際にプレイするのが一番。今なら『アストロシティミニ』等で気軽に遊べる。きっと虜になること請け合いだ。

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