まず、いわゆるダイヤモンドカッター(相手のアゴを自分の肩にのせ、前方へ跳びながら仰向けに倒れてダメージを与える技)の創始者は、90年代全日本プロレスで活躍した外国人選手・ジョニーエースである。

技の名称は「エースクラッシャー」。

コーナーポストを背にする形で相手を捉え、前方へ走りながら倒れ込んでアゴを砕いていた。

のちに、相手の後頭部に自らの足をかけた「ギロチン・エースクラッシャー」も開発するが、これはダイヤモンドカッターとは言い難い。

「コジコジカッター」は、新日本プロレスの小島聡が使うダイヤモンドカッターである。相手の頭を抱えたあと、引っ張るように倒れ込んでダメージを与える。

「RKO」は、世界でもっとも有名なダイヤモンドカッターで、使い手はWWEのランディ・オートン。技名は本名にちなむらしい。とにかくどんな体勢からでも決めるので、試合観戦の際、本場アメリカのファンは目を皿にして見つめるという。

「ガンスタン」は、恐らく最も知名度の低いダイヤモンドカッター。使い手は元新日本プロレスで現AEW所属のカール・アンダーソン。この技で棚橋弘至を破ったことがあるが、それ以外目立ったシーンはない。

「オスカッター」は、新日本プロレスのウィル・オスプレイがかつて使用していたフィニッシャー。ロープに飛びのって背後にジャンプし、リング中央の相手にダイヤモンドカッターを仕掛ける。
最近ではコーナートップから背面飛びで決める「スーパーオスカッター」を多用している。

「ガンスタン」その2はタマ・トンガ。新日本プロレスを去ったカール・アンダーソンから必殺技として引き継いだ。これまた絶妙なタイミングで決める、なかなかに希少価値の高い技。
リバース・ガンスタンは、文字どおり相手の後頭部に飛びついて決めるガンスタン。ドルフ・ジグラーのジグザグのようなものか。

「ハワイアン・スマッシャー」は太陽ケアの必殺技。ファイアーマンズキャリーの体勢から仕掛けるダイヤモンドカッター。今では繋ぎ技。



……一つの技にここまで名称があるのは正直異常。創始者であるWWEのジョン・ロウリネイティス(ジョニーエースの現在の名前)に、正式名称を考えてほしいところだ。