インターネットの掲示板上で流布される「種散之儀」は捏造であるということはこれまで見てきた通りです。それでは真の「種散之儀」とは如何なるものであったのでしょうか。ここにそれを知るうえで貴重な史料となるものを掲載してまいります。
以上は私が吉田兼好の守護霊を呼び出し、自動筆記したものであります。皇族方の自慰の儀式「種散之儀」は決して自慰を形式的に行うようなものではなく、このような意味を持つものだったのであります。
後白河天皇が(即位する前に)親王と呼ばれていたころのことであった。公卿たちとの宴会に出席した親王は「紫の上を入内させたい」と仰られた。親王がこのようなことを言及するのは異例のことで、また、源氏物語に出てくる 架 空 の 女 性 を入内させるとするというのもたいそう不思議なことであったため、その噂は公卿たちからたちまち都の隅々にまで広がったのである。都の人たちは親王は乱心したに違いないと陰口をたたいたが、ただ一人平清盛だけが「これは親王とよしみを結ぶまたとない好機である」と言った。
宴会から一ヶ月ほど経過したある日、清盛は牛車を伴って親王邸に現れた。「どのようなご用件ですか」と尋ねた衛士に対し「紫の上が参った」と言った。それを聞いた女官たちがたいそう驚き親王に報告すると、親王は邸内に清盛を入れるようにと仰られた。
清盛は「さあさあ、降りなされ」というと、牛車から屏風を取り出し、邸内に運び込んだ。屏風にはたいそう美しい女性の裸体が描かれていた。そして清盛は親王に向かって「紫の上はこちらの屏風のなかにおられます。親王のお力であれば屏風のなかから人を出すこともできましょう」と言った。親王は「屏風のなかから人を出すのは例がないことである。しばらく一人にしてほしい」と仰られ、人払いをされた。
人払いをした邸内からは親王の息があらぶるのが響き渡り、そののち親王は寝てしまわれた。
朝になると親王は室内から現れ「紫の上は最近の世間が気に入らないと言って屏風のなかに戻ってしまった。私と夜を明かすときだけ出てくるそうだ」と仰った。
屏風のなかから人が出てくるとは、実に不思議なこともあるものである。
以上は私が吉田兼好の守護霊を呼び出し、自動筆記したものであります。皇族方の自慰の儀式「種散之儀」は決して自慰を形式的に行うようなものではなく、このような意味を持つものだったのであります。