夢の岩

流れの中で......。酔っぱらい渋谷さんの岩石生活日記。ロック的なるものを軸に音楽、プロレスを熱く語ります。

7枚のアルバム

 タイガースほど、その活動期間にリリースされたアルバムのカタログが整然としているバンドもそうない。

 トッポ在籍時にはファースト・アルバムとしてライヴ盤「ザ・タイガース・オン・ステージ」があり、初期ベストのようなサントラ「世界はボクらを待っている」があり、そして本腰を入れ創られたのが、全曲オリジナルの「ヒューマン・ルネッサンス」。

 シロー在籍時には後期ベストとして「ザ・タイガース・アゲイン」があり、オリジナルの新作として「自由と憧れと友情」があり、ライヴ盤として「サウンズ・イン・コロシアム」があった。

 前期と後期にオリジナルとベストとライヴがちょうど1枚ずつの計6枚。そして解散コンサートをハイライト収録した「フィナーレ」。

 実にスマートにスムーズに、バンドの歴史や変遷を活動期間の1967年から1971年に発表されたアルバムが物語っているのだ。しかも前にも書いたようにどれもがアートワークも秀逸で、長年のコレクションに耐えるものばかり。内ジャケ、歌詞カード、付録のポスター、ピンナップ、どこを取っても素晴らしい。当時のレコード会社の彼らに対する熱意が伺える。

 メンバー、スタッフ、ファンが三位一体となり、その絆にウソやごまかしがなく本物だった希有のロックグループ、それがザ・タイガースだった。

40thメモリアルがこれか...



 デビュー40周年を記念し、2006年にリリースされたザ・タイガースのメモリアル・アルバム2枚組。1枚目が既発シングルを収録したベスト盤。2枚目が1967年12月にサンケイ・ホールで行われたコンサートを収録したライヴ盤という構成。この音源は60年代、オープンリールのテープでわずか短期間しか販売されず半ば幻の作品となっていた。ここは素直に陽の目を見たことを喜ぼう。

 ジャケット写真はアナログ時代の名盤「ザ・タイガース物語 若き青春の想い出 Vol.1」のそれをそのまま流用。5人ばっちりカッコ良く映った写真など、他にいくらでもあろうものなのに、こんなイージーなデザイン、しょっぱなからイエローカードもんだ。1枚目の内容は選曲・順番ともに不可解この上なく、制作がわのモチベーションの低さが如実に伝わる惨憺たる代物。はっきり書いて蛇足の極み、である。

 2枚目のライヴだが、打って変わってこれは素晴らしい。同じサンケイ・ホールにて収録されたデビューアルバム「ザ・タイガース・オン・ステージ」に比べ、ジュリーの歌唱力もバンドの演奏力も格段に進歩している。睡眠すらろくに取れなかった過密スケジュールな中でも、よほどしっかりトレーニングは積んでいたのだ。舞台裏にトラのミュージシャンを用意しておくなんつぅ、ド三流GSとはやはり格が違うのだよタイガースは。

 サリーの『ラスト・タイム』、トッポの『ニューヨーク炭坑の悲劇』を聞くと、彼らがストーンズの黒さとビージーズの甘さを兼ね備えた希有のロック・バンドだったことが理解出来る。ピーのスピーディーなドラムスも圧巻。やっぱりアイ高野、大口広司。そして瞳みのるですなGS界3大ドラマーは。

 全体的には「これで40thメモリアルかよ...」との思いは否めないが、2枚目の超絶ライヴのカッコ良さに免じて許すとしよう。しかし、前にも書いたけどタイガースのベスト盤CD乱発し過ぎじゃない?

タイガースのブライアン・ジョーンズて...

 何度も書くがタイガース関連のウィキペディアには嘘が多い。それを鵜呑みにした後追い世代がろくに事実検証をせず、そこに自身の憶測を付け加えてワケのわからない寝言を2ちゃんねるだのツィッターだのの誹謗・中傷サイトに垂れ流し、デマが増殖し続ける。これぞまさしく腐のスパイラルである。

 1968年当時、トッポをタイガースのブライアン・ジョーンズと評したマスコミもあった? ならばその出典を、なんという誌名の媒体に誰がそう書いたのか、を明示すべきだ。そもそも洋楽情報が乏しかったあの時代に、ブライアンがストーンズ内で孤立していたことを知る芸能誌やスポーツ新聞など皆無に等しかったはずである。

 71年1月の解散コンサートでは、トッポも舞台に立ち「花の首飾り」を歌うハズだったが、ピーとジュリーの猛反対で実現しなかった。というのも事実と異なる。トッポ出演に猛反対したのはピーのみであり、トッポはそのことについて「僕は頼まれてもきっと出なかったでしょう。彼(ピー)は僕のために自分が悪者になって、僕の気持ちを代弁してくれたんです」とインタビューに答えている(「GS&POPS」ザ・タイガース特集号より)。

 ザ・タイガースは歴史と同時に伝説である。だからこそ、彼らについて書かれる文章は、その一字一句がきちんと事実に基づいているか? が問われる。自戒も込めて強調したい。

花の世界へ向けて

 1月24日のザ・タイガース、リユニオン。41年前の解散コンサートでは会場に駆けつけながら舞台に立たなかった男は、その夜結局姿を見せなかった。

 1981年の日劇ウエスタン・カーニバルや、82年の一連の同窓会に最も積極的であり、旧友との活動を喜んだはトッポだったと思う。当時「STUDIO VOICE」のタイガース特集号に、トッポは「またみんなと一緒になれてうれしい」とメッセージを寄せていたし、81年に発行されたGSムックにおいては、タイガースのメンバー中唯一取材に応じ「確かに沢田とは仲悪かった。でも、第三者が沢田のことをとやかく言うのを聞くともの凄く腹が立った。それは今でも変わらない」と答えている。

 トッポがタイガース脱退後にリリースした4枚のアルバムは、そのどれもがソフト・ロック史上に残る希有の名盤である。1970年代初期はロックといえば不良・大音量のイメージが強すぎ、彼の目指したサウンドを受け入れる土壌がそもそも存在しなかった。ちょうど英国シーンにおいて、元ヤードバーズのキース・レルフが結成したルネッサンスの名盤「イリュージョン」が、レッド・ツェッペリンの陰に隠れ全く陽の目を見なかったように。

 色々な人の様々な意見がある。それはそれでいい。僕は僕でアーティスト加橋かつみ、シンガー加橋かつみの素晴らしさを、このブログ上で綴っていきたいと考えている。

ザ・タイガース ベストアルバム考

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 CD時代となってからは手を変え品を変えリリースされ続けるザ・タイガースのベストアルバム。しかし、個人的なことを書かせてもらえば、そのどれもがアナログ時代の名盤「ザ・タイガース物語 若き青春の想い出 Vol.1&Vol.2 」を越えることは出来なかった。

 そもそもがバンドがリリースしたシングルを『僕のマリー』から『誓いの明日』まで年代順に収録すれば基本済む話し。だのにそんな簡単なことがレコード会社には出来ない。『出発のほかに何がある』の次に『星のプリンス』が来るなんつぅCDもあれば、何故か? ラストにPYG(!)のナンバーを収録したCDも存在した...。

 加えてジャケットに使用される写真のセレクトの酷さ!! 誰がどう見てもバンドとしてタイガースのビジュアル絶頂期は1969年だろう。その中からトッポ在籍時のもの1点、シロー在籍時のもの1点を選べば、後はそんな手の込んだデザインも必要ないハズ。なんで判で押したように手垢にまみれた67年や68年の写真ばかりを使うのかね? しょうもな...。

 ビートルズ唯一無二のベストアルバムがあの赤盤・青盤以外あり得ないように、タイガースのベストアルバムもやはり「タイガース物語」のVol.1&Vol.2以外にあり得ないというのが僕の持論。

 ただVol.2に関しては、付録ポスターと裏ジャケに使われた写真、選曲にやや難あり、か? ポスターの写真は幻の『美しき愛の掟』フォト・セッションのものだが、Vol.2はあくまで第二期タイガースの集大成なのだから、やはりシロー時代のものにしてもらいたかった。裏ジャケに使われた解散コンサートの写真は、画角が悪くサリーが切れてしまっているのが痛い。

 選曲は収録時間の都合上「自由と憧れと友情」から2曲が外されてしまった。『人は...』と『海の広さを知った時』。Vol.1が「ヒユーマン・ルネッサンス」を一応完全収録していたこと、そして当時「自由と憧れと友情」が廃盤状態にあったことをを考えれば、ここは『君を許す』と「フィナーレ」にライヴ収録されていた『友情』は外してでも、『人は...』と『海の広さを知った時』は入れてもらいたかった。

 というワケで、最後に僕個人の選曲によるザ・タイガース、ベストアルバムをリスト・アップしてみた。基本、シングルをリリース順に並べただけであるが、こんな簡単なことも出来ないレコード会社には再度猛省を促したい。ちなみにCD2枚組である。

【Disc.1】
1. 『シーサイド・バウンド』
2. 『こっちを向いて』
3. 『僕のマリー』
4. 『星のプリンス』
5. 『モナリザの微笑』
6. 『真赤なジャケット』
7. 『君だけに愛を』
8. 『落葉の物語』
9. 『銀河のロマンス』
10. 『花の首飾り』
11. 『シー・シー・シー』
12. 『白夜の騎士』
13. 『光ある世界』
14. 『廃墟の鳩』
15. 『ジンジン・バンバン』

【Disc.2】
1. 『青い鳥』
2. 『美しき愛の掟』
3. 『風は知らない』
4. 『嘆き』
5. 『はだしで』
6. 『スマイル・フォー・ミー』
7. 『淋しい雨』
8. 『君を許す』
9. 『ラヴ・ラヴ・ラヴ』
10. 『都会』
11. 『怒りの鐘を鳴らせ』
12. 『素晴らしい旅行』
13. 『散りゆく青春』
14. 『出発のほかに何がある』
15. 『誓いの明日』

以上。体裁も選曲も曲順もこれがベスト、と思うのだが...。

夢のつづき

 見事な、いや、美事と書いていいくらいにスジの通ったオトシマエの付け方だったと思う。

 21年前の武道館公演と全く同じメンバーが舞台に立った。歌い、弾き、叩いた。そのことによって1971年1月24日から2012年1月24日の、丸41年という歳月は明確に地続きのものとなった。

 自分でもそう歌っていたように、沢田研二は振り返ることが好きじゃない男だ。ただ明日のことを思って生きよう。そんな男の、今回の“ザ・タイガース”に賭ける意気込みは尋常ならざるものがあった。もう1度タイガースとして、メンバー6人揃ったコンサートをやりたい、との思い、願い。

 その根底にあるもの。それはこの41年間、ずっと変わらずに自分を支持してくれたファンへの感謝の気持ち、としか考えられない。

 この世で一番“真実に近い生き方をしている男”だからこそ、何千何万語費やしても表しきれないファンへの感謝を、こういう形で結実させてみせた。

 もちろん、その思い、願いはタロー、サリー、ピー、シロー。そしてトッポの総意でもある。こんな素晴らしいロックバンド、世界中どこを捜したってない。

「ザ・タイガース・フィナーレ」考

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 ライヴ・アルバムは作品であると同時に“記録”の側面も持ち合わせる。ジャンルにおける歴史的価値が高ければ高いほど、その記録は事実に沿った形で残されるべきであり、このぶん後世に伝える意義も大きく鮮明になるというものだ。アルバム「ザ・タイガース・フィナーレ」のことである。

 実際には第一部、二部に分かれたロング・コンサートだったあの1971.1.24武道館公演だが、半年後の71年7月発売のアルバム「フィナーレ」は、演奏曲を大幅にカットしたハイライト収録になっており、コンサートの熱気と興奮、感動や躍動を“十全に”捉えたものとは言い難かった。

 歳月が流れ21世紀に入ってリリースされたタイガース・アンソロジーのボックス・セットに、「フィナーレ」は当日の二部に演奏されオリジナル・ナンバーを中心に曲を補充。2枚組に体裁が整えられた。

 この「フィナーレ」2枚組ヴァージョンを聞くと、僕はいつもジミー・ペイジ監修のもとでリマスタリングを施したレッド・ツェッペリンのライヴ・アルバム「永遠の詩 最強盤」を想起する。完璧を期し再編されたハズなのに、曲間や曲中における余計なカットが記録としての価値を下げてしまったという...。

「フィナーレ」の2枚組も収録曲を増やしたぶん? 既発盤には収録されていた曲間のMCを大幅にカットしており、記録の側面を度外視したズサンな編集で、アルバム自体の完成度を貶めてしまったような、そんな気になってしょうがなかった。

 加えて全曲完全収録とも言えない代物である。特に一部において演奏されたレアな洋楽カバーがお蔵入りのままなのは痛い。タイガース版「ギミー・シェルター」、「光ある限り」。ぜひ聴きたいものだが...。

 前にも書いたが、僕はYouTubeへの著作権・肖像権クソくらえ的な音源や画像の違法(無法)アップに対し「ずっと捜していました。ありがとうございます」だのと、書き込む輩とは違う人種である。

 聴くなら聴く、観るなら観る。キチンと正規に金を払い、スピーカーやモニターの前で正座して鑑賞すべきという信念の持ち主だ。だからこそ言葉本来の意味における「ザ・タイガース・フィナーレ」の完全盤リリースを切望してやまないのである。3枚組だろうが構わない。その際には少なくとも2枚は購入するつもりだ。もちろん映像も。

「ザ・タイガース・アゲイン」考

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 1970年9月にリリースされた後期タイガースのベスト・アルバム。メンバー・チェンジ以降に発売のシングルAB面に、加橋かつみ在籍時のヒット曲『シー・シー・シー』を加えた収録全12曲。沢田研二名義の『君を許す』は当然外されている。

 大成功のうちに終えた田園コロシアム公演直後なだけあり、表ジャケット、内ジャケット。そして付録のポスターにもその際撮影された写真を使用。ゆえに? 『ザ・タイガース・フィナーレ』付録の年表にはこのアルバムについて“田園コロシアムにおけるライヴ音源をメンバーが中心となってセレクトし、観客の声援がそのまま収録された迫力あるレコード云々”などという、とんでもない事実誤認(校正ミス)があり、まだ幼く疑うことを知らなかった自分は「洋楽のカバーだけじゃなくて『シー・シー・シー』や『はだしで』まで演奏していたのか!? でも大半の曲が『サウンズ・イン・コロシアム』と被っているが」と、当時廃盤状態にあった「アゲイン」を求め、都内の中古盤屋を血眼になって捜しまわったのを覚えている。苦労の末入手し、ターン・テーブルに乗せた時点で「金返せ、バカヤロー!」と叫んだことも...。ホントあの年表はないっスよ。まっ、今だから笑えますがね。

 すでにこの9月の時点でタイガースの解散は内定していた。後はそれをいつ、どういう形で発表するのか? のちにその幕引きの方法を巡りピーと他のメンバー、中井マネージャーの間にすれ違いが起きてしまう。

 ただ、「アゲイン」に関してはこの時期に後期タイガースのシングル総決算的なアルバムを、という意図で5人の見解は一致していたと思われる。ジャケット・デザインが滅茶苦茶いい。タイガースのアルバムはどれもデザインが秀逸だが、中でもこれは素晴らしい。数年前にリリースされたベスト・アルバムには「アゲイン」のデザインがほぼ十全に流用されていたぐらいなのだ。付録ポスターの写真もその手ぶれ加減が「もう、単なるニコパチのピンナップ・アイドルじゃないんだ」というメッセージのような気がして個人的には大好き。特にサリーがカッコいいわな。

 どうしても引っかかるのが、アナログA面3曲目の『シー・シー・シー』である。“これまでどのアルバムにも収録されてないから入れました”って感じの安易な発想が見えみえで、作品のトータリティーを下げることおびただしい。全11曲だとAB面のバランスが崩れるというのなら、映画「ハーイ!ロンドン」の劇中挿入歌だった『LOVIN' LIFE』を入れて体裁を整えるべき。「世界はボクらを待っている」に『イエロー・キャッツ』が収録されていたように、だ。奮発して『坊や祈っておくれ』と『あわてものサンタ』を加えた収録全14曲というのもあったかな? 

自由の哲学

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 リリースは1970年2月。激動の60年代が終わり、この先時代はどう変化していくのか? 来る70年代への希望と願いを凝縮したような、ユル〜くはあるけれど、確固たるメッセージが内包されているアルバムである。

 シンプルなアレンジは楽曲自体の良さを際立たせ、2人の純朴なヴオーカルが歌詞にリアリティを与える。『花咲く星』、『しま模様の空』『白い街』『マザーネイチャー』...。サリーのブルージーなバスとシローのソフトなハイトーンの対比が秀逸だ。

 2人のソロということもあり、演奏にタイガースのメンバーは1人も関わっていない。にもかかわらずバンドの息吹きは明確に伝わってくる。「サリー&シロー」と「自由と憧れと友情」。この2枚が揃って初めて後期タイガースの全貌が露になるような、そんな趣すら漂う。

 『自由の哲学』のサビにおける「人生はそんなに悪いものじゃない」のフレーズを、よほどサリーは気に入っていたのだろう。PYGのラスト・シングル『初めての涙』のB面に収録された『お前と俺』のエンディングに寸分たがわぬ形で、その一節を聴くことが出来る。それが『サリー&シロー』とタイガース、そしてPYGは地続きなんだという、サリーのメッセージのように思えるのは果たして僕だけか?

誰もとめはしない

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 創意工夫のないジャケット・デザインは噴飯ものだが、内容は充実したレア音源集。1990年に発売されたザ・タイガースのボックス・セットに特典的意味合いで収録、その後“新CD極上音楽シリース”の1枚として95年に単体リリースされた。

 純然たる未発表曲を始め、既発曲の別テイク、オフィシャル・アルバムには未収録だったプレミアム・ナンバーなど17曲がズラリ勢揃う。うち数曲は80年代、沢田研二がパーソナリティーをつとめたラジオ番組の中で聴いたことがある。でも、エア・チェックしたテープが劣化によりおしゃかとなってしまったのでなんともありがたく、店頭で手に取ったときはワクワクしたことを思い出す。加えてジャケットの酷さに呆れたことも(しつこい)。

 個人的なお気に入りはこれぞバンド・サウンド! といった感じの『南の島のカーニバル』。ライナーノーツでもふれてるが、初期のモップスを彷彿させるサイケデリックな『傷だらけの心』。極上ソフト・ロック『LOVIN' LIFE』。サリーの黒っぽいヴォーカルがカッコいい『ハーフ&ハーフ』あたり。

 特筆すべきは沢田研二のソロ・アルバム『JULIE』にも収録された「誰もとめはしない」のタイガース・ヴァージョンだ。甘ったるい歌の多かったあのアルバムの中では抜群にノリの良いこのナンバーが、タローのギター、サリーのベース、ピーのドラムスによってさらにR&Bテイストを増し、サビをジュリーとシローのデュエットが引き締める。ジュリー&トッポのハーモニーはもちろんだが、ジュリー&シローのそれもまた別な味わいがあって僕は大好き。ホーンのアレンジがビシっと決まってるし、歌詞の♪疲れた心は〜♪の、♪こころぉ〜は♪のところでジュリーが巻き舌になるのも、またカッコいいやね。
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