活字の砂漠で溺れたい

好きな時に好きなことを好きなように書き散らそう・・・

事件上に築かれた物語

グリコ・森永事件をモチーフにした小説を読んだ。
塩田武士氏の「罪の声」である。

グリコ・森永事件を題材にした小説というと
高村薫女史の傑作「レディ・ジョーカー」を想い出す。
「レディ・ジョーカー」が
同事件をたんなる題材にしていたことに比べ、
「罪の声」での塩田氏は、
自らもあとがきで書かれている通り、
同事件全体の時間、場所、時系列まで全てを、
正確にトレースしている。

そしてそのトレースした幻の土台の上に、
小説としての見事な物語部分を構成している。続きを読む

ニューウエーブの失敗

和田竜氏の
「のぼうの城」を読んだのは
当ブログを遡ってみたらなんと、
2010年1月のことであった。
時の経つのは早いものである。

→ 当ブログ内 「ポップにヒストリー」 参照

新しい時代の時代小説、
とでも言えばいいのか。
文中の会話を現代風の言葉で書き表したり、
当時、和田さんのことを、
富樫倫太郎と並ぶ時代小説界のニューウエーブ、
と感じたものだった。

その和田氏が
本屋大賞、吉川英治文学新人賞を独占した、
「村上海賊の娘」を読んでみた。続きを読む

気になる去就

今野敏さんの隠蔽捜査シリーズ
大好きなシリーズの最新刊は「隠蔽捜査6 〜 去就」  
前作 5.5 と同様、電子版でチャレンジしてみた。

相変わらずのテンポの良さ、
主人公「竜崎」のシュールな思考と発言が楽しくも嬉しい。
さらに本作では竜崎の奥様お嬢様も、
とてもいい味を出されていたことを特記しておこう。続きを読む

熱気と喧騒の街

台湾の一青年の青春を描いた作品を読んだ。
2015年度上期の直木賞受賞作品
東山彰良氏の「流」である。

物語は1975年、
主人公の青年が17歳の時に始まり、
彼の青春という名の人生が
台北の街を舞台に描かれていく。

一度だけ台北を訪ねたことがある。
確か1986年の春だったと記憶している。
それは入社二年目にして初の海外出張だった。続きを読む

共鳴する文章と音楽

最近はすっかり
読書ブログの方々とも疎遠になっている。
しかし年末年始には御挨拶でコメントを交わしたり、
細々とではあるが親交は続いている。

そんな読書ブログ仲間、
年間に百冊以上の読書量を誇る
「Bookworm」の「すずな」さんと
「苗坊の徒然日記」の苗坊さんが
昨年のナンバーワンに推された作品を読んでみた。

国際コンクールで戦う若きピアニストたちの物語だった。
そう、2016年度下期の直木賞受賞作でもある、
恩田陸さんの「蜜蜂と遠雷」だ。続きを読む
書いている人のこと
yori

静岡県出身
神奈川県在住 男
ついにいよいよ50歳・・・
一介の読書人が、
徒然に思いの丈を綴ります。
ブクログ 既読本
こめんと
記事インデックス
月別アーカイブ
Since 2005年2月
  • 累計:

  • ライブドアブログ