活字の砂漠で溺れたい

好きな時に好きなことを好きなように書き散らそう・・・

戦後ドサクサ文学の結晶〜短編集 禁酒宣言

上林暁氏の短編集「禁酒宣言」である。
昨年末に神保町の東京堂で平積になっているのを見掛け購入した。
こんなに渋い文庫本を平積にしている東京堂にまずは恐れ入った。
などと偉そうに書いているが
僕は上林暁という作家を存じ上げなかった。
調べてみれば戦後の私小説界では
それなり以上のビッグネームであったらしい。
そう、禁酒宣言、なのである。続きを読む

京都の戦争〜新潮新書 京都占領

「京都占領 1945年の真実」

秋尾沙戸子さんの新書である。
日経新聞の広告で興味を持って購入してみた。
読み始める前は作者のお名前も知らなかったし、
読み始めてからも何も検索等はしなかった。
まったくの白紙で読み始め読み進めた。

戦中から戦後にかけての
京都という町の戦争と戦後。
とても興味深い記述が多かった。

伝承と史実、噂と事実、
諸々が丁寧に検証され記述されていく様は
読んでいてもとても小気味が良かった。続きを読む

標的は女性総理候補 小説 標的

真山仁氏「標的」
Amazonの括りによれば、
真山仁さんの正義と権力シリーズ
3部作の第3段なんだそうだ。

確かに2作目「売国」の続編的要素は強い。
冨永検事はじめ特捜部のメンバーは
前作に引き続き勢揃いだし、
1作目の「コプラティオ」からは
暁光新聞の神林他、あの上條氏も再登場だ。

そう、この三部作、
実はしっかり順番通り、読破することが出来た。
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バリバリ伝説は伝説になった

しげの秀一氏
「バリバリ伝説」である。
大学生の頃に熱中して読んだ。
確か少年マガジンの連載だったか、
連載中はオンタイムで、
コミック化されればもちろん購入して読み耽った。

大人になって、今では当時の紙のコミックは
中古品でしか購入できない。
しかし時代は進んでいる。
探してみれば電子版でリリースされていた。

今回、kindle版で1巻から11巻まで購入、
第一部と呼ばれるクールを
じっくりと楽しみながら、懐かしがりながら
そしてやはり熱狂しながら読ませていただいた。
やっぱり良いものはいい、名作です。続きを読む

検事と宇宙の物語は上質なミステリー〜小説 売国

真山仁氏「売国」である。

面白かった。
基本は政治小説であり、
日本の宇宙開発に関する苦難の物語なのだが、
それと合わせ技で、
上質なミステリーとして成立している所が凄い。

小説「売国」は僕の真山仁氏へのイメージを
良い意味で崩壊した作品となった。続きを読む
書いている人のこと
yori

静岡県出身
神奈川県在住 男
いよいよ50歳代も後半・・・
一介の読書人が、
徒然に思いの丈を綴ります。
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