東京オリンピック招致活動が賑やかだ。
最近では都営地下鉄の各駅には、
必ずと言っていいほどに、
東京都が製作したその類のポスターが貼られている。

招致については、色々な意見があるようだが、
個人的には、ぜひ夏のオリンピックを
日本で見てみたいと思う。

僕には前回の東京オリンピックの記憶はない。
わずか2歳にも満たない年齢だった。
そんな当時の風俗を色濃く描き出しながら、
そこにミステリー的ストーリーを絡めた小説がある。
奥田英朗氏の「オリンピックの身代金」だ。
奥田さんの小説は2冊目だった。
もう随分と昔に「最悪」という本を読んだきりだが、
ストーリー展開のテンポの良さと、
シンプルで断定的な文体は
好感度が高かったと記憶している。

今回読んだ「オリンピックの身代金」からも
まったく同じ印象を受けたから、
この作風はまさに奥田英朗氏の真骨頂なのだろう。

僕自身が生まれて間もない頃、
高度成長と相変わらずの貧困、
都市と地方、雇用者と被雇用者、希望と挫折、
全ての事象はまるで光と影の対象物のようだ。

ミステリーとしてよりも
風俗社会小説として楽しめた「オリンピックの身代金」
僕の父や母が若き日々を過ごした時代、
そんな時代の空気が伝わってきて、面白かったです!!

オリンピックの身代金(上) (角川文庫)
オリンピックの身代金(上) (角川文庫) [文庫]