万城目学さん初の時代物、
しかも大長編で、尚且つ、伊賀の忍者物となれば
期待は殊の外大きい。

タイトルは 「とっぴんぱらりの風太郎」である。

しかし、読後感は鈍かった。
部分的には面白い処も劇的な場面もあったけれど、
ただただ無駄に長い、同じ事柄を違うエピソードで、
繰り返し繰り返し語られたという感じ。

ストーリー展開も平凡すぎるくらいに平凡で、
万城目ワールドな所は全く感じられなかった。

元々勝ち味が遅い作家でもあり、
後半に期待という気分で読み進めたが
後半になればなるほど、
無駄に長いという印象は深まるばかりだった。
ただ、この物語を読み終えた瞬間に、
万城目さんの「プリンセス・トヨトミ」を再読したくなった。
「とっぴんぱらりの風太郎」はある意味、
大阪城落城から400年後の「プリンセス・トヨトミ」に寄せた
プロローグだったのかもしれない。

そうだとしたら、それはそれで、
本作は実に興味深い物語ではあったと思う。

何とも微妙な読後感、随分と辛口な書感になってしまったが、
これまでに数多の傑作を紡いできた万城目さん、
次作に期待したい。

とっぴんぱらりの風太郎
万城目 学
文藝春秋
2013-12-20