恒川光太郎という作家は
異界を描いて秀逸である。
彼の作品を数冊続けて読んだのは
かれこれ10年程前になる。

それ以降は何となく、
作風との肌合いが悪くなり、
遠ざかっていたけれど、
数年前に読んだ一冊では、
以前とはまた違った世界観に惑わされた。

その時にブログ仲間、
水無月さんとすずなさんから
強くプッシュされた恒川作品が
「金色機械」だ。

タイトルからして妙というか、
怪しいというか、そんな印象だった。
当ブログを遡ってみれば、
あれから5年半が経過していた・・・
たまたまブックオフで見かけた「金色機械」
タイトルに覚えがあって、
そうだそうだと想い出し、購入した。

読み始め数ページで、
僕は金色機械の世界観に、
すっかり魅了されてしまった。

何だろうか、この生々しい文章の触感は。
舞台となる時代は江戸、
そこにSFとミステリーとホラーの要素を加えた、
ある種、痛快な設定の上を、
奇抜な物語が縦横無尽に駆け巡る。

時代は前後し、交わり合い、絡み合い、
解れ合いながら物語を彩って行く。
何度も何度も今読んでいる章の、
時代を確認しなければ、
読者は物語の中で迷子になる。
不思議なことに、迷子にならないための、
その作業すら苦にはならない。

すっかり金色機械に魅せられた。
読後もこの艶めかしい世界が頭から離れない。

物語最後尾には、
続編を思わせる記述も見られるが、
どうなのだろう。

恒川光太郎氏 「金色機械」
面白かった!! 満足です!!

金色機械 (文春文庫)
恒川 光太郎
文藝春秋
2016-05-10