昨日、N児の練習に鈴木輝昭先生がいらした。
もちろん、来月のN児の定演のためではあるが、今回は少し違う。
普通であれば、作曲家が自身の作品を演奏する団体の練習に
招かれた場合は、一般的に「立会い」と言い、
その団体が演奏会に向けて行う練習を聴き、
あれこれと注文をしたり、アドヴァイスを行うのが一般的。
が、今回は鈴木先生に立会いをお願いしたとjころ、
「全ての曲の練習を僕にやらせてください。」という
リクエストがあった。これは、ある意味異例のことだが、私は
喜んで快諾した。
このようなリクエストを彼がした理由の一番は、
限られた練習時間で効率よく自身の要望を伝えるということだ。
しかし、私はそれだけ彼が、N児の定演「鈴木輝昭作品集」に
本気で期待してくださっていることだと感じた。
ありがたいことだし、毎度言うが、本当に恵まれた合唱団だ。
練習は、各曲二時間というハードなものだったが参加した者にとっては
大変、大変貴重な時間だった。

「森へ」「イーハトーブ組曲」共に、その作品を生み出した作曲家から
直接指導を受けられるというのは本当にありがたいことなのだ。
私に言わせれば、ベートーヴェンやモーツァルトに直接指導を受けて
彼らの作品を演奏できるぐらいビッグなことだ。
少し大袈裟かなぁ〜〜
いずれにせよ、とても充実した時間だった。
鈴木先生も、大粒の汗を流しながらの熱い練習だった。

それを受けての今日の練習。
来た人たちには話したが、
私たちの合唱団の年間に百数十回ある練習の中で、
ベストスリーに入る大事な練習だった。
前日に、作曲家から生のメッセージを頂き、
翌日、その目標に向かって皆で音楽を創っていく作業。
これは、演奏会にむけて最も重要で楽しい音楽時間だ。
休んだ人、残念。
昨日と今日のことは、言葉や文字では伝えられない。
なぜなら、それが音楽だから。
何時も言うように、音楽する行為は決して誰かがあなたの代わりを
してくれるものではない。
あなたが感じたものを、感じたように表現し
みんなで合わせていくのが合唱だ。
そして、そこで出てきたのがN児の音楽だ。
そこに居なければなにも始まらないし、起きない。
しかし、休んだ人たち、まだギリギリ手遅れではない。
みんなの歌の中にこの二日間の余韻が残っている。
あとわずかな時間だが、早くそれを感じ取ってほしい。
そして、舞台の上にいる人たちが全員一体となって
N児の音を創れたら素敵だ。