つれてこられたのはプールサイズの大風呂ではなく、奥にあった小さめの浴槽だ。楕円形で底が浅い。湯の色は淡い緑色。わずかに硫黄の匂いがする。天然の温泉なのかもしれない。

「こ、この椅子は……もしかしてっ」

 座面が大きくUの字に歪曲している。色は黄金色。素材はなんだろう……まさかプラスチックじゃないよな。

「スケベ椅子……か?」
「ふふふ、ご主人様もお好きなようですね。ご名答ですわ」

 ユメイアが意味ありげに微笑んだ。
 チョーカー付属の翻訳魔法は受け取った言葉の“概念”を読み取り、この世界の言語に変換するらしい。スケベ椅子がどういった言葉になったかわからないが、その意味はしっかりと伝わっているはず。

「……この世界にもあるんだな、これ」
「ええ。『悲憤の日』より前は、殿方の躰を癒す店がありましたので。その名残ですわ」

 まあそうだよな。むしろないほうが不自然というか。
 俺はユユから離れ、スケベ椅子の前にしゃがみ、それをさわってみた。やはりプラスチックのような感触だ。スベスベしていて、水を弾き、ある程度の硬さがある。

「この椅子はなにでできているんだ?」
「元は【パソラド】という鉱物ですわね。万能鉱物とでもいいましょうか。魔法を使って精錬すれば頑丈な鎧にもなりますし、逆に――」
「ママ? マットってこれでいいんだよね?」

 少女メイドの声で顔をあげる。彼女はねずみ色のバスマットを引きずっていた。縦は二メートル、幅は一メートル弱、厚みは二十センチくらいか。端っこには枕のようなふくらみがあって――というかこれは、ソープマットだな。

「ありがとう。それで合ってるわよ。……と、このように弾力を保ちながら、空気を閉じこめることもできる、ゴムにもなります」

 ユメイアが口にした言葉が、俺には“ゴム”と聞こえる。本当ならば、異世界の言葉を喋っているはずなのに。あらためて思うがすごいな、翻訳魔法。

「スケベ椅子、バスマット……そしてこの特性ローション。すべて【ピニュポリピュ】の特級品ですわ。ふふ……ご主人様にうんと愉しんでいただきたくて用意いたしました」

 ビール瓶のような容器を手のひらに傾けるユメイア。トロッとした透明の液体が垂れてくる。腕を伝い、彼女の腹や太ももを濡らした。照明の光を受けて、白い肌が鈍く輝いた。
 もう童貞でもないのに、その眺めにドキドキしてしまう。目を逸らし、気になったことを訊ねた。

「そ、その【ピニュポリピュ】というのは?」

 ずいぶん発音しづらい。ヨヴィアの暴力妖精みたいだ。

「工房名ですね。所謂……ふふっ、オトナの玩具を製作する――【ピニュポリピュ工房】。『悲憤の日』以後に設立され……今では業界最大手。特に女性の心を鷲掴みにしたのは……これでございます」
「お、おお……! ディルドかっ……!」

 どこからだしたのか、ユメイアが男性器を模した張形を握っている。パソラドで造られているのだろう、色は黒。全長は十五、六センチ程度か。立派なカリ首に太い肉幹、ごつごつとした造形は――。

「……なんか、妙にリアルだな」
「はい、その通りでございます。この精巧な造りが寂しい女を虜にしました。恥ずかしながら……ふふふ、私もその一人でございまして」

 うっとりとした表情でユメイアがディルドを撫でる。
 もしかして彼女の私物なのだろうか。その真っ黒の一物で熟れた肉壺を慰めていた? 喉がゴクリと鳴ってしまった。
 その音が聞こえたのかどうかはわからないが、熟女は俺の股間へ流し目を送ってきた。

「しかしそれも……今日限りになりますでしょうか。前置きが長くなりました。さあ……【胤馬】様、こちらの椅子にお座りください。ユユ、あなたはママの隣に」
「う……うんっ」

 母の合図で娘が動いた。
 俺も彼女に従った。スケベ椅子に腰をおろし、大きく股を広げた。何気なく後ろを振り返る。

「……レリア、それじゃあ見えないだろ」

 普通の木椅子に座った【監査官】がいた。彼女はなぜかメガネをかけている。風呂の湯気のせいで雲っていた。

「見る必要があるのは最後――あなたの、その……射精が終わった後ですから」
「なるほど。わざとそうしてるというわけか」
「理解がはやくて助かります」

 メガネの位置をクイッとなおすレリア。格好をつけているつもりなのかもしれないが、レンズを曇らせた真顔のスク水少女はどっちかというとシュールだぞ? まあ、つっこむのはやめておくか。

「それではご主人様、これよりご奉仕をはじめさせていただきます」
「よろしくお願いします……っ!」

 バード親子の声で振り返る。二人は大理石の床に三つ指をついて頭をさげていた。

「あ、ああ……こちらこそ」

 まんまソープランド状態だ。脳裏に過ぎるのはヤナギコさんの姿。一日しか経っていないはずなのに、顔がもう思いだせなかった。

「さて……まずは即尺を。ユユ。男の人はね、洗っていないおちん×んを舐めてもらえたらとてもよろこぶのよ。……ですわよね?」

 上目遣いをしたユメイアが朱色の舌を覗かせる。口で返事をするよりはやく、牡棒がビクンッと跳ねた。

「勿論だ。舐めてほしいな、ユユに」

 腰を少しだけ浮かせて少女の方へ切っ先を向ける。腹の下にグッと力を入れると、尿道からカウパーが一滴とびだした。

「あぅ、う……ううっ。は……はい、わかりましたぁ」

 玉座の間では溌剌としていたユユが、今は泣きだしそうにふるえている。申し訳ないと思う反面、そのギャップに興奮してしまう。

「ふふ……そんなに怖がらないの。だいじょうぶ。ママもいっしょに……お手本を見せてあげるからね。……失礼します、ご主人様」

 熟女メイドが正座をしたまま、俺の脚の間に滑りこんできた。チュッと、肉感たっぷりの唇で亀頭にキスをする。

「おッ! あぁ……ユメイアぁ!」

 じゅっ、ちゅぷぅ……ちゅるるるっ。
 先端の肉を咥えられ、溢れていた粘液が吸われた。その勢いは驚くほど強い。快感で下肢がふるえだす。

「ふあぁ……! はァ……ン。久しぶりですわ……ああ、このにおい、味、喉越し。やっぱり本物は違いますわね」

 上気したユメイアがうっとりと笑った。濡れた唇がエロくてしかたがない。

「ユユ、次はあなたよ。今、ママがしたとおりにやってごらんなさい」
「……うん。し、失礼します……ご主人さま。あ……むッ」

 少女メイドは思い切りがよかった。幼い肢体をずいっと寄せてきて、ぱくっと俺の分身を咥えた。軽く歯があたったが、それすらも気持ちよくなるほど肉塊は滾っていた。

「んむぅッ……ちゅっ、ちゅっ。じゅるっ、ちゅるぅ……ふぁっ、んぅうう……んちゅっ、じゅるるるッ!」

 拙いながら一生懸命な奉仕だ。鈴口を吸うだけではなく、舌を使って亀頭やカリ首まで舐めている。もしかしたら、予習をしていたのかもしれない。

「あっあっ……ああっ。いいよ、ユユっ。そのままつづけてくれっ」

 眼下にあるユユの頭を撫でる。さわり心地のよい髪の毛だった。
 苦しそうだった彼女の表情が幾分かやわらいだ。そういえば聞いたことがあるな。女の子は頭を撫でられるのが好きだって。イケメンのみに許されたイケメン行為だと思っていたが……どうやら俺にも資格はあるらしい。

「いい子だ。そう……大胆に舌を使って、筋のところをくすぐって……穴はもっときつく吸って。うぅッ! いいぞぉ……ユユは最高のメイドだっ」

 褒め言葉を添えて、頭を撫でつづけた。

「ふわぁ! あ、あぁ……ご主人さまぁ。ありがとう……ございますぅ。ちゅっ、れろ……れろぉ」

 ユユが俺のち×こから口を離し、息を継ぐ。もう彼女の顔は完全に牝だ。蕩けきっている。パンパンに張った亀頭に口づけし、ピンク色の舌で裏筋を舐めてくる。

「ふふっ、さすが私の娘。ご奉仕好き……メイドの才がありますわ」

 牡棒を舐めしゃぶる娘を、うれしげに見守る母親。異様すぎる光景だ。しかしこれも異世界ならでは、か。心置きなく愉しませてもらおう。

「ユユ……そのままご主人様の御棒を愛していてちょうだいね。ママは……」

 俺をちらりと見上げて、ユメイアが微笑する。膝立ちになって俺の後ろへ移動していく。

「せっかくのスケベ椅子ですもの。ご主人様のここも……ご奉仕しなくちゃですわよね。うふふっ」
「えッ? あ……ああッ! ユ……ユメイア、そこはっ!」

 にゅぷっ。
 はじめて味わう感覚に、俺は悲鳴に近い声を漏らしてしまった。
 背後から熟女メイドの忍び笑いが聞こえた。

「ご主人様のおしりの穴……。どうやらはじめてのようですわね。お覚悟くださいませ……ふふっ」