「では皆さん、今日は特別授業です。科目は保健。男女の躰の違いや性交の方法を学んでもらいます」

 異世界に召喚されて三日目。
 俺はラトリドル国立高等学校にきていた。首都マース内の学園区にあり、フェイカー城からは二キロ程度の場所だ。クラスは二年一組――といっても、今では学年に一クラスしか存在しないらしい。
 原因は勿論《創世神》。『悲憤の日』に男が消され、学生数も当然半分になった。さらに、世界的に労働力が足りなくなったせいで、若い女性も働かざるを得なくなった。結果、学校に通い勉学に集中できる女子は、かなりの少数になったということだ。
 ――と、いっしょにきた【監査官】に聞いたんだけどな。
 教室の大きさは俺のいた世界のものとほぼ変わらないはず。だいたい四十畳程度だろう。教壇に向かって右側が廊下、左側が校庭になっている。教室後方にはロッカーと本棚、前面には黒板だ。天井付近にはランプタイプの魔法灯がいくつも浮いている。朝の十時なのでまた点いてはいないが。机、椅子、床や壁は濃い色の木が使われている。内装だけに限っていえば、年季の入った木造校舎といった感じだな。

「特別講師として、異世界よりいらっしゃった【胤馬】であるタケル先生をお呼びしています。……タケル先生、どうぞ」

 紹介してくれたのは二年一組の担任教師であるジュリア・サービ。
 ヨヴィアとラトリドルのハーフと聞いた。見た目は三十代前半くらいだが、百年以上生きている《徹宵綺人》とのこと。淡い桃色のウェーブヘアーは肩までの長さ。切れ長の垂れ目でオッドアイ。右が紅色、左が黒だ。白の長袖ブラウスを着ており、胸元にはポーラータイ。タイトな紺色スカートは膝上までの長さだ。脚は黒タイツで包んでいる。足元は同色のハイヒール。
《出歯亀千里眼》でジュリアのサイズはチェック済みだ。身長は百六十八。スリーサイズは百一、六十、九十八。Jカップ。
 うん……とんでもないドスケベボディだ。ブラウスはパツパツで今にもボタンが弾けとびそう。ふっくらとした唇は艶やかで見ているだけでドキドキする。
 男子中学生が精通してしまいそうな女教師の横に俺は立っている。つまり、二年一組の教壇だ。

「あ、え、えっとー……よろしく、な。ははっ……」

 三十名の異世界JKたちに挨拶をした。
 てっきり「キャーーーーーッ!」という黄色い歓声が返ってくるかと思った。が、予想とは違い、反応は妙に生々しかった。

「ね、思ったより小さくない?」
「うん……教科書や小説だとおっきく描かれてるもの」
「でも、んッ……! においは……あたしたちと違うよ? すごく……こう、濃い感じ」
「それに、ほら……首とか太いし。あれが喉仏でしょ? ごつーい」
「……はやく。……見たい。……ち×ぽ」

 教室のあちこちからヒソヒソとした声が返ってきた。おまけに、全身をジロジロと視姦されている。
 ううッ……! 学校にくるまではJKと女教師とヤれる! とテンション高かったけど、こうなってくるとな……。まんま、女子校に男一人放られた状態だからな。……いや、この世界自体がそうだっけ。
 とにかく、心許ない。恥ずかしい。モジモジとしてしまう。
 助けを求めるように、俺の隣に立つレリアを見た。彼女は今日はこの学校の制服を着ている。白のブラウスに深い緑色のブレザー、チェック柄のリボンタイにプリーツスカート。全体的に落ち着いた色味だな。だからこそ、彼女の白い肌がよけいに目立つ。朝陽を浴びてキラキラと輝く亜麻色の髪も同様だ。が、校則を守る真面目な女子生徒のように、後ろ髪を一つに結んで肩から垂らしている。
【監査官】はメガネ越しに俺の方をジロッと見てきた。

「なんですか? シャキッとしてください。今日のあなたは先生役でもあるんですからね」

 声をだす間もなく叱られてしまった。まるでクラス委員長だ。

「……そこだけは相変わらず元気なようですが」
「あッ! い、いや……これはっ!」

 ジト目になったレリアが俺の股間を見た。そこはテントができていた。ジュリアと女子高生たちのフェロモンにあてられたせいだ。

「まったく……! 今朝も一度だしたというのに! 本当……底なしですね!」

 フンッと鼻息を漏らすレリア。俺から顔を背けてしまった。そんな仕草もやはりかわいい。
 ……まあ、それはそれとして。
 彼女が口にした“今朝”というのは、俺の夢精のことだ。二日連続でしてしまったのだ。いやまったく、精力の強さが恥ずかしいというか、誇らしいというか。ちょっと呆れてしまうよな。昨日の日中、あれだけ射精したというのに――。

「みなさん、静かにしてください!」

 教室の中央から張りのよい声があがった。と同時に、声の主が起立した。

「【胤馬】先生、大変失礼しました。クラスを代表して、ベリー・フーラが謝罪いたします」

 ベリーはこっちの世界では珍しい真っ黒の髪だ。枝毛の見えないロングストレート。瞳の色は淡い紫で、シルバーフレーム・ウェリントンタイプのメガネをかけている。ツンとした目元に、気が強そうな細い眉。レリアに並ぶ“いかにも”な委員長タイプだ。
 なんて考えていたら――。

「まーたいいんちょがえばってるぅー」
「やーいクソマジメガネー!」
「人一倍スケベなくせしてさー!」
「ねーっ!」
「……はやく。……見たい。……ち×ぽ」

 周囲の女子生徒が野次をとばした。どうやらベリーは本当にクラス委員長らしい。
 ……ていうか、この流れどっかで見たよな? クソマジメガネってはやってんの?

「ちょっ……! う、うるさいですよっ! 私のどこかスケベなんですかっ!」

 顔を真っ赤にするクラス委員長。
 俺は《出歯亀千里眼》を密かに発動させた。三十人の女子生徒がいると聞いて、教室に入る前に切っていたのだ。
 ベリーの身長は百五十九センチ。スリーサイズは八十五、五十四、九十。Fカップ。うん。躰つきは間違いなくドスケベだな。お尻の形がなんともいい。制服の上からでもわかる。ムッチリとした安産型で、揉みごたえもありそうだ。丈夫な赤ちゃんが産めそうじゃないか。
 ああッ、やべぇ……! はやくしたいッ! 異世界現役JKに胤付したいッ!
 さらに硬くなっていく俺の牡。我慢の限界が近かった。
 パンパンッ!
 ジュリア教師が手を打った。笑顔を浮かべているが、どこからか威圧感が滲みでている。

「はいはい、静粛にしましょう。フーラさんもまだ座っていてくださいね?」
「は……はい、先生。申し訳ありませんでした」

 途端に静まり返る教室。そして萎縮するベリー。
 す、すごいな。
 ジュリアの教育の賜物なのか。あるいは単に、本当は怖い先生なのか。

「授業をはじめましょう。……タケル先生、脱いでいただけますか?」
「はいは――……えッ!?」

 まあ当然セックスをする流れになると思っていたので、裸になることは覚悟していた。しかしここまではやいとは。慌てて女教師を振り返った。直後、俺は大きく息を飲んだ。

「わたしも脱ぎますので」
「ええッ……!?」

 ジュリアがタイトスカートのジッパーをおろしている。黒タイツ越しに真っ白の太ももと濃い紫のショーツが見えた。

「わーーーっ! 先生、だいたーーーんっ!」
「すごぉい……! 先生のボディ、超セクシーっ!」
「ムチムチプルプルーーーっ! 肌きれーーーーいっ!」
「さすがジュリア先生っ!」
「……さすジュリ」

 あ、あれ? 女子たちは全然驚いていない? 俺だけなんかアウェー感。

「……あの」

 そこへレリアが耳打ちしてきた。彼女の熱い吐息が心地よい。

「お伝えするのを忘れましたが、ジュリア先生は……その……ちょっと個性が強い方です」

 レリアの表情を窺う。どこか気まずそう俺から目を逸らしていた。
 まあ……つまり、なんだ。変わっている人、といいたいのだろう。

「わたし、小学生のとき担任がジュリア先生だったんです。歴史の授業の一環で遺跡見学がありました。……片道三十キロを……徒歩で……しかも……ジフェ山の……ほぼ山頂……ううっ」

 そのときの記憶が蘇ったらしい。【監査官】の顔色が青くなった。

「わ、わかった! わかったから……もういいぞ! 忘れておけ! な?」

 俺は心の底から同情した。小学生に山道三十キロはきつすぎるだろう。俺のいた世界でそんなことをしたら、各方面から抗議の嵐に違いない。いや。もしかしたらこっちでもそうだったのかもしれないが。
 レリアがほっとため息をついた。表情はさっきよりマシになっている。

「あと……もう一つ。ジュリア先生が【孕巫女】の一人です」
「……あ、うん。まあ……それはなんとなくわかってたけど」

 強烈な個性をもった女教師とセックス……子作りか。ちょっと緊張するというか、気後れするというか――。

「タケル先生? どうしました? わたしはもう準備ができましたよ?」

 呼びかけられ、俺はジュリアへ視線を向けた。もう一度息を飲むことになった。
 ジュリアが全裸になっていた。……いや、正確にはポーラータイと黒のハイヒールだけ残している。実にマニアックな姿だ。そこ以外に布地はない。三桁もあるバストは垂れることなく、美しい吊り鐘型を保っている。髪と似た桃色の乳首はすでに勃起状態。腰から尻に至るくびれのラインが悩ましい。男の性欲を燃やす妖しい魅力があった。陰毛はかなり濃い目だ。ここまで彼女のフェロモンが漂ってきそうだ。
 ビインッ!
 ハーフエルフの女教師に胤付したい。俺の股間が強く訴えた。
 その動きをジュリアは見逃さなかった。頬をぽっと染め、品よく微笑んだ。

「ふふっ、さあ……タケル先生も。生徒が……勿論わたしも、待っています」
「あ……ああ。わかったよ」

 気がついたら、女子生徒全員が息を潜め、俺に熱視線を送っていた。背中がゾクゾクとする興奮だ。俺は生唾を飲みこみ、着ている服に手をかけた。昨日と同じ、白無地の七分丈カッターシャツと黒のスラックスという格好だ。ボタンとベルトを外し、さっと脱いだ。革靴も脱ぎ、下着をおろした瞬間、教室内に「きゃあっ!」と声があがった。

「わっ……わわっ! うそぉ……おっきいっ!」
「う、うんっ! 文献や教科書より……ずっとっ!」
「においが……ううンっ! すごいよォ! なにこれぇ……嗅いでると、躰の奥が……ああンっ!」
「棒のところ……太ぉい! あ、あれが……陰嚢? ごつぅい……!」
「……ち×ぽ。……ち×ぽ。……ち×ぽ」

 男冥利に尽きる反応だった。女子たちは顔を赤らめたり、瞳を濡らしたり、あるいはもっとあからさまに下半身をもぞつかせたりと、牝になりつつあった。……ていうか、さっきから最後の子、おかしくない? だいじょうぶ?

「タケル先生……どうぞ教壇の中央に。皆さんも集まってください。机と椅子は後ろにさげて。前を広くしましょう」

 ガタッ、ガタガタッ……!
 女子たちの動きは驚くほどはやかった。あっという間に教壇の前にスペースを作り、そこへ腰をおろした。抑えきれない好奇心と隠せない性欲が少女たちの瞳を輝かせている。
 レリアは廊下側の壁にいた。椅子をひとつ借りて座っている。頬を染め、むっつり顔で成り行きを見守っている。

「ではまず、男女の躰の違いについておさらいしましょう」

 ジュリアが俺の腕を抱き、引き寄せた。ムニュウウゥッと二の腕がJカップの中に埋まる。シュークリームのようにフワフワとした感触だ。それなのに温かく、弾力もたっぷりだ。奇跡的な胸だった。

「世界でたった一人、本物の男性――タケル先生がここにいらっしゃいます。先生のお躰で勉強しましょう。タケル先生、よろしいですか?」
「まあ……うん、構わないよ」

 正直、恥ずかしくてしかたがない。三十人のJK、女教師、ついでに【監査官】。彼女たちに視姦されるのだから。が、それでも昂ぶってしまうのは、やっぱり男だからだろうな。牡ならば己のち×こを誇示したい欲求がある。牝の視線を奪えるのは誇らしい。

「ご協力感謝します。……それでは皆さん。もっと近くに。タケル先生の性器がよく見える場所まできてください」

 女子生徒らが座ったままずいっと寄ってきた。先頭のベリーは近すぎる。彼女の鼻息が俺の裏筋をくすぐっている。わざとではないらしい。クラス委員長の瞳は真剣そのものだった。顔と耳は真っ赤だが。

「最初に男性器の各部名称です。……まずここ、先っぽの部分は亀頭といいます」

 くにゅうぅっ。
 女教師が俺の横に膝をつき、勃ちあがったペニスにふれた。やわらかい指が亀頭を撫でる。

「おッ……ああっ!」

 当然、気持ちいい。俺は軽くあえいでしまう。
 異世界JKたちに見られただろうか? いや……彼女たちは俺の男根に夢中だった。

「とても敏感な部分です。扱うときはやさしく、丁寧に、ですよ。この窪んだところが亀頭頚……通称、カリ首。肉の線のような部分が包皮小帯……裏筋ともいいます。男性の性感帯です。ふふっ、女性のたしなみとして覚えておきましょう」

「はーい」と返事をする生徒たち。
 そこだけを切り取るとまともな授業のようだが、その実、男性器について学んでいるのだ。非日常感と羞恥心、そしてジュリアのさりげない愛撫が股間に効く。
 ジュワァ……!

「……あッ! せ、先生! 先っぽからなにか垂れてきましたよっ! もしかして、精液ですか?」

 声と手をあげたのはベリーだった。彼女が腰を浮かせて亀頭を覗きこむ。それにつられて、まわりの女子も同じ動きをした。

「いえ、違います。これは尿道球腺液というものですね。先走り汁や我慢汁といったりします。男性が興奮した際にでてきます。性器同士の摩擦を低減する――つまり、セックスをしやすくするためのお汁ですね」

 けっこうストレートな言い方をしたジュリア。女子たちが息を飲んだり、喉を鳴らしたり、小さな悲鳴を漏らしたりした。

「つづけますよ? 棒状のこの部位は陰茎体。わかりやすく竿といってもいいでしょう。これを包んでいるのが包皮ですね。ふふっ、皆さんにもありますね? 男性器は女性のアレを大きくしたもの。そう考えるのもいいでしょう」

 女子生徒たちの頭に浮かんだ言葉は「クリトリス」に相違ないだろう。ほぼ全員が頬を染め、俯き、腰から下をモゾモゾと動かした。

「最後に……睾丸ですね。男性の一番大事なところ――いえ、この世界にとってもそうですね。精子を作り、溜めておく場所です。このふにふにとやわらかい皮の中にあります。性交をするときは、愛情をこめてやさしく撫でてあげましょう」

 ジュリア教師はさっそく実践した。卵を扱うように手のひらで包み、実に丁寧な愛撫をしてくれた。快感と感激で俺の腰がふるえる。
 ああ……すばらしい性教育だ! 俺のいた世界の女子たちにもしてほしいくらいだぜ!

「見てぇ。【胤馬】先生すっごく気持ちよさそう」
「うんっ。やっぱり……おちん×んっていいんだぁ」
「そりゃそうだよぉ。だって……ほら、あたしたちのアレだってさぁ」
「うふふっ、アレってなによぉ。わたしはわかんないなーっ」
「……ち×ぽ。……すごい。……はふぅ」

 教室に小さく響くJKたちの囁き声。
 なんか、さっきより暑くなった? 俺は腋の下や背中、股間に汗を感じた。よく見ると、ジュリアの肌もうっすらと濡れている。目の前の女子たちも、顔や首筋が光っていた。
 間違いない。みんな興奮しているんだ。
 それを悟った瞬間、剛直が勢いよく反り返った。
 ピュッ!
 鈴口から我慢汁がとびだした。小さな放物線を描き、床に落ちた。
 その光景を誰もが見ていた。教室内がシーンと静まり返った。が、すぐにゴクッという生唾を飲みこむ音が響いた。
 それが合図となった。

「……それでは、次の単元に移りましょう」

 豊満なハーフエルフの女教師がゆっくりと立ちあがった。
 俺を含め、そこにいる全員が息を詰めた。

「性交の方法です。勿論……タケル先生とわたしで実践します」