それは比喩ではなかった。偽ユーミンの躰の輪郭が実際に溶けはじめたのだ。

「おおっとぉ……! いけないいけないっ! こんなところで正体晒すわけにはいかないもんねーーーーっ! くふふふふふっ!」

 気をとりなおしたようだ。偽ユーミンがしっかりと偽ユーミンに戻った。……ヘンな表現だが。
 グチュチュッ、グチュンッグチュンッ、パチュンッパチュンッパチュンッ!
 スラりんの腰振りがつづく。外見はふつうの少女なのに、体内はまったく別物だ。半粘膜半スライム体というのだろうか、人間の膣ではありえない動きをしている。ツブツブのついた壁がまわっているのだ。

「うぐっ! あッ……ああっ! 気持ち……よすぎるッ!」

 使ったことはないが、電動オナホールがこういう具合なのかもしれない。
 そこへさらに、スラりんの淫靡な揺らめきと触手責めを受ける女性たちが加わっている。視覚効果もあわさって、かつてない快感だった。

「くふふふふふっ! そーだろそーだろーーーっ!」

 スラりんが満面の笑みを浮かべた。性器で結合したままググッと躰を倒してきた。

「タケルぅー、前も訊いたけど、ボクのものになれよぉー。ボクといっしょにいたら、もっと気持ちのいいことできるんだぜー?」

 レロォ……ッ!
 元がスライムだけあって舌も長い。耳の穴を深く穿られた。グチュグチュという音と熱い粘膜がくすぐったく、気持ちいい。

「あうぅ! も……もっと気持ちのいいこと?」
「そうだよーー! くふふっ! たとえばぁー、今、ボクは多くの♀を犯してるだろー? その快感はボクに伝わってきてるわけさー。何十人ものま×こをいっぺんに味わってる状態なんだぜーー」

 偽ユーミンの膣穴が急激に狭くなり、ドロドロの肉で包皮をめちゃくちゃに扱かれた。これくらいの肉悦なんだぞといわんばかりだ。

「くふふふふふっ! ボクとより深く繋がったらー、その快感をタケルも得ることができるってことさーーー! モチロンっ、ボクの触手も自在に使えるよーーーっ! 要するにっ、ち×ぽを無限に増やして今以上の乱交ができるってことーーーーっ! くふふふふふふふっ!」

 ち×ぽを無限に? 【謝肉祭】にうってつけの能力じゃないか。スラりんのいうとおり、一本じゃ足りないと思ってたしな。
 しかし――。

「……より深く繋がるってどういうことだ?」

 そこをハッキリさせなければ怖い。イヤな予感がしたのだ。
 スラりんが俺の耳を舐めるのをやめ、意味ありげに微笑んだ。

「くふふふっ。『魂の接合』だよー」
「た……魂?」

 グチュッ……グチッグチッ……クチュッ!
 ゆったりと腰を動かすスラりん。作り物の子宮が亀頭を覆い、水あめのような粘液をまぶしてくる。

「そうー、魂さー。くふふふっ。ちょーレアなんだぜー? 魂に干渉する能力はー。ボクらの中でもボク以外だとあいつくらいかなー」
「ボク以外ってどういう意味だよ……うぅッ!」

 スラりんが上半身を密着させてきた。ユーミンを正確にトレースしたであろう控えめなおっぱいもくっついた。やわらかなモチ肉とぷっくりとした乳首で愛撫された。

「くふふっ! そんなこと、今はどーーでもいいだろー。大事なのは、ボクと魂で繋がるかどうかってことさーー」

 偽ユーミンが笑顔を消した。小首を傾げて、俺の目をじっと覗きこんできた。

「どーする、タケルー。ボクと本当にひとつになるかいー?」

 いつの間にかスラりんは腰振りもとめていた。が、蜜肉はペニスにひっしと吸いつき、ジュグジュグと蠢動している。

「……ッ」

 俺は息を飲んだ。スラりんの様子がいつもと違ったからだ。この誘いは、彼女にとってとても大事なものなのかもしれない。
 どうする? スラりんと魂で繋がれば、想像もできないほどの快感を得ることができる。触手も自由に使えて、より【謝肉祭】を愉しむことができる。いいことだらけじゃないか。
 ――だが、怖い。
 やっぱり俺はスラりんを信じきれていない。この得体の知れない生き物とひとつになったら、確実に俺が俺でなくなってしまうだろう。そんな気がするのだ。

「……スマン、スラりん。やめておくよ」

 返ってきたのは長い沈黙だった。真顔のスラりんが俺をじっと見ている。
 こ、怖い。いきなり触手で突き刺したりしてこないだろうな。

「お、おいスラりん? なにか――」
「くふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふっ!」

 今度は狂ったような高笑いが返ってきた。それにあわせて、彼女の触手も激しく波打った。

「んぶぅっ! んっんっ! 口の中っ、めちゃくちゃあ……んぶぅううッ!」
「ダメぇっ! おっぱいっ、とれちゃうぅうう! 伸びちゃうからぁあッ!」
「あんっ! んひぃいっ! ぶ、打たないでぇっ! 痺れるのぉおおっ!」
「し、子宮の中まで入ってるわあッ! ああんッ! すごいのぉおっ! そんなところ、ゴリゴリしないでえっ!」
「そんな……太いのっ、お尻が元に戻らなくなるッ! んほぉおおおおぉおッ!」

 呼応して、宙吊りになっている女性たちが嬌声を響かせた。涎や汗、涙、湯、そして愛液が、ポタポタと雨のように降っている。

「くふっ、くふふっ、くふふふふふっ! やっぱりつまんねー♂だなーーー、タケルぅーーーーっ!」

 ドチュンッドチュンッドチュンッドチュンッ!
 笑いながらスラりんがピストン運動を再開した。

「ボクのプロポーズを断るなんて、一生後悔するぜーーーーっ! くふふふふふふふふふふふふふふっ!」
「プ、プロポーズだったのか、今のっ! むぐッ……!」

 ジュルルルンッ!
 俺の方にも触手が伸びてきた。咥内を抉られ、乳首を愛撫され、前立腺を擦られた。

「んぐぅっ! んっ……! んぅううぅうッ……!」

 途方もない快感だ。いや、むしろ悶えに近かった。息もまともにできないので、頭の中と目の前が白くなっていく。

「くふふふふふふふふふっ! 苦しそうなのにっ、ち×ぽはますますビンビンになったぜーーー、タケルぅーーーっ! あんぅうぅッ!」

 グチュッグチュッグチュッグチュッグチュッグチュッ……!
 ラストスパートに入ったようだ。偽ユーミンが物凄いスピードで女体を揺すっている。ほどよい大きさの乳房が弾み、汗とフェロモンを散らしている。結合部からは男女の混合液がとびだし、俺の下腹部を濡らしていた。

「んぅうぅううッ! イクッ……! イクイクイクッ! イッちゃうよぉおおぉッ!」

 スラりんの体内が痙攣しだした。膣は半分スライム体に戻り、カリ首のあたりを締めつけ、強烈に扱いている。【纏氣】を凌駕する圧倒的な刺激だった。

「イクぅぅうううううううんんんんんぅッ……!! あひっ、んふぅぅうッ……!」

 ブシャァアアアアアァアアアァアアッ!
 派手なアクメを極めると同時に、偽ユーミンが壊れたシャワーのような潮をとばした。大人になりきっていない躰がビクンッビクンッとふるえている。
 そして――。

「んぅぅうううぅ! イクぅうぅうううう! んぐぅううぅうッ!」
「乳首でっ、イッちゃうぅううッ! あんっ、あんッ、んぅうううッ!」
「おっきいのっ、くるぅッ! ああんっ! もっとぉおっ! きつく縛ってぇぇえええッ!」
「おま×こっ、イクッ、イクぅぅううううううぅ! きゃひぃいいいいッ!」
「いやっ、いやぁああああッ! お尻でなんかアクメしたくないッ! んんぅぅうぅううぅうッ!」

 プシャッ、プシィイイッ、ブッシャアァアアアァアアッ!
 スラりんの絶頂が伝播したかのように、宙吊りの女性たちが一人残らず果てた。その光景は凄まじかった。ツルペタからムチムチボディまで例外なく痙攣し、陰部から恥ずかしい噴水をあげているのだから。

「んぐぅうっ――はあッ! お、俺もッ、イクぅぅうううぅううッ!!」

 ドビュウゥウゥウッ! ビュッ、ビュウゥッ、ビュゥウゥウウウウウーーーッ!
 これで俺が射精しなかったら嘘だろう。スラりんのスライム膣の中に濃い白濁液を放っていく。

「くふっ、くふふふふふふふふふっ! きてるよぉ、タケルのプリプリの精液ぃーーーーっ! はふぅーーっ、最高ぉーーーーーーーっ!」

 偽ユーミンが大きく仰け反った。露わになる細くて白い首。汗の雫が垂れ、鎖骨を濡らした。その眺めが妙にエロくて、俺の全身がブルリとふるえた。

「はぁーー、はぁーーー、はぁーーーーんっ! はふぅーーーっ! 気持ちよかったぁーーーっ!」

 ヌッブゥ……ッ!
 俺との結合を解くスラりん。満ち足りた表情だが、口元には寂しげな微笑があった。
 それにあわせて、女性たちを戒めていた触手が消えていく。『桃天園』の大理石の床に彼女たちが倒れていく。皆、呼吸は乱れているものの、しあわせそうに肢体をふるわせている。

「はぁ、はぁ……ああ、スラりんっ」

 俺は顔をあげた。スラりんになにか言葉をかけようと思った。さっきのプロポーズ云々が本当ならば、彼女を傷つけたかもしれないからだ。

「くふふふふっ。またねー、タケルぅー」

 チュッと軽いキスを残し、偽ユーミン――もとい、スラりんは去っていった。彼女が歩いた後には、俺がだしたばかりの精液が落ちていた。