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ヴィデオドローム
(原題:Videodrome)
キャッチコピー:ビデオテープに魅せられた男の謎…
製作国:カナダ
製作年:1982年
配給:欧日協会
ジャンル:ホラー/SF
上映時間:87分
<キャスト>
James Woods(ジェームズ・ウッズ)
Sonja Smits(ソニヤ・スミッツ)
Deborah Harry(デボラ・ハリー)
Peter Dvorsky(ピーター・ドヴォースキー)
Les Carlson(レス・カールソン)
and more…
<スタッフ>
監督:David Cronenberg(デイヴィッド・クローネンバーグ)
製作:Claude Heroux(クロード・エロー)
脚本:David Cronenberg(デイヴィッド・クローネンバーグ)
撮影:Mark Irwin(マーク・アーウィン)
特殊メイク:Rick Baker(リック・ベイカー)
音楽:Howard Shore(ハワード・ショア)
編集:Ronald Sanders(ロナルド・サンダース)
<あらすじ/解説>
カナダのトロントにある地方TV局の社長(ジェームズ・ウッズ)が、奇妙なビデオテープを発見した。
暴力と官能に溢れた映像に、彼とその恋人は次第に虜となっていく。
やがてテープに秘められた恐るべき陥穽が明らかになる……。
ビデオ映像が人間の体内にある種の腫瘍を創り出す、というアイデアが秀逸。(allcinemaより)
<感想/レビュー>
監督のデヴィッド・クローネンバーグすら、「わかった、と思うとすぐにその手からすり抜けてしまう。つかみどころがない」と言うほどに、独特すぎるくらいに独特で難解な80年代を代表するカルトムービーの金字塔的な映画。
80年代のカルト的な映画ファンのみならず、『ビデオドローム』の名は、その年代をリアルに生きた人にとっては知る人ぞ知ると言ったところなのでしょうか?
私はここ1、2年くらいでこの映画の存在を知って、ビデオじゃなくてDVDで観たので、リアルタイムの人間ではないのですが、それでもこの映画の独創性は凄まじいものがあると思います。
筋を追ってもさっぱりわかりません!
そもそも多分、ストーリー自体に意味なんかなくて、「私は熱狂的な映画ファンだったことはない」と語るクローネンバーグが自分自身の中にあるものを撮った結果こうなったんだと思われます。
観ていたら、TVが及ぼす影響とか、そういうメッセージ性も故意かどーかはわからないけど含まれていますし、夢なのか現実なのかみたいな哲学的なテーマも含まれていますが、多分そんな哲学を考えながら観る映画じゃなくて、観て感じたままの潜在的な意識で観る映画以外の何物でもないんでしょう。
なので、映画の殆どは、主役のシビックTV(トロントのシティTVがモデルなんだとか)の社長、マックス(=クローネンバーグ自身の自己の投影)の主観で撮られていて、観客も同時に脳内トリップみたいな状態に陥ります。
まさに画面に吸い込まれそうな感じと言いますか…
独特のボディホラーはこの頃から既に健在で、人間の性器そっくりのモチーフやら、内臓的な何かがばんばん飛び出します。
なので勿論好き嫌いは思いっきりわかれると思いますが、クローネンバーグ自身、特に好き嫌いを意識して作っているわけではなく、彼のセックスや暴力に対する願望を投影しているにすぎないので、嫌悪感を感じる人が居て当たり前であり、だからこそカルト映画と成り得たのでしょう。
最終的にはイデオロギーと宗教(キリスト教)=(つまりアメリカ)の批判にまで達している映画だと思います。
ニーチェの「神は死んだ」的な言葉、「ビデオドロームに死を!新人間よ永遠なれ!」的な台詞は、あまりに直接的な感じもしますが、これは非常に哲学的な衝撃の名言なんじゃなかろうかと思います。
ということで総評
近年の『ヒストリー・オブ・バイオレンス』や『イースタン・プロミス』などとはかなり趣向が違いますが、初期のクローネンバーグの代表的な作品である『ビデオドローム』は、色んな意味で凄いです。
単純に描写のどぎついSFホラーとして観ても楽しめるし、哲学的な探求心を持って観ても楽しめるという希有な映画。(個人的にはホラーじゃないと思う)
カルト・ムービーと言われるくらいなので特にオススメはしませんが、メディアに支配されている節がある現代だからこそ、多くの人に勧めたい映画でもございます。
映画の中の名言・名台詞
「私たちは、この社会、この宇宙、この現実による支配からの解放を求めて闘わねばならない。たとえそれが絶望的でも。自由に近づくにはより独創的に極限まで突き抜けることだ。確かに危険なやりかただが、私はあえてそれを探求しているのだ。」
『ビデオドローム』監督、デヴィッド・クローネンバーグの言葉
80年代カルトムービーを観るにあたって、町山智浩さんの『〈映画の見方〉がわかる本80年代アメリカ映画カルトムービー篇 ブレードランナーの未来世紀 (映画秘宝コレクション)』が非常に参考になりお勧めです。
【デヴィッド・クローネンバーグ監督関連レビュー記事】
・ヒストリー・オブ・バイオレンス
・イースタン・プロミス
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