2019年06月01日

ヒトパピローマウィルスと子宮頸がん

ヒトパピローマウィルス(人に共通して感染しぶつぶつを作るウィルス;HPVと書きます)
  は沢山の種類があり普通に生活していても自然にうつってくるウィルスです.

 その中でもがんを作るウィルスを危険の高いパピローマウイルスとしています.
 ヒトパピローマウイルス感染予防ワクチンはそのハイリスク群を予防するように作られています.

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子宮頸がんを作るHPVは性交渉で人と触れるようになると,性器や喉の辺りに集まってきます.
一度でも性的な接触を持つと喉や性器に高率にうつります.

子宮頸がんになることを風邪にかかったことのように説明してみます.

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隣りに風邪症状の人がいた時,あれ?風邪かなうつったりしないかな.と思いませんか?
そして,家に帰って何となく喉がいがいがしたような気がすることがあったりするでしょう.
「まずい.移っちゃったかもしれない」そう思って温かくして早く寝てみます.
翌朝目が覚めて「よかった.おさまった」と思うことも
       「あれ?喉が本当に痛くなっちゃった」と思うこともあるでしょう.
風邪がうつったと思ったら温かくしたり温かいものを飲んで早く治れと思いますよね.

それでも,だんだん熱が出て咳がひどくなり薬を飲んでもなかなか効かず,
中には肺炎を起こし場合によっては入院して直さなければならなくなる人が出てきます.
そして,場合によってはただの風邪だったはずなのに様々な治療を必要とする場合や
治っても問題が残る場合,命を落とすことも起こります.

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ハイリスク群のHPVに感染した場合も上記の風邪のような経過をたどることを
大まかに例にすることが出来ます.

人と性的接触をしてHPVに感染しても
症状が出ずに何もなく自然にウィルスがいなくなることもあります..

でも,
時間経過とともに異常が出て自然にはもう治らないという状態になることもあります.

子宮頸がんが風邪と違うのは静かに進行しているのに何も症状がない時間が殆どなことです.

あれ?風邪かな.というぐらいのところで見つけるためには,
性的接触を持ってから必ず子宮頸がん検診を受けることが大切なのです.


yoshi5760 at 04:11 
 ●子宮頸がんワクチン(ヒトパピローマウイルス感染予防ワクチン=HPVワクチン)

についてお話ししようと思います.
年頃のお嬢さんをもつ保護者の方々はきっととても迷っているのではないかと
診療をしていて感じています.

歴史的には子宮頸がんが感染症(ウィルスで移る病気)だということは相当昔から解っていました.
何年もが経ち沢山の女性やその赤ちゃん、それだけでなく男性も様々なガンや治りにくいイボが出来苦しんで、沢山の方々が亡くなりました.

ようやく、ワクチンが出来て日本でもその恩恵を受けられるようになった時には、
アジアでこのワクチンを導入できた国はたった3か国だったのです.
最初は70%ほどの方々が受けてくださったのでその世代の女性の患者さんは、
ある意味得をしています。

ですが、
このワクチンがお子さんが摂取するワクチンの中では筋肉注射で痛みがそれまでより強く、
反射やショックで具合の悪くなる方も少なくありませんでした.
現在でも、血をとったり注射をしたりすると倒れる若い患者さんは多いのです.

また、思春期にかかる12才から17才頃にこのワクチンを打つ適応があるため、思春期に出やすい
ホルモン異常による月経不順や、無月経や様々な疾患が出る時期の今までで打った経験のない筋肉注射によるショックでこの予防接種のせいで調子が悪くなったと理解される方も多かったのです.

このため、
折角、アジアで数少ない導入が出来て最初は沢山のお子さんが受け、将来の不安をとても低くしたにも関わらず、副作用が出て大変なことになるという所謂都市伝説のようなもので患者さんが接種されなくなりました.

今ではその接種を逃してしまった年齢の20 代中盤から後半の方々に女性の5大ガンと呼ばれる子宮頸がんが相当な数で増えているのです.

この話は長くなるので、また、理解に時間もかかるので何回かに分けて書いていこうと思います.

yoshi5760 at 04:03思春期 

2016年10月06日

以前『ドクターズファイル』 にてインタビューされたときの記事です。

―長い歴史を持つ産婦人科クリニックだと伺っています。
そうですね。開院した年は定かではないのですが、人力車で往診をしていた時代からと聞いており、私で4世代目になりますので、明治時代くらいからはあったようです。場所もずっと変わっていないんです。私が把握しているのは、叔父が開業していた頃からなのですが、当時は内科、外科、産婦人科を標榜していました。いわゆる、街のかかりつけで、風邪やケガから妊婦さんまで、さまざまな患者さんが来院していました。1967年に叔父がなくなり父が一部継承したのですが、それからも、誰もがまず通える医院として、地域の皆さまに知っていただいています。私が、院長に就任したのは、2005年のこと。父と同じく私も産婦人科医なのですが、住民の方々の健康を守り、地域医療に貢献していくことを当院のコンセプトにして、専門分野に偏らない医療提供を行っています。

―地域診療を担うクリニックなのですね。
とてもありがたいことですが、70歳位のお年寄りの方がある日いらっしゃって、「子どもの頃、盲腸の手術をここでしてもらったんです。それ以来、病気をせず病院にはかからなかったものですから、数十年振りに来ました」と、話されたこともあります。他にも、昔、診療を受けたのでと、いらっしゃる方は多いですね。親族のことを語るのは憚られることではありますが、祖父や父をとても素晴らしい医師だと感じています。患者さんとの信頼関係は、何より医院にとっての財産ですので、私も患者さん一人ひとりと真摯に向き合うことをモットーにして診療を行ってきました。さまざまな症状や心配事を抱えた患者さんが、気軽に来院できる医院というのは、今の時代だからこそ求められているようにも感じています。“病は気から”とのことわざもありますから、症状の治療だけではなく、「健康の相談所」として、これからもあり続けたいと思っています。

―産婦人科では、どのような患者が多いのでしょうか?
年代は、20代中盤から30代までの方が中心です。症状に関しては、月経異常や更年期のホルモン、思春期に関する悩みや相談、不妊などで来院される方が多いですね。もともと、私は生殖内分泌を専門にしてきました。簡単に言えば、ホルモンの働きや仕組みを考える分野です。ホルモンは女性の生涯に関わる重要な物質なのですが、生活習慣やストレスなどに影響を受けます。逆に、ホルモンの働きに問題が起こると全身の健康を損なう可能性がありますので、患者さんに対して包括的な診療が重要となります。


―婦人科疾患の要因についてお聞かせください。
それぞれの疾患にさまざまな要因がありますが、生活習慣でいえば、不規則なライフサイクル・睡眠や運動不足・過度なダイエット・ストレスなどが挙げられます。つまり、治療にしても、患者さん一人ひとりの生活背景を把握し接点を持つことが求められます。ここが、診療の難しいところですね。ダイエットを例にすればわかりやすいかと思います。肥満体でない方のダイエットは主に美しさのためですが、現代の美しさの基準は、モデルさんに代表されるような、“細さ”。過度なダイエットは、ホルモンにも健康にも良くはありません。しかし、女性にとって美への意識というのは非常に強いものですので、健康への意識を持ってもらえるようなサポートが重要なんです。このように、こういった症状だからこのお薬をという対症療法ではなく、患者さんとのコミュニケーションが診療のウェイトを占めています。

―先生の診療に対するこだわりをお聞かせください。
やはり、お話の部分ですね。産婦人科を受診される患者さんは、一大決心をされて来院する女性が少なくないんです。それは大半の方があらかじめ自分の症状を予想してしまって、過度な不安や緊張を抱いてしまっているからです。これは産婦人科に限らず、医院や病院を受診する現代の患者さんの特徴なのかもしれませんが、インターネット検索やSNSで症状にまつわる情報を収集して来院する方が多い傾向にあります。自分の体や症状について調べることが必ずしも悪いとは思いません。でも、WEB情報だけで、何の病気か判断するのは危険なことです。ですので、ファーストタッチの部分を常に心がけています。生活習慣の是正が必要であれば、患者さんの日頃の取り組みが症状の改善にとって大切ですので、できる限り“気付き”を与えられる医師でありたいと思っています。患者さんのお話をしっかりとお聞きした上で、医師というよりも女性として平易な言葉を用いて説明し、正確な知識を共有していくことがこだわりです。あと、院内の診療に関することではないのですが、SNSを活用して医療情報を配信しています。医師として、女性の生涯のお役に立てる情報を、広く発信していくことも重要な役目だと感じています。

―今、発信しておきたい情報はありますか?
ふたつあります。ひとつは、“敷居”についてです。婦人科疾患をデリケートな病気だと感じ、まだまだ産婦人科を敷居が高いところと考えている方がいらっしゃいます。そのため、体に不調を感じた場合、医療キットを購入し、ご自宅で検査しているという方も少なくないと聞きます。しかし、医院は病気の治療や検査だけではなく、女性の体や健康にまつわる正しい情報をお伝えできる場所でもあります。体の不調や疑問があれば、早めに産婦人科を受診してください。できれば10代の月経がくる頃から相談をしていただけたらと思います。ふたつめは、「子宮頸がん検診」について。20歳以上のすべての女性に2年毎にお知らせがあり、公費で検診を受けられるようになっているのですが、受診率は20%程度とかなり低い値です。しかし、子宮頸がんは、罹患当初は自覚症状がないことが大半で、不正出血などが生じたときにはがんが進行しているケースが少なくありません。重度となれば、子宮を摘出しなければならなくなることもあります。妊娠・出産は女性にとって最も大きなイベントですから、それ以前に性交渉があるようになってからは、定期的な検診を受け、予防に努めていただきたいと思います。また、公費助成で受けられる子宮頸がん予防ワクチンという予防接種があることも、検診と併せて知っていただきたいですね。


―どのようなきっかけで、医師をめざしたのですか?
やはり環境が大きいですね。小学生の頃には将来を決めていて、1年生の作文には、お医者さんになりたいと書いています。一番のきっかけは、当院に良く預けられていたことですね。家族が病気をした時など、ここに預けられて遊んでいました。患者さんにも優しく接していただきましたし、私にとって興味が尽きず楽しい場所だったんです。例えば、注射剤が入っているガラス容器をアンプルと呼ぶのですが、昔はそれを開けるためにヤスリ状のカッターを使ったんです。そのカッターがハート型をしていて、とても可愛く感じていました(笑)。また、親戚に医師が多かったのも、影響があると思います。親戚が集まるときなど、さまざまな医療の話題で盛り上がるわけですが、子どもながらにそういった話題も楽しく感じていました。 そうして、自然に医師をめざすようになり、東京女子医科大学に進学しました。ただ、当初は、脳神経外科学や放射線医学に興味を持っていて、産婦人科を専門しようと決心したのは結構後のことなんです。講義で、お母さんのお腹の中で成長している赤ちゃんをエコーで見たときに感動したのがきっかけでした。また、排卵を促すなどホルモンに働きかける治療があるのを知って、ホルモンにも興味を持ち専門にしました。

―休日はどのようにリフレッシュをしていますか?
散策が好きですね。特に下町の雰囲気が好きで、時間がある時はゆっくりと、路地裏などを歩いて見てまわっています。また、その時に、あまり知られていなそうなおいしいお店を探すのも楽しみのひとつなんです。特別な、お金も時間もかかりませんが(笑) とても良い気分転換になっています。

―最後に、『ドクターズ・ファイル』の読者にメッセージをお願いします。
これまで、がんなどの重い病気や不妊から、元気な赤ちゃんを出産した方まで、まんべんなく診療にあたってきました。振り返ってつくづく感じることは、病気を治すのみが産婦人科医ではなく、女性の生涯を応援するために産婦人科医がいるということです。よく、「こんなことを医院に相談したらいけないと思っていた」と、おっしゃる患者さんがいますが、そんなことはありません。女性の健康を守るのが私たちの役割なのですから、ぜひ皆さまの相談所として、気軽にご活用いただければと思います。月経痛や生理不順など10代の女性も多くお母さんと一緒に来院されますので、小さいことで良いのでご相談ください。

以上

yoshi5760 at 01:18 
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