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絹と明察 (新潮文庫)

「絹と明察」三島由紀夫を読了。

今日は、かみさんと子供たちが東京へ遊びにいった。 なので末娘とつきっきりの休日である。 だらだらと過ごし、夕方少しばかり暑さが緩まったので、散歩に出る。 さて、ミシマが書いた経営小説、ではあるが彼特有の美意識に基づいた変な経済小説といった向きか。
ミシマがこの駒沢という紡績会社の社長を通じて描こうとしたテーマはいったい何なのか。
日本的経営の学術的な側面がうんたらではなく、土着的かつ日本的な精神のもとに顕れる不思議な家族性と協調性。
驚くほどに凡庸な社長を描くことで、ミシマは何を伝えたかったのか。私にはまったく不明だった。
最後に斜視な精神の体現である岡野の体面が揺れていくのを描きたかったのか、ここでは不用意に物語をヒートさせたりせず、ストライキで膠着した精神とヘルダーリンを信奉する岡野のやり取りが面白い。
エンディングを書きたいがために、この壊れた小説は存在したのか。まともに立ち向かうと、深みに嵌る小説だ。