意見があります。





フジテレビ系列で「その原因Xにあり」という番組があった。


そのなかで、ポッコリお腹の原因が、「むくみ腸」だとする話があった。



それに対して、米国消化器学会国際メンバーの私に意見がある。



一番の問題は、この写真である。


1図1


正常としているのは管腔がきちんと三角形をしているので、

横行結腸か上行結腸である。


むくみ腸としているのは、ひだが円形となっているが、一部に縦走筋の引きつれが存在するので、、

下行結腸である。

異常はなく、正常な下行結腸である。

これについては、内視鏡を経験した研修医でもわかるはずである。


大腸の管腔は、部位によって異なる。




u0



横行結腸の内腔は5cmほどであるが、下行結腸は2.7cmと狭い。



では、次に、CTを見てみよう。



22図1


むくみがあると指摘した横行結腸は正常である。

下行結腸は収縮が強いが「むくみ」ではない。

むくみであれば、虚血性腸炎のような母子圧痕像という所見が出ていいが、それは認めない。

この過収縮から、過敏性腸症候群が疑われる。

なお、この所見から、ショウガを投与したというのであれば、

それは、合理的である。

このような過剰収縮がある場合には、
桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)が有効であり、

その成分に生姜が入っているからだ。

 


以前に、あまりに憤慨して以下の記事を書いたことがあるが、

なぜか、今は、冷静に、判断できる。



わかっていて、していることか?


それとも、全く知識がないのか?


テレビは、医者も見ていることを認識すべきである。


以前の記事も貼り付ける。

。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。



2014/07/23

 

意味不明の「むくみ腸」を徹底追及!
 

意味不明の「むくみ腸」を徹底追及!



私の経験上、慢性便秘の治療は難しい。 
大体、論理的治療で8割が軽快するが、2割は難治性であった。 
全国の便秘外来の患者もそうであるに違いない。 
そして、良くならない患者を担当医師はもてあますことになる。もてあました医者は、わけのわからぬ「造語」を話し、患者を煙に巻いて、説得しようとする。 
カリスマと噂される医者ならば、その嘘八百に患者は騙される。 
そして、それが対個人ではなく、公に伝えるのであれば、「いわゆる、ひとつの・・・」など、言い訳は出来ないのである。 

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インターネットを騒がせる「むくみ腸」とは一体何か? 
30
年以上、消化器の医師をしている私も聞いたことがない。 
むくみ→浮腫 
であれば、 
「腸管浮腫」、 
「腸壁浮腫」である。 

腸壁で浮腫を生じるとすれば、 
「粘膜下層」であろう。つまり、粘膜下層の浮腫を意味するのか? 

(絵1) 
意味不明の「むくみ腸」を徹底追及!K教授、客観的証拠を提示せよ1
 


粘膜下層の浮腫は炎症か、虚血で起こる。 

腸管の浮腫を来す疾患は、 
・潰瘍性大腸炎 
・クローン病 
・偽膜性腸炎 
・リンパ腫 
・虚血性腸炎 
・絞扼性イレウス 
・腸軸捻転 
・憩室炎 
・門脈圧亢進症 
・感染性腸炎 
・腸静脈血栓症 
代表的な腸管浮腫を来す疾患の腸壁の厚さは以下である。 
ほとんど1㎝以上厚くなることはない。 

(絵2) 


111図1


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では、いわゆる「むくみ腸」の解説をみてみる。 

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大腸の腸管がむくんだ状態を指す。順天堂大学医学部教授の小林弘幸による造語。便秘や下剤によって大腸に血流障害が引き起こされ、腸内の便の水分がうまく排出されなくなることで、腸管にむくみが発生する。むくみ腸になると大腸の機能が低下するため、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかるリスクが高まり、感染した場合は症状が悪化しやすくなる。また、過敏性腸症候群、慢性疲労、吹き出物、代謝低下による肥満、体全体のむくみなどを引き起こしたり、便秘症の解消が妨げられたりするケースもある。 
( 2014-3-25)
 
http://kotobank.jp/word/%E3%82%80%E3%81%8F%E3%81%BF%E8%85%B8 

<質問・反論> 
1. 「むくんだ」とは、どういう定義でしょう? 
2. 便秘で大腸の血流障害が起こるのでしょうか?証拠を提示してください。 
3. 腸内の水分がうまく排出されないとは、吸収されないということでしょうか?便秘で水分の吸収が障害されることがあるのでしょうか? 
4. 大腸の機能が低下とありますが、どのような機能が低下して、感染にかかりやすくなるのでしょうか? 
5. 過敏性腸症候群で腸がむくむなど聞いたことがありません。 
6. 「ケースもある」とありますが、実際に腸の浮腫を確認した画像があるのでしょうか?
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 
むくみといえば、足や顔にでやすいものです。しかし、内臓である腸にもむくみが起こることをご存知でしたか?腸にはたくさんのリンパが流れており、その流れが滞ることでむくみが起こります。腸の周りがむくんでしまうと、下腹が3~4cmも太くなってしまうこともあるようです。ぽっこりお腹の原因は腸のむくみかもしれません。大腸炎などの病気に伴うむくみもありますが、これも腸内にある細い血管の血流が悪くなることが原因です。腸の血流改善、リンパの流れ改善のための3つの対策をご紹介しましょう。http://igot-it.com/mukumi-tyou-4728.html 

<質問・反論> 
1. 腸管内リンパ管の流れを観察することは、現代医学では不可能と思いますが、確認したのでしょうか? 
2. あたかも、お腹ポッコリが腸管リンパ管のつまりのような内容ですが、腸管のリンパ管が部分的に腫れる「リンパ管腫」というものはありますが、リンパ管全体が膨れる病気は現代医学には存在しません。
 
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次は長いので、 
その都度、疑問を指摘します。 
2010年の国民生活基礎調査によると、便秘で悩んでいる人は480万人と推定されている。特に慢性的な便秘を抱えている人は、腸自体がむくんだ“むくみ腸”の可能性がある。“むくみ腸”になるとどうなるか、またどうすれば予防できるのか、日本で初めて便秘外来を開設した腸のスペシャリト・小林弘幸先生にうかがった。 

便秘は大腸がんとも関係が 

そもそも大腸は、便に含まれている水分を腸壁を通じて吸収しているが、その水分がうまく排出されないと腸管がむくんでしまう。(そのような科学的事実は確認されていません)この状態が“むくみ腸”である。水分が排出されない主な原因は腸の血流障害にあり(腸管の慢性的な血流障害という疾患は確認されていません)腸の血流が滞ることで水分がうまく流れず、腸壁にたまってむくみになってしまうのだ(血流がうっ滞すれば壊死になるでしょう。腸管鬱滞症という用語は100年以上前の妄想医学時代には存在しましたが、20世紀半ばに完全否定されました。) 

むくみ腸”になるとどうなるのか。まず、身体全体がむくむため、身体が冷える原因となる。加えて、腸そのものの動きも悪くなり、脂質や糖などの分解障害を引き起こしてしまうそのため、エネルギーがうまく使われず太ってしまうことがある。(脂質や糖は小腸で吸収されます。大腸の話が小腸へ置き換わっています。もし、吸収されないのであれば、太るのではなく、痩せるでしょう)さらに、何年も便秘に悩んでいるような便秘症も、“むくみ腸”によって解消が妨げられてしまう場合もある。 
小林先生は、便がたまりやすい場所は大腸がんとの発生頻度が高くなるなど、便秘と大腸がんの関連性の深さを指摘している
(便秘と大腸がんの関係は現代医学では否定されています。)特に女性の死因は長年大腸がんがトップになっているため、便秘や“むくみ腸”対策は命に関わる大病予防にもつながると言えるだろう。(これは、完全に、不安をあおる話法です。) 
“むくみ腸”の原因である腸の血流障害は、便秘のほか下剤によっても引き起こされる。(証拠は?)下剤は腸に刺激を与えることで便を排出しているが、刺激物である下剤を慢性的に服用すると、粘膜が炎症を起こして血流が悪化してしまうという。(下剤で血流悪化の実験があるか?証拠提示を求む。であれば、使用許可されているのはどういうことか?) 

自分が“むくみ腸”かどうか分からない人は、以下をチェックしてみよう。1個でも当てはまれば“むくみ腸”の可能性がある。 

3日以上便通がないという状態が1カ月に数回ある 
5年以上、下剤を使用している 
・おなかがカチカチに固い 
・常に膨満感がある 
・便は定期的に出ているが、出した後、毎回残便感がある 
・おならが臭い 

加えて、「足や顔のむくみが取れない」「ダイエットしているのに痩せにくい」「ニキビや吹き出物が治らない」などが当てはまれば、“むくみ腸”と思って間違いないかもしれない。 
(誰でも該当する項目が多すぎます。腸の血流障害との関係が不明です。) 

食生活改善と運動で“むくみ腸”予防! 
“むくみ腸”は専門医の診察を経て治療することができるが、日常的な心掛けで予防も可能である。小林先生は、下剤に頼らずに毎日便を出すことが重要という。 

そのひとつの方法が、腸内環境を整える食生活の改善だ。乳酸菌全般に、腸内環境を整える効果は期待できるが、中でもビフィズス菌は腸内で乳酸と酢酸を産出する。(腸内環境と言う意味は?それと血流にいかなる関係があるのか?)酢酸は腸のぜんどう運動を促すため、より便通改善効果が望める。特に、生きて腸まで届くタイプのビフィズス菌を選ぶようにしよう。(草食動物では蠕動で便が排泄されるが、人間では大蠕動である。) 

また、ぜんどう運動をサポートする食物繊維をあわせて摂取したい。食物繊維には水溶性と非水溶性がある。水溶性のものは便をやわらかくして排出しやすくし、非水溶性のものは便のかさを増すとともにぜんどう運動を促す効果がある。リンゴやミカンなどの果物類やイモ類、キャベツやダイコンなどの野菜類は、水溶性食物繊維であるペクチンを含み、大豆やゴボウ、小麦ふすま、穀類は、非水溶性食物繊維であるセルロースを含んでいる。(水分が吸収されにくいという状況で、食物繊維を増やすと、そのまま便が詰まってしまう)
http://news.mynavi.jp/news/2014/02/21/011/ 

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夏目前のこの季節、「ダイエットをしているのに、なかなか痩せられない」と悩みを抱える女性は少なくないだろう。その原因の一つが、便秘が引き起こす「むくみ腸」にあることはご存知だろうか? 日本初の便秘外来を開設した腸のスペシャリスト、小林弘幸先生に詳しくお話を伺った。 

デスクワーク女子はむくみ腸になりやすい 
腸の動きが悪いと脂肪が溜め込まれる
 

そもそもむくみ腸とはいったい何なのだろうか。 
「大腸内では、腸壁を通して便に含まれている水分を吸収しますが、水分がきちんと輩出されずに、腸がむくんでしまっている状態のことを『むくみ腸』といいます。水分がたまる原因は腸の血流障害。デスクワークの割合が高い女性の場合、座っている時間が長いため運動量が少なく、腸に刺激がいきません。さらに体は動いて汗をかきたいのにかけず、これがストレスとなってしまい、腸の動きをコントロールする自律神経が乱れて血流障害を引き起こすのです」 
(腸の血流障害で腸が浮腫となり、それが自律神経に異常を来すという証拠はあるか?) 
「3日以上便秘が続く」「お腹が張っている」「食事を抑えているのに体重が減らない」という人は、むくみ腸を疑った方がいいそう。また、腸がむくむことによって「脂肪を溜め込みやすい体質になってしまう」という恐ろしい影響も……。(腸管浮腫でそうして脂肪が増えるのか?) 
「むくみ腸の人は腸の動きが悪くなっているため、食べ物の消化・吸収をする腸のぜんどう運動が非常に弱く、便を排出しにくい状態になっています。溜まったままの便が腐敗すれば、悪玉菌が増殖して毒素が発生し、腸内環境がアルカリ性になります。一方で細胞は酸性の状態でしか栄養を取り込むことはできないため、取り込むことができなかった栄養が、皮下脂肪と内臓脂肪に脂肪として蓄積されてしまうのです」(人間は大蠕動で便が出る。悪玉菌の毒素とは何か?100年以上前の理論である。取り込めない栄養がどうして体内に蓄積するのか?どこから吸収されるのか?) 

腸がむくむ原因に! 
女性がやっていまいがちなNG習慣
 

デスクワークで運動量が少ないこと以外に、むくみ腸を引き起こす原因にはどのようなものがあるのだろうか。女性がやってしまいがちなNG習慣を教えてもらった。 

●下剤を飲む 
便秘解消のために下剤を飲む人も多いだろう。だが、下剤は腸に刺激を与えることで便を排出させるもの。刺激物のため、腸の粘膜が炎症を起こし、むくみ腸の原因になる血流障害を加速させてしまう。また、慢性的に下剤を服用することで、腸がぜんどう運動の仕方を忘れてしまい、自力での排便が難しくなるという悪循環も。
(刺激性下剤は炎症を起こさずに、細胞を死滅させるアポトーシスを生じます。死んだ細胞がリポフスチンとなって沈着して、粘膜が肥厚するが浮腫は生じない。腸が蠕動の仕方を忘れるとはどういう意味か?) 

●ドカ食いする 
普段は食事に気を付けている女性でも、時には羽目を外してお腹いっぱい食べることもあるだろう。だが一度にたくさん食べることで、血流は急速に腸に集まり、一気に引く。その結果、血流障害を起こしてむくみ腸になってしまうのだ。さらにその翌日は腸がむくんでいる可能性が高いため、脂肪を溜め込みやすい状態になっており、食事には注意が必要だ。(食後に腸管血液量が増加するが、それが少なくなって血流障害を起こすなど、現代医学では理解できない。マラソン選手やサッカー選手で、骨格筋に血流が優先され、腸への血流が少なくなって、下痢をするというサッカー下痢症というのはあるが、食後に血流が増した後に一気に血液が引いて浮腫を起こすことがあるのか) 

●朝食を食べない 
忙しいからと、朝食を抜いてしまう人は少なくない。だが、朝食を食べないと、体内時計のリズムを整える「時計遺伝子」を働かせることができず、自律神経が乱れてホルモン分泌や血圧、体温管理など、細胞の活動がコントロールできなくなってしまう。腸が正常に動くためには規則正しい生活を送ることが重要。食事や睡眠には十分気を付けよう。(自律神経と腸の浮腫の因果関係が不明) 

●熱いお風呂に入る 
ぬるま湯で半身浴をするのが体に良いことは分かっているものの、物足りなくてつい温度を上げてしまうことも。ところがお湯の温度が高いと、体が熱さをストレスと感じてしまい、自律神経の乱れにつながってしまう。お風呂の温度は39℃〜40℃がベスト。同様に、冷たい飲み物を飲むなどして体を冷やし過ぎるのもむくみ腸の元になるのだとか。(冷たい物と腸の浮腫の関係が不明) 
腸を正常に動かすポイントは、自律神経を整えて腸の動きを司る副交感神経を正常に働かすこと。そのためにはとにかくストレスを与えないことを意識しよう。 

ダイエット成功のカギは「腸内環境」にあり! 
むくみ腸を解消する2つの対策とは? 
小林先生は「ダイエットがしたいなら、腸内環境をしっかり整えることがカギになる」と話す。
「腸内環境が良い状態であれば、便通が良くなるのはもちろん、脂質や糖などをうまく分解することができるため、エネルギーを上手に使うことができます。食べたものがきちんと細胞になるので、無駄な脂肪を溜め込むこともなくなりますよ」
(腸内環境という定義は?あいまいな言葉の羅列で、良く、文章をみれば、それぞれの単語は何のつながりもない) 
そこで、むくみ腸を解消し、腸内環境を整える効果が見込める対策を教えてもらった。 

●ヨーグルトと食物繊維を一緒に摂る 
「腸内環境を整えるために、ヨーグルトを食べると良い」というのはよくいわれること。だが、効果を高めるための食べ方があるというのを知らない人が多いのでは? 
「まずは生きて腸まで届くタイプのビフィズス菌が入ったものなどを選びましょう。さらに、ビフィズス菌には“エサ”が必要です。そのエサとなるのが食物繊維。キウイやリンゴなどの食物繊維が豊富なフルーツやグラノーラにかけて食べたり、より手軽にするなら粉末の食物繊維をとりいれてみても。オリゴ糖もエサになるので、ハチミツをかけてもいいですね」
(低フォドマップ食と全く逆の話をしている。最新医学研究に逆行している) 
なお、摂取量の目安は一日あたり200g程度。「腸は寝ているときに活発に動くので、回数を分けて、寝る前にも食べておくのが効果的」なのだそう。 
(便秘で下剤を使用している人に、むくみ腸が多いというのであれば、全く逆効果である) 

・・・・・・・・・・・ 
●休憩時間や自宅でストレッチをする 
オフィスワークで体を動かす機会が少ない人は、昼休みなどにストレッチをしてみよう。腸圧を高めて血流をアップし、腸管を刺激する効果が期待できる。 
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やり方
・足を肩幅に開き、両手を上げて頭の上でねじって組む 
・左右前後にゆっくり上半身を倒す 
・最後に同じ姿勢のまま、上半身を回す 
「座ったままでも大丈夫なので、オフィスでも手軽にできます。このストレッチをトイレに行ったときや休憩時間などを利用して定期的に行えば、腸の働きはかなり良くなりますよ」
(腹圧のせいで、腸の血流が悪化しているのではないのか?腹圧を高めると血流が増すのか?上半身を動かして、腸の血流が良くなるという理論が成り立っていない) 
腸内環境を整えた上で、「朝食はしっかり、昼は軽めに、夜は20時までに腹七分目の食事を心掛ければ、誰でも絶対に痩せる」と小林先生。夏に向けてダイエットをしている人は効果的に痩せられる体を作るために、まずは自分の腸内環境を整えることから始めてみてはいかがだろうか。 
http://womantype.jp/mag/archives/33344 

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以上から、「むくみ腸」というものは、 
実際には存在しない可能性が高い。 
この様な概念については、 
ライブドアブログの「宇野コラム」で、下記のように記した。 
・・・・・・・・・・・・ 
自家中毒という概念 

中世の頃、プトマイン(ドイツ語:Ptomain)というものが信じられていた。プトマインは「屍毒:しどく」とも呼ばれる毒物であり、動物の死体が腐敗して発生するとされ、腐った食肉にもあり、食中毒の原因物質であると考えられていた。そして、そのプトマインが人間の病気の根源と長い間、考えられていた。その代表的な概念がauto-intoxication(自家中毒)である。
自家中毒とは食べ物が腸で腐敗してその腐敗毒素であるプトマインによって、活力低下、頭痛、疲れ、背部痛、便秘、記憶力低下などを起こし、病気にかかりやすい体質になるという概念であり、その予防や治療のために便を出すことが必要であるという古典的理論である。(なお、現代の医学で「自家中毒」とは小児が緊張やストレスで嘔吐を生じてケトン体が血液中に増加するアセトン血性嘔吐症を意味するが、本章の自家中毒は、それとは異なるいわば死語である) 
この用語自体は1884年にブーシャルドが造語したものであるが、このような考え方は古くからあり、古代エジプト人も腸内で産生される毒素が循環系へ移行して発熱や膿の原因になると信じていた。その考えは古代ギリシア人にも採用され四体液信仰に適用された。また、紀元3世紀のエッセネ平和福音書には、「水の天使の前にひざまずいて洗腸を行い、不浄と病を取り去るように祈る」という内容があり、毒素という概念には「不浄や罪」という心因的な、社会概念的な要素も含まれていた。 
十九世紀には生化学および微生物学の研究によって、自家中毒の仮説を立証する実験が試みられたが成功したものはなかった。つまり、自家中毒を引き起こす毒素である「プトマイン」を特定することはできなかったのである。しかし、当時、有名な医師がこの考えを推進したことは今日の妄想的民間療法に影響しているのは確かである。例えばイリヤ・イリイチ・メチニコフ(1845~1916年)は、自家中毒の毒素が少なくなると寿命が延びるという妄想に取りつかれた。その後、マックス・ゲルソン(1881~1959年)、ノーマン・ウォーカー(1886~1985年)らが自家中毒説をベースとした概念を実践した。 
自家中毒説では毒素で侵された状況をtoxemia(毒素症)と呼んでいた。そして、その毒素症を作り出す腸の状況は、便が大腸に停滞しているintestinal stasis(腸管鬱滞症:ちょうかんうったいしょう)であるとされていた。簡単に言うと腸管鬱滞症は慢性便秘症で便が腸に詰まっている状況であるが、排便の量や回数では定義されず、あくまでも腸の状況の不具合を示す用語であった。そして、腸管鬱滞症から様々な病気を引き起こすとも考えられ、腸内の便を強制的に排泄することが病気の予防や治療につながるとして主に洗腸が行われた。20世紀にはいるとⅩ線診断学が慢性便秘の診断や治療に応用され、従来の自家中毒説を形態異常から説明しようとする試みが行われた。そして、自家中毒を治すためとして内臓下垂やS状結腸過長症に外科的な治療が報告されたのが1908年である。 
このように自家中毒の理論は十九世紀後半から二十世紀初頭に医学界のみならず社会的現象のように流行したが治療の成績は芳しくなく、さらに毒素というものを科学的に立証することが出来なかった。そのため、1919年にアメリカの医学協会では医学界から自家中毒仮説を除外することが決定され、その機関雑誌のJAMAに掲載された。それにもかかわらず自家中毒は現在においても「デトックス」とい言葉に置き換えられて、健康を願う多くの人々の想像の中で継承され、便秘治療を複雑化させている。
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・ 
以上。