Uno Y

 

 
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Kate Scarlata、米国管理栄養士

 

私が彼女をネットで知ったのは、2013年である。その頃、すでに、彼女はIBS患者の救世主であり、女神であり、ネット上のスターであった。
彼女がいなければ、低FODMAPは、現在のようにメジャーになれなかったかもしれない。

米国の管理栄養士でありKateは、ネットで、IBS患者からのどんな質問にも誠意をもって答えていた。モナッシュ大のギブソン教授グループとの関係もあり、彼女の発信する言葉は自信に満ちて正確であった。私は、何十頁にも及ぶ患者とのやり取りを、全て紙に印刷し、

全て目を通して勉強したものであった。

しかし、低FODMAP食に関しての医学論文は共著者のひとつだけであった。

 

Varney J, Barrett J, Scarlata K, Catsos P, Gibson PR, Muir JG. FODMAPs: food composition, defining cutoff values and international application. J Gastroenterol Hepatol. 2017 Mar;32 Suppl 1:53-61.

 

 

そして、

2019年、彼女の初めての筆頭著者の論文が、米国大学消化器病学会雑誌 American Journal of Gastroenterologyに掲載された。低FODMAP食についての論文であった。

 

Scarlata K. Low FODMAP Diet: What Your Patients Need to Know. Am J Gastroenterol. 114:189-91.

それは、一般的な低FODMAP食の指導に関してのガイダンスであったが、

私は、彼女にエールを送るためにその論文に対して、レターを雑誌編集者に送った。

それに、彼女が答えることが出来れば、彼女の筆頭著者のデータがひとつ上乗せになる。

 

<私の手紙>

Uno Y. Influence of Dietary Fiber in Low FODMAP Diet for Irritable Bowel Syndrome. Am J Gastroenterol. 2019 Sep;114(9):1553-1554.

 

低発酵性オリゴ糖、二糖、単糖、およびポリオール(FODMAP)ダイエット(LFD)は、過敏性腸症候群(IBS)に推奨される。 LFDは低繊維食療法ではないため、Scarlataは低FODMAP食において豊富な食物繊維の摂取を推奨した。しかし、食物繊維の過剰摂取は、IBSの症状を悪化させる可能性がある。食物繊維は、不溶性食物繊維と可溶性食物繊維に分類される。過剰な不溶性繊維がIBSの症状を悪化させる可能性があることは広く認識されている。対照的に、多くの種類の可溶性繊維があり、それらの多く(例えば、xanthan gum, carrageenan, agar, gellan gum, guar gum, gum karaya, gum tragacanth, gum arabic, pectin, β–glucan, polydextrose, and xyloglucan)消化管で発酵する性質を持っている。これらは、FODMAPと同様に、小腸で吸収されず、大腸で発酵し、短鎖脂肪酸(SCFA)とガスを生成する物質がある。たとえば、ペクチン発酵で猫を使用した動物実験では、SCFA量とガス量の間に正の相関があった。ヒトでの研究では、高メトキシペクチン、甜菜ペクチン、大豆ペクチンはフルクトオリゴ糖よりも多くのSCFAを産生し、その発酵時間は624時間続くことが確認されている。さらに、健康なボランティアによるグアーガムの摂取後、ガス量(H2およびCH4)と腹部症状(鼓腸および腹痛)との間に有意な相関関係があることが観察されている。

FODMAPの各コンポーネントには相乗効果があるため、LFDの除去フェーズの目的は、それらを同時に減らし、症状の改善を得ることにある。発酵性可溶性繊維では、これらの相乗効果による人間の症状の変化は不明である。さらに、FODMAPの各成分と発酵性可溶性繊維の相乗効果は研究されていない。相乗効果がなくても、これらの相加効果によるガスの増加には論理的な矛盾はなく、実際に発生する可能性を否定することはできない。したがって、可溶性繊維がIBS患者において安全であることを説明する客観的な証拠は不十分である。 LFDの場合、発酵が減少すると、重要な利点は大腸でのガス生成の抑制である。 IBS患者がLFDを遵守していても、過剰な発酵性食物繊維の摂取によりガス量が増加すると、十分な効果が得られない可能性がある(図)。 LFDの排泄期に症状がなくても、無症候性ガスの量が少ないため、毎日過剰な可溶性繊維を摂取したIBSの人はLFD再指導期に失敗する可能性が高くなる。このため、LFDで発酵性繊維が許容できるかどうかを慎重に検討する必要がある。

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この私のレターは、結構きびしい内容でした。

著者によっては、レターに返信しない人もいますが、

初めての筆頭著書ですし、さらに彼女の性格上、きちんと返信してくるだろうと期待していました。

 

そして、以下のような返信を確認しました。

 

Scarlata K. Response to Uno. Am J Gastroenterol. 2019 Sep;114(9):1554-1555.

 

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低発酵性オリゴ糖、二糖、単糖およびポリオール(FODMAP)の食事、繊維、および過敏性腸症候群(IBS)の発酵に関する意見について、宇野博士に感謝する。 IBS症状管理のための過剰な繊維と発酵の役割に関するあなたの解説はよく理解した。しかし、低FODMAP食の目標は、腸内の微生物炭水化物発酵を完全に排除することではなく、症状管理に必要な場合にのみ減らすことである。特定の繊維には、プレバイオティクスとして機能し、血糖コントロールを改善し、および/または血中脂質を管理する推定上の健康上の利点がある。低FODMAP食は、IBSの症状管理に使用される3段階の栄養アプローチがあり、適切な症状制御の有効性は、IBSを持つ個人の5070%である。低FODMAP食によって、消化管での浸透および発酵効果の程度が異なる吸収不良の短鎖炭水化物は除外される。しかし、難消化性デンプン、β-グルカン、グアーガムなどの他の発酵性繊維は、長鎖炭水化物であるためFODMAPとは見なされない。

 Halmos らは、FODMAP炭水化物が少ない食事は、研究対象の70%でIBS症状を軽減したと報告した。この研究では、全体の食物のなかに約23gの繊維が含まれており、その中には、ほぼ7gの高発酵性難消化性澱粉が含まれていた。発酵性繊維を含むこのレベルの繊維にもかかわらず、IBSのすべてのサブタイプにわたるIBS被験者の大部分(70%)は、適切な症状を抑制できた。

 IBS患者の臨床診療における食事介入の利益には個人間のばらつきがあることを考えると、登録栄養士は必要に応じて食事管理のために他の繊維源を修正し、個人を症状の緩和に導くことができる。食物繊維は非常に不均一な炭水化物のグループであることに注意することが重要である。

食物繊維は、鎖の長さ、溶解度、粘度、ゲル化能力などの多くの特性が異なる。これらの特性は、それらの速度、発酵の程度、および潜在的な健康上の利点に影響を与える可能性がある。食事に発酵性繊維を含めると、重要な健康上の利点が得られる場合がある。たとえば、可溶性オオバコ殻、β-グルカン、およびグアーガムは、血中コレステロールを低下させ、血糖コントロールを改善することが示されている非常に粘性の高い繊維である。難消化性でんぷんは、優れた基質能力があるため、健康上の利点をもたらす可能性がある。食物不耐症の症状に対処するために低FODMAPダイエットなどの栄養学的アプローチを適用する場合、栄養士のエンドポイントは、さまざまな食事を奨励して栄養ニーズを満たし、長期的な健康を向上させることである。必要に応じて、残留症状のある個人の長鎖発酵性繊維摂取量の調整に対処できる。しかし、現在の用途での低FODMAPダイエットはIBSの多くの人々に十分な利益をもたらすようであり、したがって、特に食物中の繊維の潜在的な健康上の利点を考慮しても、IBSの栄養介入の良い出発点であると推奨される。

 
(以上、ケイトの返信)

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実際のところ、低FODMAP食だけでは、症状軽減しない人もいます。

なぜ、30%に効果がないのかを考えた場合、

その他の発酵性物質、

たとえば、

発酵性デンプン、発酵性食物繊維、さらに、炭水化物全体にまで、考える必要があるという事は、一応、彼女は理解したと思いました。

 


 We can see advanced stage.