上記日程にて、私が所属する市議会の「鉄道対策・農水省跡地利用特別委員会」と市長並びに企画調整課との合同視察が行なわれました。
 武蔵野市では、JR中央線の連続立体交差化事業(武蔵野市区間は高架)が、若干の遅れはあるものの順調に進んでおります。
 これに歩をあわせる形で、新しく生まれ変わる武蔵境のまちづくりの拠点として、武蔵境駅南口農水省倉庫跡地への新公共施設建設計画が進んでおります。
 これまでの経過を簡単におさらいすると…

 ‐赦48年、同地の払い下げについて東京食糧事務所長に要望書を提出して以降、長らく膠着状態が続く。
◆(神 5年 3月、市議会本会議で可決した第三期基本構想長期計画(平成5年〜16年)で同地への新公共施設建設が優先事業として位置づけられる。
 平成 8年10月、食糧庁より『市の利用計画策定及び取得見通しが明示されなければ競争入札で(民間等へ)処分(売却)する』との通告を受ける。
ぁ(神 9年 9月、市議会に設置された「農水省跡地利用計画検討特別委員会」が、平成10年3月、いくつかの施設機能を示して『建蔽率80%、容積率500%の商業地域で駅前の一等地であることを踏まえて土地活用を望む』とする報告書を提出、同年3月16日の本会議にて承認される。
ァ(神10年 3月、市議会特別委員会報告書を踏まえ、市が食糧庁に利用計画を提出。
Α(神10年10月、隣接する民有地を含めて土地取得完了。
А(神12年 2月、建設する公共施設について、広く一般からアイデアを募集するための「アイデアコンペ」を実施。
─(神13年 3月、市民参加型による『新公共施設基本計画策定委員会』が設置され、最終回の平成14年12月までに、14回の委員会、市議(特別委委員)との懇談会、市民ヒアリング等を経て、平成15年2月、「集う、学ぶ、創る、育む〜知的創造拠点」という基本コンセプトを盛り込んだ報告書が提出される。
 平成15年10月から16年2月にかけて、全国でもめずらしい設計者選考のための公募型の「武蔵境新公共施設設計プロポーザル」が実施され、カワハラダヤスコ+KwhDアーキテクツの川原田康子さんが選定される。
 平成16年 5月、川原田康子さん等市民委員4名を含む「農水省跡地利用施設建設基本計画策定委員会」が設置されて、建設に向けての施設の具体的な機能や規模、管理運営方法などが検討される。
 平成16年12月、同委員会より『中間のまとめ』が発表される。
 現在、この『中間のまとめ』に対する市民意見が受け付けられており、2月22日の「鉄道対策・農水省跡地利用特別委員会」には、その市民意見の要約が報告される予定。

 以上がきわめて雑駁な経過の説明です。
 今後の予定としては、平成17年度に基本設計・実施設計を行い、18年7月には工事に着手、20年度の開館をめざしています。
 市議会では今後、高架事業については、その高架下(駅下や線路下)の活用方法、駅前新公共施設については、北側に整備する公園の形状や館の運営、活用方法などが注目されています。
 これら今後の課題を踏まえ、以下、今回の議会と行政側との合同視察のご報告をいたします。

☆ 2月 1日(火)

▽福岡県福岡市…『アクロス福岡』施設概要について。

2005.02.01福岡市 福岡市(人口約138万人/面積約340.60k)は、近年、その地勢を活かして、アジアの拠点都市を目指して発展を続けていますが、その中心に位置し、百貨店や銀行などの商業・業務機能が集積する中央区天神町にある『アクロス福岡』は、国際、文化、交流の拠点施設として、県庁移転(昭和56年)後の跡地に平成7年に建設されました。
 施設の内容としては、福岡シンフォニーホールや8カ国語同時通訳設備を持つ国際会議場、文化情報ラウンジやパスポートセンター、こくさいひろばなどの県の施設、レストランやショッピングゾーン、オフィスなどの民間施設、総合案内や野外ステージ、一般並びに契約駐車場やアトリウムなどの共用施設などで構成されています。
 建物の管理運営については、
 『県施設』は福岡県が設立した「(財)アクロス福岡」(理事長:麻生渡(知事))が管理運営。
 『パスポートセンター』は「福岡県」の直営。
 『こくさいひろば』は「(財)福岡県国際交流センター」(理事長:麻生渡(知事))が運営。
 『民間施設』(テナント(オフィス・物販・飲食))は県と民間会社から、建物(アクロス福岡)自体の清掃・高熱水費等の管理業務は(財)アクロス福岡から、それぞれ委託を受けた「エイ・エフ・ビル管理(株)」が行っています。
 建物の規模は、地上14階(高さ60m)・地下4階、敷地面積は13,647屐建築面積は10,622屐延床面積は97,493屬箸いΦ霏腓覆發里如地下街からは地下鉄にも直結し、建物がひとつの街のように、公民複合施設としての相乗効果を発揮していました。
(※なお、武蔵境駅南口農水省跡地に建設予定の新公共施設は、地上4階(高さ18m)・地下3階、敷地対象面積4,931屐建築対象面積2,162屐延床面積9,600屐榁浪蔀鷦崗1,200屬侶物となる予定です。)

☆ 2月 2日(水)

▽大分県湯布院町…『由布院駅駅舎と駅前周辺のまちづくり』について。

2005.02.02-1湯布院町 湯布院町(人口約1万1千人/面積約128k)の玄関口、JR由布院駅は、大分県出身の建築家・磯崎新氏の設計により、平成2年、リニューアル完成しました。
 これは、「由布院駅舎周辺活性化事業」として、総事業費1億円のうち、大分県の補助3,090万円、町一般財源2,830万円、起債4,080万円で、まちの活性化を目的に整備されたものです。
 駅舎は、世界的建築家らしいモダンなデザインが印象的で、駅構内には観光案内所とイベントホール(ミュージアムホール/待合室兼用)があり、駅舎の外にはミニ公園が配置されていました。
2005.02.02-2湯布院町 ミュージアムホールでは、絵画、写真、彫刻など、一般公募によって選ばれた作家達の作品を、ほぼ月替わりで入れ替え展示しており、待合室の役目も兼ねているので、列車の待ち時間も芸術鑑賞できるようになっています。また、駅舎には、プラットホームとコンコースを隔てる改札口が設けられていない(検札はある)ため、フリーに行き来することができ、ホーム端にある足湯も構内の売り場で専用タオルを買うだけで使用できるようになっていました。
 武蔵境駅も、新駅舎になることを機会に、来街者の回遊性を創出する拠点として、観光的な観点も加味していくべきだろうと考えております。

▽大分県大分市…『連続立体交差事業』について。

2005.02.02-3湯布院町 大分市(人口約46万4千人/面積約501k)の中心で進む「大分駅周辺総合整備事業」は、大分県を事業主体とする「連続立体交差事業」や「幹線街路等整備事業」、大分市を事業主体とする「大分駅南土地区画整理事業」等によって、南北市街地の一体化、新都心の形成、都市内交通の円滑化をめざして行われています。
 駅南土地区画整理事業では、大分県出身の建築家・磯崎新氏が、大分市の政策アドバイザーを務めている関係で、平成10年に設置された市民参加型の駅南まちづくり会議が主催するシンポジウムでの講演や、「21世紀県都コア構想〜大分駅周辺希望誘導空間構想〜」の 作成など、ここでも大活躍されておりました。
 北口駅前への幅員100メートルのシンボルロードやそれに面する場所への複合文化交流施設の新設など、すべてにおいてダイナミックな事業でした。

☆ 2月 3日(木)

▽宮崎県日向市…『日向地区連続立体交差事業』について。

2005.02.02-4日向市 日向市(人口約5万9千人/面積117.56k)では、平成8年に「中心市街地整備事業」がはじまり、現在、「日向市駅周辺土地区画整理事業」「日向地区連続立体交差事業」「ひゅうが商業タウンマネージメント構想」「中心市街地活性化事業」「複合拠点施設建設事業」などが同時進行で進んでいます。
 JR日向駅の高架化にともなう駅舎づくりは、私たちの武蔵境駅同様、中心市街地活性化事業にあわせ特徴ある駅舎デザインをめざして、市民参加による駅舎デザイン検討委員会が発足、その後、都市デザイン会議へと引き継がれ、現在、『ホームを柱のない大屋根構造とし、構造材には宮崎県産材を使用、変断面集成材なども木を活用、人が24時間通行できる自由通路を設け東西駅前広場を一体化し、ホームから「まち」が見わたせる透過性の高い防風スクリーンとする』ことが決まっているようです。
 私たちが街を視察している最中、案内の市の担当者の方に、あちらこちらから気軽に声がかかるなど、行政との関わりも極めて良好なようで、地域商店主などを中心とする市民の積極性、まちづくりやこの事業に対する熱い想いを感じました。

▽宮崎県宮崎市…『市民活動支援センター』について。

2005.02.03宮崎市 宮崎市(人口約30万9千人/面積287.08k)では、戦後失われつつある「互助」の精神復活と、行政依存ではなく「市民が支えあう地域づくり」の展開を目指して、平成12年、宮崎市民プラザ内に「市民活動支援センター」を設置、平成13年には「市民活動推進条例」を施行しました。
 市民活動支援センターは、ボランティアをしたい個人または団体が登録し、同センターに常駐するコーディネーターが、それぞれの相談に乗ったり、意向を考慮してボランティアをコーディネートしたりしてくれる仕組みになっています。現在、527団体、896人が登録しているとのことでした。
 登録団体は、会議・交流スペースや給湯室、メールボックスやパソコンコーナーの無料使用、資料・物品保管のためのロッカー、コピーや印刷・製本機の低料金での使用、団体始業期の支援補助金制度(1団体1回限り5万円以内)など、充実したサポートが受けられますが、助成を受けた団体は、その事業成果について画像等を交えたプレゼンテーション形式による発表が義務付けられており、その評価も投票によって公表(下写真参照)されるというなかなか厳しいものでした。
 武蔵境駅南口農水省倉庫跡地に建設を予定している新公共施設も、『中間のまとめ』での報告のとおり、「ワークルーム」や「会議室」「学習ルーム」など、ボランティアグループを含めた市民活動を支援するスペースが予定されており、宮崎市の同センターの視察は、ソフト面で大いに参考になりました。