上記日程にて、市議会文教委員会で、高知県の高知市と南国市、沖縄県の名護市と沖縄市に視察に行ってきましたので、以下、日程に従いご報告します。

▽10月11日(水)

高知県高知市…『特定非営利活動法人 高知こどもの図書館』について

2006.10.11高知「こどもの図書館」視察 高知こどもの図書館は、高知城に隣接する県立図書館の移転計画が持ち上がった平成7年、「移転後の施設をこどもの図書館に!」という市民運動から「高知こどもの図書館を作る会」が発足、しかしその後、県立図書館の移転計画が財政上の理由から延期されたこともあって、同会への県の支援として、自治労が使用していた建物の一部の無償提供(家賃・光熱水費等)を受け、県に同建物を改装してもらって設置されたものです。
 同図書館は、作る会を母体とする理事19名、監事2名で設立された「特定非営利活動法人 高知こどもの図書館」が運営していますが、県からは上記の建物の無償提供のみで財政的な補助はなく、財源や本などは、県内の企業や個人からの会費や寄付金等(書籍)と、受託事業・自主事業などで賄われています。
 日常業務は、職員3人と経理スタッフが常駐して行い、さまざまな企画については他の理事などがボランティアで協力して運営されているようです。
 会費約500万円、寄付金約200万円、助成金(民間)5万円、受託事業約520万円、自主事業約200万円などを収入として、総事業費は約1,500万円、上記職員や理事長・館長等の人件費・責任費・福利厚生費・退職積立金・通勤費等にかかる経費は約690万円とのことでした。
 この取組みを見て、武蔵野市の市民活動やNPOに対する支援がいかに充実しているかを再認識しました。

 武蔵野市でも、武蔵野プレイス(仮称)に図書館が移転する西部図書館の跡施設をどうするかが課題となっており、いまのところは行政側も、跡施設を都に返還してしまうのか、別用途の公共施設とするのか白紙状態のようですが、そのまま一般図書館として存続させることはないとしています。
 財政的な見地も重視しつつ、これまで社会教育施設であった経緯も踏まえると、同跡施設をどのように利活用すべきか、高知でのこども図書館の取組みはひとつのヒントかもしれないと思いました。


▽10月12日(木)

◎高知県
南国市…『食育』について

2006.10.12南国市「食育」視察 南国市での「食育」の取組みは、11年前に就任した現在の市長に任命されて以来、現在まで、二人三脚で歩んできた西森教育長の、徹底した「食育」へのこだわりからはじまり、南国市が全国でもっとも注目される「食育のまち」といわれるまでに至りました。
 同市では、「南国市食育のまちづくり条例」も施行しています。
 その取組み内容も、食材マップの作成、棚田米給食による中山間農業の振興、徹底した米飯給食主義、電機炊飯器を使った自校炊飯、地元企業等と協働し地域食材を使ったデザート・副菜の開発、米づくり親子セミナー、交流都市との食材交流協定の締結、学校での栄養職員による食教育、地場農業理解教育、自己管理能力育成のための定期的なバイキング給食、郷土食・伝統食づくり教育、一流シェフを招いた調理実習、食育フォーラムの開催による情報発信など、多岐にわたり、まさに徹底しています。

 なお、同市では、小学校給食のみで、中学校は、忘れた子・持ってこられない子対策として学校で発注するデリバリー弁当の取組みをしているということで、「なぜ中学校も給食をやらないのか」という質問に対して、西森教育長は「小学校6年生までに食の自立をさせるのが『食育』の目的。中学校では家族の絆を重視しており、親が作れなければ、それまでの『食育』の取組みにより、自分で作れるようになっているはず。」と、胸を張っておっしゃっていました。
 小学校までに、ここまで徹底して「食育」の取組みをされているからこそ、自信をもって言えるのだろうと思いました。
 武蔵野市でもこれまで、中学校については同じ理念を持って中学校給食をやっていませんでしたが、「食育」への取組みについては、南国市とは比較すべくもないほど貧弱です。
 いま、中学校給食実施に向けて、教育委員会は動き出していますが、これまで重視してきた「家族の絆」という理念はどうするのか、「食育」を含め、武蔵野市としても、もっとしっかりとした「学校と食」への考え方の構築が必要だと思いました。


▽10月13日(金)

◎沖縄県
名護市…「北部生涯学習推進センター」について

2006.10.13-1名護市「北部生涯学習推進センター」視察 北部生涯学習推進センターは、沖縄米軍基地所在市町村活性化事業として、地域住民の学習支援、地域振興に資する人材育成などの拠点として設置されました。
 同センターは、県と県北部12市町村の出資で設立された名桜大学を運営する「学校法人名護総合学園」が指定管理者を受けて、運営しています。
 同センターの機能としては、観光や情報産業などを育成するための産業支援機能、学生や求職者の知識・技術習得サポートのためのキャリアサポート機能、市民・学生や地元企業に対する教養・資格習得講座の開設などカルチャー機能を柱としています。
 名護市では、各種公共施設を結ぶ「名護ファイバーシティー」が構築されており、同センターも、市民・学生・企業が発信するコンテンツづくりを習得するためのPCルームやスタジオ機能などを備え、産・官・学連携施設として、その中に位置づけられております。


◎沖縄県那覇市…「学校給食調理業務の委託事業」について

2006.10.13-2那覇市「学校給食調理委託」視察 那覇市では、平成9年の「那覇市行政改革懇話会」の提言、11年の「行政改革実施計画」の策定、同年の「学校給食業務委託に関する報告書」の報告にともない、13年のボイラー管理業務の委託、14年の搬送業務委託などを進め、15年、神原小、17年、与儀小・古蔵小と順次調理業務を委託し、一校約860万円(自校式)のコスト削減を実現しています。
 最初の神原小の委託のさいは、かなり父母などから不安の声があったようですが、業者選定に当たっての条件として、病院・学校などで100食以上の調理業務で5ヵ所・5年間以上の実績があること、食中毒を過去5年間起こしていないこと、賠償責任能力があることなど、かなり高いハードルを設け、さらに、父母からあがっていた不安などに対しては、教育的位置づけ、味や質の管理、衛生管理、市栄養士との連携による適正な請負契約の履行、迅速な業務改善対応など、それぞれ神原小での取り組みを検証した結果の報告書を作成し、公開したことにより、2校目以降の委託については、父母説明会を開いてもほとんど反対論は出なかったとのことでした。
 なお、平成19年度も新たに2校の調理業務の委託を予定しており、委託前の平成10年5月の段階では、調理職員200名(市正職員121名、臨時職員32名、非常勤職員47名)だったものを、最終的には、那覇市内53校すべての調理業務を委託し、年間約3億円のコスト削減を目指しているとのことでした。
 これまでの委託で、非正規職員の委託先企業への正式社員採用などの効果もあったとのことでした。

 私も議会で主張し続けていますが、武蔵野市も、民間で十分対応できるこのような事業については、そろそろ本格的に、学校給食調理業務の民間委託化を検討する時期に来ているのではないでしょうか。

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