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(新歌舞伎座)
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                 (歌舞伎座がある晴海通り)
 筆者のライターデビューは、1986年(昭和61年)11月のことだ。ダイヤモンド社発行の月刊誌「BOX」(12月号)で筆者の「TOKYO データーウォッチング」なる連載コラムがスタートした。

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        BOXはすでに休刊。コラム掲載号は保管してある。

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連載企画は、鴨下信一、常盤新平、板坂元、中原洋など、一流執筆陣。そのなかに突然、新人ライターのコラムが掲載された。破格の扱いだった。
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 筆者の企画(東京データウォッチング)は、常盤新平氏のニュヨーク物語と対になるようデザインされていた。
 「BOX」は、今ではグラフィックデザインの世界では、知らないものはいない
岡本一宣デザイン事務所が事務所設立後、最初に創刊 アートディレクション、デザインを手がけたビジネス総合誌。バブリーな時代で、システム手帳ブームが到来し、とにかく文房具特集をすれば部数が伸びた。

 当時、筆者は民間教育団体に所属し、生業として出版関係のアルバイトなどをしており、知り合いを通じて、東京をデータで切り取る企画提案を行い、W編集長に採用されたのだった。

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 その際、W編集長からコラムのイメージとして参考に読んでみるように指示があった本が枝川公一著「ジョン・レノンを探して」(銀座の旅ノート~1986年9月30日発行)。枝川さん(※)は、的確な取材とペーソス溢れる名文で読者を魅了するノンフィクション作家である。

 5年に及ぶ銀座歩きの成果を55本のコラムとしてまとめあげたこの本、表題の「ジョン・レノンを探して」もそのコラムの1本である。

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              (木挽町通りにある樹の花)

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(階段の上り口にジョン・レノンのエピソード)
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(店内はこんな感じ)
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(ジョン・レノンとヨーコ夫妻が座った席)
 内容は、昭和54年8月4日、ジョン・レノンと妻ヨーコが息子のショーン(3歳)を連れて銀座(築地)に登場し、映画館(松竹セントラルで「スーパーマン」上映中)にショーンを預けて、夫婦は近くの喫茶店で映画が終わるまで過ごしたというものだ。たまたま入った喫茶店が、開店して4日目となる「樹の花」だった。呆然とする女性オーナーと息子さんがおそるおそるサインをもらう様子が絶妙なタッチで描写されている。

筆者は、現在、本の整理を行っており、たまたま、本箱の片隅に隠れていたこの本を見つけた。こみあげる懐かしさで、ネットで「樹の花」を検索すると、まだ営業を続けていることを知った。

筆者は一昨日、休暇を利用して上京。本日、「樹の花」を訪ねた。

新たに建てられた歌舞伎座の脇(木挽町通り)を北東に歩いて数分、旧電通本社から祝橋を通り有楽町駅方面に向かう道との交差点のビルの二階にそれはあった。

重厚でレトロなインテリアの落ち着いたカフェだ。オーナーなのか、店員さんは2人。中年女性と若い女性。明るくて気さくな対応が好印象だ。ジョン・レノンとヨーコが座った席に案内していただく。レノンセット(ジョン・レノンが来店時に注文したというコロンビアコーヒーとクッキーのセット)をオーダーする。お客は若い女性がひとり。壁には、当時のサインがそのまま飾られてあった。

実は、ジョン・レノンの来日は、この時が最後となった。なぜなら翌昭和55年12月、ジョンはニューヨークで凶弾に倒れてしまったからだ。

 上京の折に立ち寄ってみてはいかが? 食事もワインも楽しめます。

住所   東京都中央区銀座4-13-1
営業時間 平日/10:3020:00(L.O.19:40)
     土曜/12:0018:00
定休日  日曜・祭日
お店のHP http://www.cafe-kinohana.net/

 

※東京向島生まれ。東京外国語大学卒業。出版社(光文社)勤務を経てライターとして独立し、下町や酒場などを歩いて探訪するノンフィクション作品、アメリカやアジアの文化と社会のルポなどを発表した。2014年死去。