627cx
 昨日、午後7時から日比谷公園で「東電前アクション」が主催した集会があった。参加者は100名超だった。パレードでは東京電力や関西電力前で「柏崎刈羽の再稼働はありえない」など、怒りの声を挙げた。

 さて、パレード前の集会のなかで、福島第一原子力発電所の収束作業を行なっている男性が挨拶を行なった。その内容は、都市部で行なわれている現在の反原発運動、脱原発運動の“質”を問うもので、原発最前線からの貴重な発言のように思えた。「良薬は口に苦し」である。その声を紹介したい。

627atori                 

 皆さん、こんばんは。僕は福島第一原発の収束作業をしています。僕は昨年度、たった3カ月間で7ミリ(シーベルト)の被爆をしています。僕の職場は比較的安全というか、いちばん安全な場所かもしれません。そのようなところでも、すでに労災白血病の認定基準である5ミリシーベルトに2カ月半~3カ月でなっています。

 皆さん、原発というのは差別を生み出すシステムでした。今、収束作業を行なっているのは、都市部の貧困の人々、そして、寄せ場や福島の貧困な地域(の人々)、東北の出稼ぎ労働者(といった方々です)。皆、本当に日給1万円にも満たない状況のなかで働いています。

 原発労働というのは、実は差別の問題であります。その差別的な状況を、実は推進派であっても、反対派の皆さんであっても(よく分かっておられない)、今、廃炉という作業、収束の作業をやっているのは、紛れもない僕たち人間です。僕たちは人間なんだ。そして、僕たちはその人間としての尊厳を取り戻したい(のです)。

 日給8000円とか1万円とか、そんな金額でどうなんでしょうか?将来の不安もものすごくあります。多分、このままですと、僕たちは健康被害が出たとしても保障されないかもしれません。そして、僕たちのような収束作業員のことを親身に気遣ってくれるのは、福島の現地の住民です。

しかし、都市部の住民は、無責任に「ハイロ、ハイロ」とそのようなコールをします。だけど、その廃炉の作業をしているのは人間です。収束作業員です。都市の人たちに本当に言いたい。無責任な「ハイロ」という言葉ではなくて、その廃炉に向けて皆でこの原子力という技術が生み出す差別の問題を、自問自答しながら、そしてこの新しい社会、新しいエネルギーをこれから皆で考えて(いきたい)。

原子力という技術が生み出した差別の問題を、自問自答していかなければ福島の現地住民や収束作業員と一緒の気持ちで未来に向けた収束作業、廃炉作業はできないと思います。
 皆、本当にこの原発をなくしたいんだったら、人任せの廃炉作業(ではなく)、僕たちに任せるのではなく、廃炉作業を行なう僕たち収束作業員をもっともっと増やして欲しいですし、皆でどのようにこの原発(廃炉)を現地の人と一緒にやっていけるのか、考えて、本当に考えてください。

 大飯原発の社長さんに会いました。社長さんはテレビのインタビューがあった時に、「私は再稼働に賛成だよ」という話をしました。しかし、収録が終わった後、社長さんはこう言いました。皆、反対なんだよと。自分の身内は皆反対なんだと。この大飯原発の現状は、賛成、反対がごちゃまぜになっているところに、クサビを埋め込むのが、そして分断していくのが都市部の反原発運動であったり、電力会社であったりするわけです。賛成も反対も同じような支配者の視点からそのような原発住民の分断を図っている。そのようなことを皆さん、もっともっと気付いて、そしてその中で未来に向けて皆でやっていくことを模索していきたいと、そういうふうに皆さんに提案したいと思います。