つくばの回らぬ風車、早大に2億円賠償命令 東京地裁

つくばの回らぬ風車小中学校に風車を設置して発電し、売った電力で地域通貨を発行して地域の活性化を……。そんな夢のある事業計画が、肝心の風車が回らずご破算となった茨城県つくば市が、風車導入の契約を結んだ早稲田大学や風車メーカーに対し設置費用約2億9千万円を求めた訴訟の判決で、東京地裁は約2億円を支払うよう早大に命じた。

 判決などによると、つくば市は04年に早大と契約を結び、05年7月までに23基の風車を設置した。ところが早大側が示した予想発電量は、設置された風車より回転部分が大きい場合の数値だったことなどもあり、実際の発電量は予想を大きく下回り、事業は実現不可能となった。

 荒井勉裁判長は、「期待された発電量が得られないことを認識し得たにもかかわらず、得られると市に報告した」と述べ、早大に契約違反があったと認めた。一方で、市内の実際の風の状況が、早大の想定より相当悪いことを市が知り得たとして、「事業の推進に慎重な検討を迫る材料がそろっていたのに、早大側の調査結果のみを鵜呑(うの)みにした」と指摘。市側の請求額の7割を損害と認めた。

 判決に対し、早大は「判決は、つくば市の事業主体の責任を見誤るもので到底承服しがたい」とするコメントを出し、即日控訴した